評価: ストリクスヘイヴン:魔法学院 | 巷で噂の塩セットは白を強化?
2021年5月15日 review
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qtqmy4wCkAo
## 概要
2021-04-23 Fri発売のカードセットの「ストリクスヘイヴン:魔法学院」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000203/)が公開されたのでレビューする。
ストリクスヘイブンは魔法学院を部隊にしたカードセットで,特に「履修」と「講義」の新しいメカニズムに注目している。
履修はゲーム外部から講義カードをサーチするか,ルーター効果を選べる能力だ。単純に「願い」サイクルと同じく,アドバンテージを失わずに,その場にあったカードをサーチできるのは柔軟で強い。その分,講義カードのカードパワーが調整されているが,それでも検討する価値はあると感じる。
巷では最近のカードセットと比べると,特段強力な目玉カードが少なく,塩セットと噂されている。ただ,白使いとしては,今までになかった種類のカードや,素直に使い勝手のいいカードが多く,白に限れば悪くないカードセットに感じた。
白のエターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,気になる以下のカードをレビューする。
通常カード
- 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
- 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
- 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
- 《厳しい試験官/Strict Proctor》
- 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
- 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
- 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
- 《微風のブーツ/Zephyr Boots》
履修
- 《導きの声/Guiding Voice》
- 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
- 《戦闘講習/Sparring Regimen》
- 《休憩時間/Study Break》
- 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》
講義
- 《謹慎補講/Academic Probation》
- 《記憶留出法/Reduce to Memory》
- 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
- 《環境科学/Environmental Sciences》
- 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
- 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
- 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
- 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
## 評価
### 通常カード
- 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
- 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
- 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
- 《厳しい試験官/Strict Proctor》
- 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
- 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
- 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
- 《微風のブーツ/Zephyr Boots》
#### 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
3マナ3/1飛行でETBで擬似的な手札破壊をできる。白で相手の手札に干渉できるカードは,《外科的摘出/Surgical Extraction》,《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》くらいしかなく,純粋な白のカードとしてへこれは初だろう。
2マナ追加で払えば,結局キャスト可能になるので,手札破壊能力はややいまいちだが,初動の瞬殺を防げるので悪くない。《古えの墳墓/Ancient Tomb》+《魂の洞窟/Cavern of Souls》で2ターン目に打ち消し不可能でキャストできるのは,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》と大きく違うところだろう。
個人的には確実に追放できる分《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のほうが強いと思うが,悪くないと思った。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》を採用しないDeath & Taxesなどではエースとなりえるだろう。
#### 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
3マナ2/3飛行で,インスタント・ソーサリーを1ターンに一度キャスト可能にする。ただし,自軍以外を対象にする場合8マナ追加で必要にある。8マナも普通は払えないので,ほぼ自軍専用となるだろう。
自軍を対象にするという条件があるものの,《炎の中の過去/Past in Flames》系の呪文の再利用カードは白に今までなかったところが画期的に感じる。
問題はこのカードをうまく活用させるには,キャントリップ持ちで自軍を対象にするインスタント・ソーサリーを多く採用する必要があり,バランスが難しい。エターナルレベルで検討するのは頭をひねる必要があるものの,可能性を感じるカードだ。
#### 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
3マナ2/1でETBで平地をサーチできる。特に珍しいのは6マナで墓地から手札に回収できるところだ。《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》に《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》の回収能力がついたような印象を持っている。
マナを確保できて,終盤のマナフラッド対策にもなるので,素直に悪くないカードに思った。エメリアコントロールで可能性があるかもしれない。
#### 《厳しい試験官/Strict Proctor》
2マナ1/3飛行でパーマネントのETB能力限定で2マナの不確定カウンターを持つ。
エルドレインの王権の《静寂をもたらすもの/Hushbringer》や《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》,《倦怠の宝珠/Torpor Orb》に似ている。
ただ,2マナ払わないときだけ,打ち消すというところがポイントだろう。状況によって,自分のパーマネントで打ち消したい場合と打ち消したくない場合を分けられるところが今までにない画期的なところだ。
先日最近のメタゲームが気になって調べたところ,Death & Taxesに《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を[採用したデッキ](https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/321981/show/)を見かけた。
その発想はなかったので,目から鱗だった。
#### 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》や《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy Chancellor》に似たカードだ。
白だと《霊体の正義/Karmic Justice》が一番近いと思う。
相手からの攻撃に対して,プレインズウォーカーを擬似的に守れるというのも悪くない。
ただ,受け身なカードで,少々使いにくいかもしれない。
#### 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
3マナ1/3でタップ状態の自軍を+1/+0,アンタップ状態の自軍を+0/+1し,攻撃時に自軍を全アンタップ・タップできるクリーチャーだ。
《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》に非常によく似たカードで,《栄光の頌歌/Glorious Anthem》持ちクリーチャーとみなして差し支えないだろう。
クリーチャーで《栄光の頌歌/Glorious Anthem》を内蔵しているのはさすがに強い。
伝説なので重ね張りできないが,ヒロシさんのクレリックデッキなどで《熟練の薬剤師/Master Apothecary》などと組み合わせると地上を完封できそうで強そうに思う。
クレリックの部族に強力なクリーチャーが集まってきているので,クレリックデッキはありに感じる。
#### 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
2マナ1/1飛行,警戒で,タップでこのターンETBしたクリーチャーに+1/+1カウンターを置ける。
またしてもクレリックだ。《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》に近いカードに感じる。先置きできないとあまり強くないが,最低飛行持ちで,2マナの疑似ロードとして悪くなく感じた。
#### 《微風のブーツ/Zephyr Boots》
1マナ装備品で,2マナ装備で飛行とサボタージュ能力を付与する。
過去にDeath & Taxesで《記憶の仮面/Mask of Memory》を採用したことがある。それを思い浮かべたが,アドバンテージを取れるわけではないので,少々微妙に感じた。白は手札の入れ替えが難しいので,可能性は感じたのだが…
### 履修
白の履修カードをレビューする。
- 《導きの声/Guiding Voice》
- 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
- 《戦闘講習/Sparring Regimen》
- 《休憩時間/Study Break》
- 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》
まず,サーチカード全般にいえることだが,サーチしている分余計にマナ・ターンを浪費する点には注意が必要となる。特に,エターナルでは1ターンの差が勝敗を分けるので,序盤のサーチは1ターン何もしないに等しいので注意する。
#### 《導きの声/Guiding Voice》
1マナ最軽量の履修カードとなる。+1/+1カウンターを配置する。
能力自体は些細なものだが,その場にあった講義カードをサーチできるので,悪くないと感じる。
ただし,クリーチャーがいないとキャストできない点はやや使いにくいかもしれない。
#### 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
2マナ2/1で履修持ちのクリーチャーだ。白のウィニーとして最低スペックを持っており,白のもっとも基本的な履修カードになるだろう。
単純にここから《スピリット召喚学/Spirit Summoning》で頭数を増やしてもいい。
白使いとして是非押さえておきたい1枚となるだろう。
#### 《戦闘講習/Sparring Regimen》
3マナエンチャントで,攻撃時に1体に+1/+1カウンターをおける。《栄光の頌歌/Glorious Anthem》に近いカードに感じた。
強化に条件が必要だが,ETBの履修で《スピリット召喚学/Spirit Summoning》をサーチできるので,相互補完はできている。ただ,2ターンかけてその動きは少々弱いかもしれない。
《栄光の頌歌/Glorious Anthem》でキャントリップがあると思えば,強いのだが…
#### 《休憩時間/Study Break》
2マナインスタントで,最大2体のクリーチャーをタップする。最大2体ということで,何もなくてもキャストできるので,まさに願いで《狡猾な願い/Cunning Wish》に近いだろう。
その分,効果はリミテッド向けとなっている。履修カードは数が少ないので,こういうのも貴重に感じる。
#### 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》
6マナのソーサリーで,クリーチャー除去と墓地のインスタント・ソーサリーの追放除去となる。
クリーチャー除去で履修持ちということで,1:2交換ができる強力なカードだが,その分コストも重い。
6マナは少々重すぎるので,なかなか難しく感じた。
### 講義
白で使用可能な講義カードは以下となる。
- 《謹慎補講/Academic Probation》
- 《記憶留出法/Reduce to Memory》
- 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
- 《環境科学/Environmental Sciences》
- 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
- 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
- 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
- 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
履修からサーチすることを前提にされているので,単体のカードパワーがやや低いことに注意が必要だ。
#### 《謹慎補講/Academic Probation》
2マナソーサリーで,次の自ターンまで,指定1枚のキャスト,先頭,起動型能力を封じ込める。
《沈黙/Silence》,《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》などと比べても効果が限定的すぎて少々弱い。白色の講義カードとしては,最軽量なので,呪文のキャストをこなしたい場合や《金属モックス/Chrome Mox》の刻印用になるだろう。
#### 《記憶留出法/Reduce to Memory》
3マナソーサリーで土地以外の《過大な贈り物/Generous Gift》となる。
同じ3マナソーサリーだけならば,白の単体パーマネント除去で最強クラスの《議会の採決/Council’s Judgment》のほうが圧倒的に強い。ただし,講義カードということで,履修からサーチできる汎用除去としてみると,強いと感じた。
履修のサーチ先の第一候補となるだろう。
#### 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
3マナソーサリーで3/2のスピリット・クリーチャー・トークンを生成する。
履修からの貴重なアタッカーのサーチ先となる。3マナ3/2は少々物足りないが,それでも消耗戦ではゲームを決める可能性もあるので侮れない。
#### 《環境科学/Environmental Sciences》
2マナソーサリーで,基本土地をサーチして2点ゲインする。《地勢/Lay of the Land》の講義カードとなる。
序盤のマナ不足を防止し,序盤の安定性を高められるので,無難なカードに感じた。
講義カードとしては最軽量クラスなので,《記憶留出法/Reduce to Memory》の次点,履修からのサーチの第ニ候補あたりになると感じる。
#### 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
3マナソーサリーで+1/+1カウンターを2個おける。
ターン終了時まで警戒も与えるので,頓着状態を打破できて,地味に侮れないカードに感じる。特に,飛行持ちを強化できれば,そのままゲームを決められるかもしれない。
#### 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
5マナソーサリーで,土地でないパーマネントを追放して,1ドローさせる。
白であれば,《記憶留出法/Reduce to Memory》が軽いが,白以外では汎用除去としてこちらを採用するしかないだろう。
#### 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
3マナソーサリーで占術2の後に1ドローする。同じく3マナの《空民の助言/Counsel of the Soratami》と比べると,アドバンテージを取れず物足りないし,同じ効果の《定業/Preordain》が1マナであることを考えると明らかに弱く感じる。
カードパワーの高いデッキであれば,このカードでさらにサーチしにいったたほうがいいかもしれないが,他の《環境科学/Environmental Sciences》や《拡張解剖学/Expanded Anatomy》などを直接使ったほうが手っ取り早く感じる。
#### 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
7マナソーサリーで,2/1飛行,3/2,4/4トークンを1体ずつ生成する。合計打点は9点であり,ゲームを決められる。
7マナと少々重いが,講義のフィニッシャーとして,悪くないと感じた。
## 結論
ストリクスヘイブンを評価した。巷で塩セットと噂されていたが,白視点では今までなかった興味深いカードがいくつもあった。
また,実質《栄光の頌歌/Glorious Anthem》内蔵カードが2枚もあり,確実にカードパワーの水準は上がってきていると感じた。
今回は以下のカードの購入を検討したい。
- 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
- 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
- 《記憶留出法/Reduce to Memory》
結局いろいろ評価してみたが,塩セットとというは一理あるかもしれない。というのも,エターナルはカードパワーが高いので,ここで通用するというレベルだと少々難しい。
《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》は《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のほうがやはり強い。両方採用するというのはありだが…
肝心の履修も遅さがネックになるように感じる。リミテッドや通常構築であれば十分活躍できそうなのだが少々難しい。
今後の活躍を期待したい。
## 概要
2021-04-23 Fri発売のカードセットの「ストリクスヘイヴン:魔法学院」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000203/)が公開されたのでレビューする。
ストリクスヘイブンは魔法学院を部隊にしたカードセットで,特に「履修」と「講義」の新しいメカニズムに注目している。
履修はゲーム外部から講義カードをサーチするか,ルーター効果を選べる能力だ。単純に「願い」サイクルと同じく,アドバンテージを失わずに,その場にあったカードをサーチできるのは柔軟で強い。その分,講義カードのカードパワーが調整されているが,それでも検討する価値はあると感じる。
巷では最近のカードセットと比べると,特段強力な目玉カードが少なく,塩セットと噂されている。ただ,白使いとしては,今までになかった種類のカードや,素直に使い勝手のいいカードが多く,白に限れば悪くないカードセットに感じた。
白のエターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,気になる以下のカードをレビューする。
通常カード
- 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
- 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
- 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
- 《厳しい試験官/Strict Proctor》
- 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
- 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
- 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
- 《微風のブーツ/Zephyr Boots》
履修
- 《導きの声/Guiding Voice》
- 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
- 《戦闘講習/Sparring Regimen》
- 《休憩時間/Study Break》
- 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》
講義
- 《謹慎補講/Academic Probation》
- 《記憶留出法/Reduce to Memory》
- 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
- 《環境科学/Environmental Sciences》
- 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
- 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
- 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
- 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
## 評価
### 通常カード
- 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
- 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
- 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
- 《厳しい試験官/Strict Proctor》
- 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
- 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
- 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
- 《微風のブーツ/Zephyr Boots》
#### 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
3マナ3/1飛行でETBで擬似的な手札破壊をできる。白で相手の手札に干渉できるカードは,《外科的摘出/Surgical Extraction》,《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》くらいしかなく,純粋な白のカードとしてへこれは初だろう。
2マナ追加で払えば,結局キャスト可能になるので,手札破壊能力はややいまいちだが,初動の瞬殺を防げるので悪くない。《古えの墳墓/Ancient Tomb》+《魂の洞窟/Cavern of Souls》で2ターン目に打ち消し不可能でキャストできるのは,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》と大きく違うところだろう。
個人的には確実に追放できる分《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のほうが強いと思うが,悪くないと思った。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》を採用しないDeath & Taxesなどではエースとなりえるだろう。
#### 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
3マナ2/3飛行で,インスタント・ソーサリーを1ターンに一度キャスト可能にする。ただし,自軍以外を対象にする場合8マナ追加で必要にある。8マナも普通は払えないので,ほぼ自軍専用となるだろう。
自軍を対象にするという条件があるものの,《炎の中の過去/Past in Flames》系の呪文の再利用カードは白に今までなかったところが画期的に感じる。
問題はこのカードをうまく活用させるには,キャントリップ持ちで自軍を対象にするインスタント・ソーサリーを多く採用する必要があり,バランスが難しい。エターナルレベルで検討するのは頭をひねる必要があるものの,可能性を感じるカードだ。
#### 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
3マナ2/1でETBで平地をサーチできる。特に珍しいのは6マナで墓地から手札に回収できるところだ。《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》に《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》の回収能力がついたような印象を持っている。
マナを確保できて,終盤のマナフラッド対策にもなるので,素直に悪くないカードに思った。エメリアコントロールで可能性があるかもしれない。
#### 《厳しい試験官/Strict Proctor》
2マナ1/3飛行でパーマネントのETB能力限定で2マナの不確定カウンターを持つ。
エルドレインの王権の《静寂をもたらすもの/Hushbringer》や《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》,《倦怠の宝珠/Torpor Orb》に似ている。
ただ,2マナ払わないときだけ,打ち消すというところがポイントだろう。状況によって,自分のパーマネントで打ち消したい場合と打ち消したくない場合を分けられるところが今までにない画期的なところだ。
先日最近のメタゲームが気になって調べたところ,Death & Taxesに《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を[採用したデッキ](https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/321981/show/)を見かけた。
その発想はなかったので,目から鱗だった。
#### 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》や《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy Chancellor》に似たカードだ。
白だと《霊体の正義/Karmic Justice》が一番近いと思う。
相手からの攻撃に対して,プレインズウォーカーを擬似的に守れるというのも悪くない。
ただ,受け身なカードで,少々使いにくいかもしれない。
#### 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
3マナ1/3でタップ状態の自軍を+1/+0,アンタップ状態の自軍を+0/+1し,攻撃時に自軍を全アンタップ・タップできるクリーチャーだ。
《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》に非常によく似たカードで,《栄光の頌歌/Glorious Anthem》持ちクリーチャーとみなして差し支えないだろう。
クリーチャーで《栄光の頌歌/Glorious Anthem》を内蔵しているのはさすがに強い。
伝説なので重ね張りできないが,ヒロシさんのクレリックデッキなどで《熟練の薬剤師/Master Apothecary》などと組み合わせると地上を完封できそうで強そうに思う。
クレリックの部族に強力なクリーチャーが集まってきているので,クレリックデッキはありに感じる。
#### 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
2マナ1/1飛行,警戒で,タップでこのターンETBしたクリーチャーに+1/+1カウンターを置ける。
またしてもクレリックだ。《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》に近いカードに感じる。先置きできないとあまり強くないが,最低飛行持ちで,2マナの疑似ロードとして悪くなく感じた。
#### 《微風のブーツ/Zephyr Boots》
1マナ装備品で,2マナ装備で飛行とサボタージュ能力を付与する。
過去にDeath & Taxesで《記憶の仮面/Mask of Memory》を採用したことがある。それを思い浮かべたが,アドバンテージを取れるわけではないので,少々微妙に感じた。白は手札の入れ替えが難しいので,可能性は感じたのだが…
### 履修
白の履修カードをレビューする。
- 《導きの声/Guiding Voice》
- 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
- 《戦闘講習/Sparring Regimen》
- 《休憩時間/Study Break》
- 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》
まず,サーチカード全般にいえることだが,サーチしている分余計にマナ・ターンを浪費する点には注意が必要となる。特に,エターナルでは1ターンの差が勝敗を分けるので,序盤のサーチは1ターン何もしないに等しいので注意する。
#### 《導きの声/Guiding Voice》
1マナ最軽量の履修カードとなる。+1/+1カウンターを配置する。
能力自体は些細なものだが,その場にあった講義カードをサーチできるので,悪くないと感じる。
ただし,クリーチャーがいないとキャストできない点はやや使いにくいかもしれない。
#### 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
2マナ2/1で履修持ちのクリーチャーだ。白のウィニーとして最低スペックを持っており,白のもっとも基本的な履修カードになるだろう。
単純にここから《スピリット召喚学/Spirit Summoning》で頭数を増やしてもいい。
白使いとして是非押さえておきたい1枚となるだろう。
#### 《戦闘講習/Sparring Regimen》
3マナエンチャントで,攻撃時に1体に+1/+1カウンターをおける。《栄光の頌歌/Glorious Anthem》に近いカードに感じた。
強化に条件が必要だが,ETBの履修で《スピリット召喚学/Spirit Summoning》をサーチできるので,相互補完はできている。ただ,2ターンかけてその動きは少々弱いかもしれない。
《栄光の頌歌/Glorious Anthem》でキャントリップがあると思えば,強いのだが…
#### 《休憩時間/Study Break》
2マナインスタントで,最大2体のクリーチャーをタップする。最大2体ということで,何もなくてもキャストできるので,まさに願いで《狡猾な願い/Cunning Wish》に近いだろう。
その分,効果はリミテッド向けとなっている。履修カードは数が少ないので,こういうのも貴重に感じる。
#### 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》
6マナのソーサリーで,クリーチャー除去と墓地のインスタント・ソーサリーの追放除去となる。
クリーチャー除去で履修持ちということで,1:2交換ができる強力なカードだが,その分コストも重い。
6マナは少々重すぎるので,なかなか難しく感じた。
### 講義
白で使用可能な講義カードは以下となる。
- 《謹慎補講/Academic Probation》
- 《記憶留出法/Reduce to Memory》
- 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
- 《環境科学/Environmental Sciences》
- 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
- 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
- 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
- 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
履修からサーチすることを前提にされているので,単体のカードパワーがやや低いことに注意が必要だ。
#### 《謹慎補講/Academic Probation》
2マナソーサリーで,次の自ターンまで,指定1枚のキャスト,先頭,起動型能力を封じ込める。
《沈黙/Silence》,《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》などと比べても効果が限定的すぎて少々弱い。白色の講義カードとしては,最軽量なので,呪文のキャストをこなしたい場合や《金属モックス/Chrome Mox》の刻印用になるだろう。
#### 《記憶留出法/Reduce to Memory》
3マナソーサリーで土地以外の《過大な贈り物/Generous Gift》となる。
同じ3マナソーサリーだけならば,白の単体パーマネント除去で最強クラスの《議会の採決/Council’s Judgment》のほうが圧倒的に強い。ただし,講義カードということで,履修からサーチできる汎用除去としてみると,強いと感じた。
履修のサーチ先の第一候補となるだろう。
#### 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
3マナソーサリーで3/2のスピリット・クリーチャー・トークンを生成する。
履修からの貴重なアタッカーのサーチ先となる。3マナ3/2は少々物足りないが,それでも消耗戦ではゲームを決める可能性もあるので侮れない。
#### 《環境科学/Environmental Sciences》
2マナソーサリーで,基本土地をサーチして2点ゲインする。《地勢/Lay of the Land》の講義カードとなる。
序盤のマナ不足を防止し,序盤の安定性を高められるので,無難なカードに感じた。
講義カードとしては最軽量クラスなので,《記憶留出法/Reduce to Memory》の次点,履修からのサーチの第ニ候補あたりになると感じる。
#### 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
3マナソーサリーで+1/+1カウンターを2個おける。
ターン終了時まで警戒も与えるので,頓着状態を打破できて,地味に侮れないカードに感じる。特に,飛行持ちを強化できれば,そのままゲームを決められるかもしれない。
#### 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
5マナソーサリーで,土地でないパーマネントを追放して,1ドローさせる。
白であれば,《記憶留出法/Reduce to Memory》が軽いが,白以外では汎用除去としてこちらを採用するしかないだろう。
#### 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
3マナソーサリーで占術2の後に1ドローする。同じく3マナの《空民の助言/Counsel of the Soratami》と比べると,アドバンテージを取れず物足りないし,同じ効果の《定業/Preordain》が1マナであることを考えると明らかに弱く感じる。
カードパワーの高いデッキであれば,このカードでさらにサーチしにいったたほうがいいかもしれないが,他の《環境科学/Environmental Sciences》や《拡張解剖学/Expanded Anatomy》などを直接使ったほうが手っ取り早く感じる。
#### 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
7マナソーサリーで,2/1飛行,3/2,4/4トークンを1体ずつ生成する。合計打点は9点であり,ゲームを決められる。
7マナと少々重いが,講義のフィニッシャーとして,悪くないと感じた。
## 結論
ストリクスヘイブンを評価した。巷で塩セットと噂されていたが,白視点では今までなかった興味深いカードがいくつもあった。
また,実質《栄光の頌歌/Glorious Anthem》内蔵カードが2枚もあり,確実にカードパワーの水準は上がってきていると感じた。
今回は以下のカードの購入を検討したい。
- 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
- 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
- 《記憶留出法/Reduce to Memory》
結局いろいろ評価してみたが,塩セットとというは一理あるかもしれない。というのも,エターナルはカードパワーが高いので,ここで通用するというレベルだと少々難しい。
《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》は《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のほうがやはり強い。両方採用するというのはありだが…
肝心の履修も遅さがネックになるように感じる。リミテッドや通常構築であれば十分活躍できそうなのだが少々難しい。
今後の活躍を期待したい。
## 概要
2021-03-19 Fri発売のカードセットの「時のらせんリマスター」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000202/)が公開されたのでレビューする。
時のらせんリマスターは,時のらせんブロック (時のらせん,次元の混乱,未来予知) のカードセットから選りすぐりのカードを選抜して収録された再録セットとなる。加えて,時のらせん居倍にも,いくつか旧枠デザインで再録されている。
再録セットのため,新録カードは一切なく,目新しいものはない。ただ,時のらせんは[プロフィール](https://mtg.senooken.jp/profile/)に記載した通り,自分がレガシーを本格的に始めた頃のカードセットであり,時のらせんのカードには思い入れが深い。
また,当時はブログを持っておらず,カード評価をしていなかった。そこで,あらためて評価することにした。
時のらせんブロックは,フラッシュバックやバイバックなど,過去のメカニズムに加えて,刹那,消失などの新しいメカニズムが導入された。その他,白使いとしてはレベル,コーなどの昔の部族の新録カードがあった。
その他,《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》,《セラの報復者/Serra Avenger》,《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》,《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》など,トーナメントで活躍したカードがいくつも収録されていた。
白のエターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に思い出があったり気になる以下のカードをレビューする。
旧採用カード。
- 《太陽の槍/Sunlance》
- 《時間の孤立/Temporal Isolation》
- 《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》
- 《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》
- 《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》
- 《天界の十字軍/Celestial Crusader》
- 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
- 《セラの報復者/Serra Avenger》
- 《石覆い/Stonecloaker》
- 《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》
レベルカード。
- 《アムローの偵察兵/Amrou Scout》
- 《静寂の捕縛/Bound in Silence》
- 《コーの先導/Outrider en-Kor》
- 《鏡の精体/Mirror Entity》
注目カード。
- 《宮殿の看守/Palace Jailer》
- 《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》
- 《斑岩の節/Porphyry Nodes》
- 《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked》
- 《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
- 《虚空の杯/Chalice of the Void》
再録カードのため,まとめて評価する。
## 評価
### 旧採用カード
旧採用カードとして以下のカードが目についた。
- 《太陽の槍/Sunlance》
- 《時間の孤立/Temporal Isolation》
- 《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》
- 《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》
- 《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》
- 《天界の十字軍/Celestial Crusader》
- 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
- 《セラの報復者/Serra Avenger》
- 《石覆い/Stonecloaker》
- 《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》
《太陽の槍/Sunlance》と《時間の孤立/Temporal Isolation》は,《剣を鍬に/Swords to Plowshares》入手する以前の白の除去として半年から1年くらい採用していた。1-2マナで白で能動的に使える除去が,時のらせん時点では《剣を鍬に/Swords to Plowshares》くらいしく,これら2種にはお世話になった。
その後,コンフラックスで《流刑への道/Path to Exile》が登場したり,たしかゼンディカーで《未達への旅/Journey to Nowhere》も登場した。
《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》,《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》,《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》,《天界の十字軍/Celestial Crusader》は,白ウィニーらしいカードで,当時の1-2マナ域の定番カードだった。ただ,《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を突破できず,結局このあたりのカードは徐々に辞退していった。
《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》なんかは,《抑制の場/Suppression Field》と相性が良くて,長らく使っていたのだが,基本的なパワー・タフネスに問題があり,パワー不足だった。《天界の十字軍/Celestial Crusader》は,白の貴重な刹那持ちで,コンバットトリックや,《相殺/Counterbalance》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》をくぐり抜けられるということで,《十字軍/Crusade》をあまり持っていなかったのもあり,使っていた。
残りの,《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》,《セラの報復者/Serra Avenger》,《石覆い/Stonecloaker》,《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》は,長く大会でも採用していた。
中でも,《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》,《セラの報復者/Serra Avenger》は今でも検討できるレベルのカードだ。
特に,《セラの報復者/Serra Avenger》は登場時からかなりの間使い続けたお気に入りのカードだった。《セラの報復者/Serra Avenger》に《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》を装備して,ゴブリン,ドラゴン・ストンピィ,マーフォークなど,数多の強敵と戦ってきた。
《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》と《石覆い/Stonecloaker》も,初期のDeath & Taxesで採用されていたのだが,昨今のカードパワーにはついていけず,使われなくなった。《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》は,まだ可能性があると思うのだが,《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》や《議会の採決/Council’s Judgment》があるので,なかなか…
レガシー初期にどれも実際に使い込んだ懐かしいカードたちだった。
### レベルカード
時のらせんで新たに追加されたレベルカードも忘れられない。
- 《アムローの偵察兵/Amrou Scout》
- 《静寂の捕縛/Bound in Silence》
- 《コーの先導/Outrider en-Kor》
- 《鏡の精体/Mirror Entity》
《アムローの偵察兵/Amrou Scout》は,メルカディアン・マスクスブロック以来の新規のリクルーターだ。レベルだけでなく,キスキンの部族を持っているのがポイントだ。直前のローウィン・ブロックで,白はキスキン部族がフィーチャーされていたので,相性が良かった。
そのため,キスキン部族で《アムローの偵察兵/Amrou Scout》+《鏡の精体/Mirror Entity》+《静寂の捕縛/Bound in Silence》は,自分の中で定番セットだった。
そして,リベリオン使いとして,《静寂の捕縛/Bound in Silence》の登場は非常に大きかった。あまりにも大きい。従来は,相手の攻撃に合わせて,《果敢な先兵/Defiant Vanguard》をリクルートしてブロックすることでしか,戦場のクリーチャーに対応できなかった。
《静寂の捕縛/Bound in Silence》のおかげで,相手のブロック阻止,クリーチャー除去の回避などができ,大幅に強化された。リベリオンを組む上で欠かすことのできない必須のカードとなる。
加えて,《コーの先導/Outrider en-Kor》は,テンペストブロックで登場したダメージ移し替え能力を持つレベル・コーの新規カードだ。0マナのダメージ移し替え能力は,《特別工作班/Task Force》や《セファリッドの幻術師/Cephalid Illusionist》と組み合わせた無限コンボ (ループ・ジャンクション,セファリッド・ブレックファースト) として,大会での実績がある。
特に,《特別工作班/Task Force》と《コーの先導/Outrider en-Kor》の両方がレベル部族なため,リベリオンにループ・ジャンクションのギミックの組み合わせが可能になった。
新たな可能性を感じる新録カードだった。
### 注目カード
他に注目しているカードは以下となる。
- 《宮殿の看守/Palace Jailer》
- 《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》
- 《斑岩の節/Porphyry Nodes》
- 《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked》
- 《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
- 《虚空の杯/Chalice of the Void》
《宮殿の看守/Palace Jailer》はコンスピラシー:王位争奪戦でしか収録されていないものの統率者戦需要の高いカードだったため再録されたらしい。白の強いカードなので,流通が増えて素直に嬉しい。
《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》は《罪の意識/Guilty Conscience》と2枚コンボを構成する。旧エクステンデッドで存在したコンボとなる。
2枚コンボは大会レベルで白使いとして試してみたいのだが,このコンボは*2枚コンボとしては難易度が高い*。5マナのクリーチャーに1マナのオーラを付与して,タップする必要がある。同じく《虚空の杯/Chalice of the Void》を併用できない2枚コンボなら,ペインターコンボに見劣りする…。
《斑岩の節/Porphyry Nodes》は1マナで継続的にクリーチャーを破壊できる点が珍しい。今であれば,1マナだと《薄氷の上/On Thin Ice》があるが,可能性を感じる。
《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked》は,白の打ち消しとして貴重なのだが,効果がいまいち。こちらのパーマネントを対象に取る呪文しか打ち消せず,こちらの*呪文を対象に取る呪文を打ち消せないのが致命的*だ。これなら,《呪文滑り/Spellskite》だとか,《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》などのほうが,《突然の衰微/Abrupt Decay》を回避できる分いい。惜しい…
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》は,最近《ティボルトの計略/Tibalt’s Trickery》で評価が高くなっているカードだ。エターナル勢としては,環境の速度が高速になると,《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》と共にこのカードも必要になると思うので,集めたいと思っている。ただ,1月に1枚5000円くらいで売ってしまった。再録で若干値段が落ち着いたのでまた買い戻したい。
《多用途の鍵/Manifold Key》,《虚空の杯/Chalice of the Void》も汎用的で強力なカードなので,再録は嬉しい。
## 結論
再録セットで目新しいものはないのだが,自分のレガシー初期に使い込んだカード達で懐かしかった。
今後必要になる可能性のある以下のカードは購入を検討したい。
- 《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
最近,エターナル構築向けのカードが値上がってきている。特に再録禁止系で必要なカードなどは,早めに集めたい。
2021-03-19 Fri発売のカードセットの「時のらせんリマスター」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000202/)が公開されたのでレビューする。
時のらせんリマスターは,時のらせんブロック (時のらせん,次元の混乱,未来予知) のカードセットから選りすぐりのカードを選抜して収録された再録セットとなる。加えて,時のらせん居倍にも,いくつか旧枠デザインで再録されている。
再録セットのため,新録カードは一切なく,目新しいものはない。ただ,時のらせんは[プロフィール](https://mtg.senooken.jp/profile/)に記載した通り,自分がレガシーを本格的に始めた頃のカードセットであり,時のらせんのカードには思い入れが深い。
また,当時はブログを持っておらず,カード評価をしていなかった。そこで,あらためて評価することにした。
時のらせんブロックは,フラッシュバックやバイバックなど,過去のメカニズムに加えて,刹那,消失などの新しいメカニズムが導入された。その他,白使いとしてはレベル,コーなどの昔の部族の新録カードがあった。
その他,《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》,《セラの報復者/Serra Avenger》,《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》,《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》など,トーナメントで活躍したカードがいくつも収録されていた。
白のエターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に思い出があったり気になる以下のカードをレビューする。
旧採用カード。
- 《太陽の槍/Sunlance》
- 《時間の孤立/Temporal Isolation》
- 《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》
- 《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》
- 《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》
- 《天界の十字軍/Celestial Crusader》
- 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
- 《セラの報復者/Serra Avenger》
- 《石覆い/Stonecloaker》
- 《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》
レベルカード。
- 《アムローの偵察兵/Amrou Scout》
- 《静寂の捕縛/Bound in Silence》
- 《コーの先導/Outrider en-Kor》
- 《鏡の精体/Mirror Entity》
注目カード。
- 《宮殿の看守/Palace Jailer》
- 《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》
- 《斑岩の節/Porphyry Nodes》
- 《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked》
- 《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
- 《虚空の杯/Chalice of the Void》
再録カードのため,まとめて評価する。
## 評価
### 旧採用カード
旧採用カードとして以下のカードが目についた。
- 《太陽の槍/Sunlance》
- 《時間の孤立/Temporal Isolation》
- 《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》
- 《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》
- 《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》
- 《天界の十字軍/Celestial Crusader》
- 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
- 《セラの報復者/Serra Avenger》
- 《石覆い/Stonecloaker》
- 《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》
《太陽の槍/Sunlance》と《時間の孤立/Temporal Isolation》は,《剣を鍬に/Swords to Plowshares》入手する以前の白の除去として半年から1年くらい採用していた。1-2マナで白で能動的に使える除去が,時のらせん時点では《剣を鍬に/Swords to Plowshares》くらいしく,これら2種にはお世話になった。
その後,コンフラックスで《流刑への道/Path to Exile》が登場したり,たしかゼンディカーで《未達への旅/Journey to Nowhere》も登場した。
《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》,《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》,《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》,《天界の十字軍/Celestial Crusader》は,白ウィニーらしいカードで,当時の1-2マナ域の定番カードだった。ただ,《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を突破できず,結局このあたりのカードは徐々に辞退していった。
《聖なる後光の騎士/Knight of the Holy Nimbus》なんかは,《抑制の場/Suppression Field》と相性が良くて,長らく使っていたのだが,基本的なパワー・タフネスに問題があり,パワー不足だった。《天界の十字軍/Celestial Crusader》は,白の貴重な刹那持ちで,コンバットトリックや,《相殺/Counterbalance》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》をくぐり抜けられるということで,《十字軍/Crusade》をあまり持っていなかったのもあり,使っていた。
残りの,《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》,《セラの報復者/Serra Avenger》,《石覆い/Stonecloaker》,《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》は,長く大会でも採用していた。
中でも,《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》,《セラの報復者/Serra Avenger》は今でも検討できるレベルのカードだ。
特に,《セラの報復者/Serra Avenger》は登場時からかなりの間使い続けたお気に入りのカードだった。《セラの報復者/Serra Avenger》に《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》を装備して,ゴブリン,ドラゴン・ストンピィ,マーフォークなど,数多の強敵と戦ってきた。
《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》と《石覆い/Stonecloaker》も,初期のDeath & Taxesで採用されていたのだが,昨今のカードパワーにはついていけず,使われなくなった。《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》は,まだ可能性があると思うのだが,《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》や《議会の採決/Council’s Judgment》があるので,なかなか…
レガシー初期にどれも実際に使い込んだ懐かしいカードたちだった。
### レベルカード
時のらせんで新たに追加されたレベルカードも忘れられない。
- 《アムローの偵察兵/Amrou Scout》
- 《静寂の捕縛/Bound in Silence》
- 《コーの先導/Outrider en-Kor》
- 《鏡の精体/Mirror Entity》
《アムローの偵察兵/Amrou Scout》は,メルカディアン・マスクスブロック以来の新規のリクルーターだ。レベルだけでなく,キスキンの部族を持っているのがポイントだ。直前のローウィン・ブロックで,白はキスキン部族がフィーチャーされていたので,相性が良かった。
そのため,キスキン部族で《アムローの偵察兵/Amrou Scout》+《鏡の精体/Mirror Entity》+《静寂の捕縛/Bound in Silence》は,自分の中で定番セットだった。
そして,リベリオン使いとして,《静寂の捕縛/Bound in Silence》の登場は非常に大きかった。あまりにも大きい。従来は,相手の攻撃に合わせて,《果敢な先兵/Defiant Vanguard》をリクルートしてブロックすることでしか,戦場のクリーチャーに対応できなかった。
《静寂の捕縛/Bound in Silence》のおかげで,相手のブロック阻止,クリーチャー除去の回避などができ,大幅に強化された。リベリオンを組む上で欠かすことのできない必須のカードとなる。
加えて,《コーの先導/Outrider en-Kor》は,テンペストブロックで登場したダメージ移し替え能力を持つレベル・コーの新規カードだ。0マナのダメージ移し替え能力は,《特別工作班/Task Force》や《セファリッドの幻術師/Cephalid Illusionist》と組み合わせた無限コンボ (ループ・ジャンクション,セファリッド・ブレックファースト) として,大会での実績がある。
特に,《特別工作班/Task Force》と《コーの先導/Outrider en-Kor》の両方がレベル部族なため,リベリオンにループ・ジャンクションのギミックの組み合わせが可能になった。
新たな可能性を感じる新録カードだった。
### 注目カード
他に注目しているカードは以下となる。
- 《宮殿の看守/Palace Jailer》
- 《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》
- 《斑岩の節/Porphyry Nodes》
- 《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked》
- 《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
- 《虚空の杯/Chalice of the Void》
《宮殿の看守/Palace Jailer》はコンスピラシー:王位争奪戦でしか収録されていないものの統率者戦需要の高いカードだったため再録されたらしい。白の強いカードなので,流通が増えて素直に嬉しい。
《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》は《罪の意識/Guilty Conscience》と2枚コンボを構成する。旧エクステンデッドで存在したコンボとなる。
2枚コンボは大会レベルで白使いとして試してみたいのだが,このコンボは*2枚コンボとしては難易度が高い*。5マナのクリーチャーに1マナのオーラを付与して,タップする必要がある。同じく《虚空の杯/Chalice of the Void》を併用できない2枚コンボなら,ペインターコンボに見劣りする…。
《斑岩の節/Porphyry Nodes》は1マナで継続的にクリーチャーを破壊できる点が珍しい。今であれば,1マナだと《薄氷の上/On Thin Ice》があるが,可能性を感じる。
《不愉快の拒絶/Rebuff the Wicked》は,白の打ち消しとして貴重なのだが,効果がいまいち。こちらのパーマネントを対象に取る呪文しか打ち消せず,こちらの*呪文を対象に取る呪文を打ち消せないのが致命的*だ。これなら,《呪文滑り/Spellskite》だとか,《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》などのほうが,《突然の衰微/Abrupt Decay》を回避できる分いい。惜しい…
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》は,最近《ティボルトの計略/Tibalt’s Trickery》で評価が高くなっているカードだ。エターナル勢としては,環境の速度が高速になると,《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》と共にこのカードも必要になると思うので,集めたいと思っている。ただ,1月に1枚5000円くらいで売ってしまった。再録で若干値段が落ち着いたのでまた買い戻したい。
《多用途の鍵/Manifold Key》,《虚空の杯/Chalice of the Void》も汎用的で強力なカードなので,再録は嬉しい。
## 結論
再録セットで目新しいものはないのだが,自分のレガシー初期に使い込んだカード達で懐かしかった。
今後必要になる可能性のある以下のカードは購入を検討したい。
- 《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
最近,エターナル構築向けのカードが値上がってきている。特に再録禁止系で必要なカードなどは,早めに集めたい。
## 概要
2021-02-05 Fri発売のカードセットの「カルドハイム」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000201/)が公開されたのでレビューする。
カルドハイムは北欧神話系のカルドハイムの次元での物語で,多相・氷雪・英雄譚・予顕・誇示・両面の多数のメカニズムが登場している。
新しく登場した予顕はオンスロートで登場した変異に似たメカニズムとなっている。変異は3マナかかるため,エターナル構築では重く,エンジェル・ストンピィの《賛美されし天使/Exalted Angel》くらいでしか使われていない。
予顕は2マナと軽いため,エターナル構築でも可能性があるかもしれない。
エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に注目している以下のカードをレビューする。
1. 《ドゥームスカール/Doomskar》
2. 《輝かしい司令官/Resplendent Marshal》
3. 《栄光の探索/Search for Glory》
4. 《ルーン鍛えの勇者/Runeforge Champion》
5. 《持続のルーン/Rune of Sustenance》
6. 《星界の番人/Shepherd of the Cosmos》
7. 《シュタルンハイムの駿馬/Starnheim Courser》
8. 《仮面の蛮人/Masked Vandal》
9. 《領界渡り/Realmwalker》
10. 《風化したルーン石/Weathered Runestone》
以下で1枚ずつレビューしていく。
## 評価
### 1. 《ドゥームスカール/Doomskar》
初の3マナの《神の怒り/Wrath of God》となる。《神の怒り/Wrath of God》系の全体クリーチャー除去は4マナ以上が相場になっている。例外的に《太陽の一掃/Sunscour》,《啓示の刻/Hour of Revelation》などがあるが,条件がなかなか厳しかった。
3マナであれば,ぎりぎり2ターン目の《実物提示教育/Show and Tell》経由の《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》などにも間に合う。
白の全体除去を1ターン早くできる,画期的なカードだと感じた。
### 2. 《輝かしい司令官/Resplendent Marshal》
3マナ3/3飛行に加え,ETBとPIGで条件付きで+1/+1カウンターをばら撒ける。《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》に非常に似ているカードだ。
3マナ3/3飛行は戦略として申し分ない。+1/+1カウンターをばらまくには,墓地にクリーチャーが必要であり,加えて追放したクリーチャータイプと同じという条件がある。
少々条件が厳しいが,うまくはまれば強い。ただ,天使は小粒クリーチャーが少なく感じるので,狙うなら戦士の部族だろうか。
マナ拘束は厳しいが,強化するなら確実に+1/+1が見込める,《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》のほうが使いやすいかもしれない。
### 3. 《栄光の探索/Search for Glory》
氷雪パーマネント・伝説・英雄譚カードをサーチできる。プレインズウォーカーは伝説のため,《ゲートウォッチ招致/Call the Gatewatch》の上位互換となる。
《暗黒の深部/Dark Depths》をサーチできるので,白使いとしては,デプス・ホワイトで検討の余地がある。
しかし,3マナソーサリーのサーチは,ゲームを決めるアクションを起こす3ターン目を何もせず過ごすも同然であり,なかなか厳しい。
白で《暗黒の深部/Dark Depths》のサーチ手段が,《雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer》と《探検の地図/Expedition Map》しかないのでありがたいのだが,1-2ターン目にサーチできる《悟りの教示者/Enlightened Tutor》のほうが強いかもしれない。
[現在のデプス・ホワイト](https://mtg.senooken.jp/post/2021/02/14/)では,スロットが足りないため,ペインターコンボと併用している。デプス1本にする場合,このカードの採用が必要に感じる。
### 4. 《ルーン鍛えの勇者/Runeforge Champion》
《護衛募集員/Recruiter of the Guard》,《ヘリオッドの巡礼者/Heliod’s Pilgrim》系のサーチカードとなる。
キャスト時点でアドバンテージを取れるのは悪くない。
ただ,ルーン・カードはカルドハイムに登場した5枚しかなく,現時点ではあまり強力な使い方ができない。オーラは呪禁オーラくらいしか,大会での実績がなく,不遇なメカニズムとなっている。
今後のルーン・カードの登場に期待したい。
### 5. 《持続のルーン/Rune of Sustenance》
先ほど言及した白のルーン・カードとなっている。キャントリップ持ちの《絆魂/Lifelink》となっている。
エンチャント先がパーマネントになっているのが,非常に重要なポイントとなる。従来,キャントリップ持ちのオーラはクリーチャーが必要であり,土地にエンチャントできるこのカードは画期的だ。
今までは《前兆の壁/Wall of Omens》が2マナで最安コストだった。
白使いとしては,パララクス・オパールの無限ドローエンジンとして採用を検討できる。
ドローエンジンをエンチャントに統一できれば,エンチャントのマナコスト軽減カード (《星原の神秘家/Starfield Mystic》,《シュタルンハイムの駿馬/Starnheim Courser》) をフルに使うことができるからだ。
### 6. 《星界の番人/Shepherd of the Cosmos》
ETBで2マナ以下の*パーマネント*をリアニメイトできる。
《目覚ましヒバリ/Reveillark》,《夕暮れヒバリ/Vesperlark》に似たカードだ。
決定的に違うのは,クリーチャーではなく,パーマネントなところだ。フェッチランドをリアニメイトできるので,無駄になりにくくなった。
他にも,エンチャントとアーティファクトも蘇生できるので,何かのコンボを形成できる可能性を感じる。
### 7. 《シュタルンハイムの駿馬/Starnheim Courser》
先ほど言及したエンチャントのマナコストを軽減できる稀少なカードだ。
オーラのコスト軽減カードはそれなりにあるのだが,実はエンチャントになると,《星原の神秘家/Starfield Mystic》とこのカードの**たった2枚**しかない。
古くはkohさんが考案したパララクス・オパールだが,今組み直すなら,これら2枚を採用することで,コンボ成立速度を向上できる可能性を感じる。
白はマナ加速が苦手な色であるため,そういう意味で貴重なカードに感じた。
また,アーティファクトのコスト軽減も白としては珍しい。
### 8. 《仮面の蛮人/Masked Vandal》
個人的にカルドハイムで一番の注目カードがこのカードだ。
2マナ1/3でETBで墓地のクリーチャーを追放することで,ᶡ《存在の破棄/Revoke Existence》を打てる。
墓地にクリーチャーが必要という条件があるものの,2マナの多相のおかげで,リベリオンで1マナの《レイモス教の兵長/Ramosian Sergeant》を含む**全リクルーターからサーチ**できる。使う場面は少ないとはいえ,1枚あればほぼ常にサーチ可能というのは大きい。
ほぼ間違いなく今後のリベリオンの定番サイドボードとなるだろう。
### 9. 《領界渡り/Realmwalker》
選んだクリーチャータイプ限定の《未来予知/Future Sight》を内蔵するクリーチャーだ。多相を持つため,部族デッキでお手軽なアドバンテージエンジンとなるだろう。
白使いとしては,リベリオンでサーチ可能ではあるが,元々リクルーターでサーチできるので,このカードは不要かもしれない。
兵士など他の部族デッキで,《霊気の薬瓶/AEther Vial》などと併用してた大量展開に向いているかもしれない。
### 10. 《風化したルーン石/Weathered Runestone》
《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》に非常に似た墓地・ライブラリーサーチの対策カードだ。
2行目の能力は同一で,違いは1行目の墓地とライブラリーからのプレイの範囲が,*クリーチャーからパーマネントに広がった*ところだ。
エターナル構築で,ライブラリーから非クリーチャーパーマネントを直接プレイする代表的なものは,《アカデミーの学長/Academy Rector》と《修繕/Tinker》だろうか。
逆をいえば,それくらいで他はないように感じる。そのため,ほとんどのケースで,《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》で事足りるだろう。
## 結論
白使い視点のカルドハイムの注目カードを評価した。多相・氷雪と多くのデッキに影響のあるメカニズムが登場した。
直近のゼンディカーの夜明けは純粋な白ウィニー使いとして影響の大きなセットであり,ぱっと見た感じでは地味な印象を持った。
しかし,よく吟味すると,白使いとしては,デプス・ホワイト,リベリオン,パララクス・オパールと地味に影響があった。
ひとまず以下のカードは購入を検討したい。
- 《栄光の探索/Search for Glory》
- 《持続のルーン/Rune of Sustenance》
- 《仮面の蛮人/Masked Vandal》
新しいカードの登場で,昔のデッキに影響があるのがエターナル構築の面白いところで,リベリオンとパララクス・オパールに影響があるのは予想外だった。
今後も新カードの登場と,それらのカードの活躍を楽しみにしたい。
2021-02-05 Fri発売のカードセットの「カルドハイム」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000201/)が公開されたのでレビューする。
カルドハイムは北欧神話系のカルドハイムの次元での物語で,多相・氷雪・英雄譚・予顕・誇示・両面の多数のメカニズムが登場している。
新しく登場した予顕はオンスロートで登場した変異に似たメカニズムとなっている。変異は3マナかかるため,エターナル構築では重く,エンジェル・ストンピィの《賛美されし天使/Exalted Angel》くらいでしか使われていない。
予顕は2マナと軽いため,エターナル構築でも可能性があるかもしれない。
エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に注目している以下のカードをレビューする。
1. 《ドゥームスカール/Doomskar》
2. 《輝かしい司令官/Resplendent Marshal》
3. 《栄光の探索/Search for Glory》
4. 《ルーン鍛えの勇者/Runeforge Champion》
5. 《持続のルーン/Rune of Sustenance》
6. 《星界の番人/Shepherd of the Cosmos》
7. 《シュタルンハイムの駿馬/Starnheim Courser》
8. 《仮面の蛮人/Masked Vandal》
9. 《領界渡り/Realmwalker》
10. 《風化したルーン石/Weathered Runestone》
以下で1枚ずつレビューしていく。
## 評価
### 1. 《ドゥームスカール/Doomskar》
Doomskar / ドゥームスカール (3)(白)(白)
ソーサリー
すべてのクリーチャーを破壊する。
予顕(1)(白)(白)(あなたのターンの間、あなたは(2)を支払って、あなたの手札からこのカードを裏向きに追放してもよい。後のターンに、これの予顕コストでこれを唱えてもよい。)
初の3マナの《神の怒り/Wrath of God》となる。《神の怒り/Wrath of God》系の全体クリーチャー除去は4マナ以上が相場になっている。例外的に《太陽の一掃/Sunscour》,《啓示の刻/Hour of Revelation》などがあるが,条件がなかなか厳しかった。
3マナであれば,ぎりぎり2ターン目の《実物提示教育/Show and Tell》経由の《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》などにも間に合う。
白の全体除去を1ターン早くできる,画期的なカードだと感じた。
### 2. 《輝かしい司令官/Resplendent Marshal》
Resplendent Marshal / 輝かしい司令官 (1)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel) 戦士(Warrior)
飛行
輝かしい司令官が戦場に出たか死亡したとき、あなたはあなたの墓地から他のクリーチャー・カード1枚を追放してもよい。そうしたとき、輝かしい司令官以外の、あなたがコントロールしていてその追放したカードと共通のクリーチャー・タイプを持つ各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンター1個を置く。
3/3
3マナ3/3飛行に加え,ETBとPIGで条件付きで+1/+1カウンターをばら撒ける。《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》に非常に似ているカードだ。
3マナ3/3飛行は戦略として申し分ない。+1/+1カウンターをばらまくには,墓地にクリーチャーが必要であり,加えて追放したクリーチャータイプと同じという条件がある。
少々条件が厳しいが,うまくはまれば強い。ただ,天使は小粒クリーチャーが少なく感じるので,狙うなら戦士の部族だろうか。
マナ拘束は厳しいが,強化するなら確実に+1/+1が見込める,《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》のほうが使いやすいかもしれない。
### 3. 《栄光の探索/Search for Glory》
Search for Glory / 栄光の探索 (2)(白)
氷雪ソーサリー
あなたのライブラリーから氷雪パーマネント・カード1枚か伝説のカード1枚か英雄譚(Saga)カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。あなたは、この呪文を唱えるために支払われた(氷)1点につき1点のライフを得る。((氷)は氷雪である発生源からのマナを意味する。)
氷雪パーマネント・伝説・英雄譚カードをサーチできる。プレインズウォーカーは伝説のため,《ゲートウォッチ招致/Call the Gatewatch》の上位互換となる。
《暗黒の深部/Dark Depths》をサーチできるので,白使いとしては,デプス・ホワイトで検討の余地がある。
しかし,3マナソーサリーのサーチは,ゲームを決めるアクションを起こす3ターン目を何もせず過ごすも同然であり,なかなか厳しい。
白で《暗黒の深部/Dark Depths》のサーチ手段が,《雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer》と《探検の地図/Expedition Map》しかないのでありがたいのだが,1-2ターン目にサーチできる《悟りの教示者/Enlightened Tutor》のほうが強いかもしれない。
[現在のデプス・ホワイト](https://mtg.senooken.jp/post/2021/02/14/)では,スロットが足りないため,ペインターコンボと併用している。デプス1本にする場合,このカードの採用が必要に感じる。
### 4. 《ルーン鍛えの勇者/Runeforge Champion》
Runeforge Champion / ルーン鍛えの勇者 (2)(白)
クリーチャー — ドワーフ(Dwarf) 戦士(Warrior)
ルーン鍛えの勇者が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーや墓地からルーン(Rune)・カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。」を選んでもよい。これによりあなたがあなたのライブラリーからカードを探したなら、あなたのライブラリーを切り直す。
あなたは、あなたが唱えるルーン呪文のマナ・コストを支払うのではなく、(1)を支払ってもよい。
2/3
《護衛募集員/Recruiter of the Guard》,《ヘリオッドの巡礼者/Heliod’s Pilgrim》系のサーチカードとなる。
キャスト時点でアドバンテージを取れるのは悪くない。
ただ,ルーン・カードはカルドハイムに登場した5枚しかなく,現時点ではあまり強力な使い方ができない。オーラは呪禁オーラくらいしか,大会での実績がなく,不遇なメカニズムとなっている。
今後のルーン・カードの登場に期待したい。
### 5. 《持続のルーン/Rune of Sustenance》
Rune of Sustenance / 持続のルーン (1)(白)
エンチャント — オーラ(Aura) ルーン(Rune)
エンチャント(パーマネント)
持続のルーンが戦場に出たとき、カード1枚を引く。
エンチャントしているパーマネントがクリーチャーであるかぎり、それは絆魂を持つ。
エンチャントしているパーマネントが装備品(Equipment)であるかぎり、それは「装備しているクリーチャーは絆魂を持つ。」を持つ。
先ほど言及した白のルーン・カードとなっている。キャントリップ持ちの《絆魂/Lifelink》となっている。
エンチャント先がパーマネントになっているのが,非常に重要なポイントとなる。従来,キャントリップ持ちのオーラはクリーチャーが必要であり,土地にエンチャントできるこのカードは画期的だ。
今までは《前兆の壁/Wall of Omens》が2マナで最安コストだった。
白使いとしては,パララクス・オパールの無限ドローエンジンとして採用を検討できる。
ドローエンジンをエンチャントに統一できれば,エンチャントのマナコスト軽減カード (《星原の神秘家/Starfield Mystic》,《シュタルンハイムの駿馬/Starnheim Courser》) をフルに使うことができるからだ。
### 6. 《星界の番人/Shepherd of the Cosmos》
Shepherd of the Cosmos / 星界の番人 (4)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel) 戦士(Warrior)
飛行
星界の番人が戦場に出たとき、あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが2以下のパーマネント・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
予顕(3)(白)(あなたのターンの間、あなたは(2)を支払って、あなたの手札からこのカードを裏向きに追放してもよい。後のターンに、これの予顕コストでこれを唱えてもよい。)
3/3
ETBで2マナ以下の*パーマネント*をリアニメイトできる。
《目覚ましヒバリ/Reveillark》,《夕暮れヒバリ/Vesperlark》に似たカードだ。
決定的に違うのは,クリーチャーではなく,パーマネントなところだ。フェッチランドをリアニメイトできるので,無駄になりにくくなった。
他にも,エンチャントとアーティファクトも蘇生できるので,何かのコンボを形成できる可能性を感じる。
### 7. 《シュタルンハイムの駿馬/Starnheim Courser》
Starnheim Courser / シュタルンハイムの駿馬 (2)(白)
クリーチャー — ペガサス(Pegasus)
飛行
あなたがアーティファクトやエンチャントである呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。
2/2
先ほど言及したエンチャントのマナコストを軽減できる稀少なカードだ。
オーラのコスト軽減カードはそれなりにあるのだが,実はエンチャントになると,《星原の神秘家/Starfield Mystic》とこのカードの**たった2枚**しかない。
古くはkohさんが考案したパララクス・オパールだが,今組み直すなら,これら2枚を採用することで,コンボ成立速度を向上できる可能性を感じる。
白はマナ加速が苦手な色であるため,そういう意味で貴重なカードに感じた。
また,アーティファクトのコスト軽減も白としては珍しい。
### 8. 《仮面の蛮人/Masked Vandal》
Masked Vandal / 仮面の蛮人 (1)(緑)
クリーチャー — 多相の戦士(Shapeshifter)
多相(このカードはすべてのクリーチャー・タイプである。)
仮面の蛮人が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールしている、アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とする。あなたはあなたの墓地からクリーチャー・カード1枚を追放してもよい。そうしたなら、そのパーマネントを追放する。
1/3
個人的にカルドハイムで一番の注目カードがこのカードだ。
2マナ1/3でETBで墓地のクリーチャーを追放することで,ᶡ《存在の破棄/Revoke Existence》を打てる。
墓地にクリーチャーが必要という条件があるものの,2マナの多相のおかげで,リベリオンで1マナの《レイモス教の兵長/Ramosian Sergeant》を含む**全リクルーターからサーチ**できる。使う場面は少ないとはいえ,1枚あればほぼ常にサーチ可能というのは大きい。
ほぼ間違いなく今後のリベリオンの定番サイドボードとなるだろう。
### 9. 《領界渡り/Realmwalker》
Realmwalker / 領界渡り (2)(緑)
クリーチャー — 多相の戦士(Shapeshifter)
多相(このカードはすべてのクリーチャー・タイプである。)
領界渡りが戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプ1つを選ぶ。
あなたはいつでもあなたのライブラリーの一番上のカードを見てもよい。
あなたはあなたのライブラリーの一番上からその選ばれたタイプのクリーチャー呪文を唱えてもよい。
2/3
選んだクリーチャータイプ限定の《未来予知/Future Sight》を内蔵するクリーチャーだ。多相を持つため,部族デッキでお手軽なアドバンテージエンジンとなるだろう。
白使いとしては,リベリオンでサーチ可能ではあるが,元々リクルーターでサーチできるので,このカードは不要かもしれない。
兵士など他の部族デッキで,《霊気の薬瓶/AEther Vial》などと併用してた大量展開に向いているかもしれない。
### 10. 《風化したルーン石/Weathered Runestone》
Weathered Runestone / 風化したルーン石 (2)
アーティファクト
墓地やライブラリーにあり土地でないパーマネント・カードは戦場に出られない。
プレイヤーは、墓地やライブラリーから呪文を唱えられない。
《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》に非常に似た墓地・ライブラリーサーチの対策カードだ。
2行目の能力は同一で,違いは1行目の墓地とライブラリーからのプレイの範囲が,*クリーチャーからパーマネントに広がった*ところだ。
エターナル構築で,ライブラリーから非クリーチャーパーマネントを直接プレイする代表的なものは,《アカデミーの学長/Academy Rector》と《修繕/Tinker》だろうか。
逆をいえば,それくらいで他はないように感じる。そのため,ほとんどのケースで,《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》で事足りるだろう。
## 結論
白使い視点のカルドハイムの注目カードを評価した。多相・氷雪と多くのデッキに影響のあるメカニズムが登場した。
直近のゼンディカーの夜明けは純粋な白ウィニー使いとして影響の大きなセットであり,ぱっと見た感じでは地味な印象を持った。
しかし,よく吟味すると,白使いとしては,デプス・ホワイト,リベリオン,パララクス・オパールと地味に影響があった。
ひとまず以下のカードは購入を検討したい。
- 《栄光の探索/Search for Glory》
- 《持続のルーン/Rune of Sustenance》
- 《仮面の蛮人/Masked Vandal》
新しいカードの登場で,昔のデッキに影響があるのがエターナル構築の面白いところで,リベリオンとパララクス・オパールに影響があるのは予想外だった。
今後も新カードの登場と,それらのカードの活躍を楽しみにしたい。
評価: 統率者レジェンズ | 「白は統率者戦最弱」の汚名返上の方向性が示されたセット
2020年11月29日 review## 概要
2020-11-20 Fri発売のカードセットの「統率者レジェンズ」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000199/)が公開されたのでレビューする。
統率者レジェンズは盛り上がりを見せている統率者戦に特化したカードセットとなっている。
直近の,[統率者2020](https://mtg.senooken.jp/post/2020/04/18/)は,白のカードが正直弱くていまいちだった。
今回の統率者レジェンズでは,*オーラ・装備に特化させた収録になっており,白の統率者戦での立ち位置,方向性が感じられて悪くなかった*。
エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に注目している以下のカードをレビューする。
1. 《剛胆な考古学者、アーデン/Ardenn, Intrepid Archaeologist》
2. 《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》
3. 《恩寵の宮廷/Court of Grace》
4. 《兵士の切りつけ/Slash the Ranks》
以下で1枚ずつレビューしていく。
## 評価
### 1. 《剛胆な考古学者、アーデン/Ardenn, Intrepid Archaeologist》
3マナ2/2でオーラと装備品の貼り付け効果を持つ。ハンマータイムでの採用が考えられるだろう。速度面では,《コーの装具役/Kor Outfitter》に劣るが,安定して効果を発動できるので悪くないかもしれない。
統率者レジェンズで,白はオーラ・装備に特化させる方向性が感じられた最初の1枚だった。
### 2. 《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》
4マナ3/3飛行で攻撃時にトップ6枚からオーラ・装備品を装備した状態でプレイできる。
《稲妻/Lightning Bolt》,《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》と耐えられないタフネス3が少々気になるが,悪くない1枚に感じた。
《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》や《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》あたりを展開できれば,**たった2回の攻撃でゲームに勝てる**可能性がある。
この性能は《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》に肩を並べる**白の中堅最高クラスの打点**だ。1-2ターン目に無理して出す価値はあるかもしれない。
ただ,デッキトップに性能が大きく依存するためランダム要素が高く,デッキ構築の時点で,オーラ・装備品寄りの構成に制限される。ハンマータイムの追加フィニッシャー,モダンの呪禁オーラあたりが順当だろうか。
白の中堅フィニッシャーとして,今後も覚えておくべきカードになるだろう。
### 3. 《恩寵の宮廷/Court of Grace》
統率者レジェンズのETBで統治者になれるサイクルの白のカードだ。サイクルの中では*一番強い*と思う。次点は,赤の《激憤の宮廷/Court of Ire》だろう。
統治者の性質からいって,クリーチャーを展開できるほうが強い。そして,このカードは単体で飛行持ちクリーチャーを生成できるので,統治者を維持しやすい。
トークンの生成が次のターンになるためラグが少々気になるものの,1-2ターン目に展開できれば,4/4飛行トークンの生成は手堅く,*このカード1枚だけで勝てる可能性がある*。
伝説でないので2枚目以降の重ね貼りも有効になる。この点は,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》と異なる大きな強みだろう。
また,トークン生成カードとしては,1/1飛行の場合,2-3マナが相場であるため,ノーアクションでの生成は素直にコスパは高い。
欠点としては,1-2ターン目に出す場合,*クリーチャーでないことがネック*になる。エターナル構築では,《魂の洞窟/Cavern of Souls》で打ち消しを阻止できるため,*クリーチャーの方がキャストの確実性が高い*。
非クリーチャーの場合,《意志の力/Force of Will》,《否定の力/Force of Negation》,《目くらまし/Daze》,《呪文貫き/Spell Pierce》などの打ち消し呪文のケアが必要であり,特にクロックパーミッション相手での序盤のキャストが難しい。
白スタックスで,《三なる宝球/Trinisphere》と併用するのが強い使い方だろうか。
白はエンチャントが得意な色なので,《オーラ術師/Auramancer》での回収などうまく構築できれば強くなる可能性を感じる。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》などと同じく,白の中堅フィニッシャーとして覚えておくべきカードになるだろう。
### 4. 《兵士の切りつけ/Slash the Ranks》
待望のプレインズウォーカーを破壊できる《神の怒り/Wrath of God》だ。
地味に,4-5マナでプレインズウォーカーを破壊できる《神の怒り/Wrath of God》が,自分の知る限りなかったように思う。せいぜい,《大変動/Cataclysm》くらいだった。
ここにきて,ようやくプレインズウォーカーを破壊できる《神の怒り/Wrath of God》が登場してくれた。白ではいわずもがなのギデオンが破壊不能のプレインズウォーカーであるため,相性はいい。
エターナル構築では,速度が早いので出番はあまりないが,待ちわびていたので素直に良かった。
## 結論
統率者レジェンズの白の注目カード4枚を評価した。
前回の統率者戦向けセットでは,「白は統率者戦最弱」の評判通りのいまいちな収録内容だった。しかし,今回は《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》などオーラ・装備品に特化させたカードが多く収録されており,統率者戦で白が生き残る道の方向性が示されていて,悪くなかった。
統率者戦での白の弱さに気付いてテコ入れが入ったのかもしれない。
エターナル構築でも,新たな中堅フィニッシャーとなりえる,《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》,《恩寵の宮廷/Court of Grace》が登場し,興味深かった。
現時点では購入を検討するほどではないのだが,今後のエンチャント・オーラ・装備品関係のカード次第では,特に《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》が化ける可能性があると感じる。
後は,《魂の洞窟/Cavern of Souls》の亜種で,エンチャント・アーティファクトを打ち消されなくする,土地などが出れば《恩寵の宮廷/Court of Grace》にも十分可能性があると思う。
動向を見守りたい。
2020-11-20 Fri発売のカードセットの「統率者レジェンズ」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000199/)が公開されたのでレビューする。
統率者レジェンズは盛り上がりを見せている統率者戦に特化したカードセットとなっている。
直近の,[統率者2020](https://mtg.senooken.jp/post/2020/04/18/)は,白のカードが正直弱くていまいちだった。
今回の統率者レジェンズでは,*オーラ・装備に特化させた収録になっており,白の統率者戦での立ち位置,方向性が感じられて悪くなかった*。
エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に注目している以下のカードをレビューする。
1. 《剛胆な考古学者、アーデン/Ardenn, Intrepid Archaeologist》
2. 《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》
3. 《恩寵の宮廷/Court of Grace》
4. 《兵士の切りつけ/Slash the Ranks》
以下で1枚ずつレビューしていく。
## 評価
### 1. 《剛胆な考古学者、アーデン/Ardenn, Intrepid Archaeologist》
Ardenn, Intrepid Archaeologist / 剛胆な考古学者、アーデン (2)(白)
伝説のクリーチャー — コー(Kor) スカウト(Scout)
あなたのターンの戦闘の開始時に、パーマネント1つかプレイヤー1人を対象とする。あなたは、望む数の、あなたがコントロールしているオーラ(Aura)や装備品(Equipment)をそれにつけてもよい。
共闘(両方が共闘を持つなら、あなたは2体の統率者を使用できる。)
2/2
3マナ2/2でオーラと装備品の貼り付け効果を持つ。ハンマータイムでの採用が考えられるだろう。速度面では,《コーの装具役/Kor Outfitter》に劣るが,安定して効果を発動できるので悪くないかもしれない。
統率者レジェンズで,白はオーラ・装備に特化させる方向性が感じられた最初の1枚だった。
### 2. 《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》
Armored Skyhunter / 鎧の空狩人 (3)(白)
クリーチャー — 猫(Cat) 騎士(Knight)
飛行
鎧の空狩人が攻撃するたび、あなたのライブラリーの一番上からカードを6枚見る。あなたはその中からオーラ(Aura)か装備品(Equipment)であるカード1枚を戦場に出してもよい。これにより装備品が戦場に出たなら、あなたはそれをあなたがコントロールしているクリーチャーにつけてもよい。残りのカードをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
3/3
4マナ3/3飛行で攻撃時にトップ6枚からオーラ・装備品を装備した状態でプレイできる。
《稲妻/Lightning Bolt》,《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》と耐えられないタフネス3が少々気になるが,悪くない1枚に感じた。
《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》や《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》あたりを展開できれば,**たった2回の攻撃でゲームに勝てる**可能性がある。
この性能は《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》に肩を並べる**白の中堅最高クラスの打点**だ。1-2ターン目に無理して出す価値はあるかもしれない。
ただ,デッキトップに性能が大きく依存するためランダム要素が高く,デッキ構築の時点で,オーラ・装備品寄りの構成に制限される。ハンマータイムの追加フィニッシャー,モダンの呪禁オーラあたりが順当だろうか。
白の中堅フィニッシャーとして,今後も覚えておくべきカードになるだろう。
### 3. 《恩寵の宮廷/Court of Grace》
Court of Grace / 恩寵の宮廷 (2)(白)(白)
エンチャント
恩寵の宮廷が戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたのアップキープの開始時に、飛行を持つ白の1/1のスピリット(Spirit)・クリーチャー・トークンを1体生成する。あなたが統治者であるなら、代わりに、飛行を持つ白の4/4の天使(Angel)クリーチャー・トークンを1体生成する。
統率者レジェンズのETBで統治者になれるサイクルの白のカードだ。サイクルの中では*一番強い*と思う。次点は,赤の《激憤の宮廷/Court of Ire》だろう。
統治者の性質からいって,クリーチャーを展開できるほうが強い。そして,このカードは単体で飛行持ちクリーチャーを生成できるので,統治者を維持しやすい。
トークンの生成が次のターンになるためラグが少々気になるものの,1-2ターン目に展開できれば,4/4飛行トークンの生成は手堅く,*このカード1枚だけで勝てる可能性がある*。
伝説でないので2枚目以降の重ね貼りも有効になる。この点は,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》と異なる大きな強みだろう。
また,トークン生成カードとしては,1/1飛行の場合,2-3マナが相場であるため,ノーアクションでの生成は素直にコスパは高い。
欠点としては,1-2ターン目に出す場合,*クリーチャーでないことがネック*になる。エターナル構築では,《魂の洞窟/Cavern of Souls》で打ち消しを阻止できるため,*クリーチャーの方がキャストの確実性が高い*。
非クリーチャーの場合,《意志の力/Force of Will》,《否定の力/Force of Negation》,《目くらまし/Daze》,《呪文貫き/Spell Pierce》などの打ち消し呪文のケアが必要であり,特にクロックパーミッション相手での序盤のキャストが難しい。
白スタックスで,《三なる宝球/Trinisphere》と併用するのが強い使い方だろうか。
白はエンチャントが得意な色なので,《オーラ術師/Auramancer》での回収などうまく構築できれば強くなる可能性を感じる。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》などと同じく,白の中堅フィニッシャーとして覚えておくべきカードになるだろう。
### 4. 《兵士の切りつけ/Slash the Ranks》
Slash the Ranks / 兵士の切りつけ (3)(白)(白)
ソーサリー
統率者を除き、クリーチャーとプレインズウォーカーをすべて破壊する。
待望のプレインズウォーカーを破壊できる《神の怒り/Wrath of God》だ。
地味に,4-5マナでプレインズウォーカーを破壊できる《神の怒り/Wrath of God》が,自分の知る限りなかったように思う。せいぜい,《大変動/Cataclysm》くらいだった。
ここにきて,ようやくプレインズウォーカーを破壊できる《神の怒り/Wrath of God》が登場してくれた。白ではいわずもがなのギデオンが破壊不能のプレインズウォーカーであるため,相性はいい。
エターナル構築では,速度が早いので出番はあまりないが,待ちわびていたので素直に良かった。
## 結論
統率者レジェンズの白の注目カード4枚を評価した。
前回の統率者戦向けセットでは,「白は統率者戦最弱」の評判通りのいまいちな収録内容だった。しかし,今回は《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》などオーラ・装備品に特化させたカードが多く収録されており,統率者戦で白が生き残る道の方向性が示されていて,悪くなかった。
統率者戦での白の弱さに気付いてテコ入れが入ったのかもしれない。
エターナル構築でも,新たな中堅フィニッシャーとなりえる,《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》,《恩寵の宮廷/Court of Grace》が登場し,興味深かった。
現時点では購入を検討するほどではないのだが,今後のエンチャント・オーラ・装備品関係のカード次第では,特に《鎧の空狩人/Armored Skyhunter》が化ける可能性があると感じる。
後は,《魂の洞窟/Cavern of Souls》の亜種で,エンチャント・アーティファクトを打ち消されなくする,土地などが出れば《恩寵の宮廷/Court of Grace》にも十分可能性があると思う。
動向を見守りたい。
## 概要
出遅れ感が強いのだが,2020-09-25 Fri発売のカードセットの「ゼンディカーの夜明け」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000192/)が公開されたのでレビューする。
ゼンディカーの夜明けは,ゼンディカー,戦乱のゼンディカーに続く,ゼンディカーを3度目の題材としたエキスパンションとなっている。
戦乱のゼンディカーはMTG休止期間だったため,詳しくは知らないのだが,ゼンディカーブロックは《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》,《闘争の学び手/Student of Warfare》,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》,《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》など,白の強い次元だった。
今回のゼンディカーの夜明けも,過去のゼンディカーの次元と同じく,強い白のカードが多数収録されている。ここ1-2年の白ウィニー冬の時代に終わりを告げるほど強力なエキスパンションだと感じたため,レビューしたいと思った。
エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に注目している以下のカードをレビューする。
1. 《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》
2. 《恐れなき雛/Fearless Fledgling》
3. 《軍団の天使/Legion Angel》
4. 《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》
5. 《毅然たる一撃/Resolute Strike》
6. 《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
7. 《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》- 《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》
以下で1枚ずつレビューしていく。
## 評価
### 1. 《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》
白の妨害能力持ちクリーチャーとなっている。《法の定め/Rule of Law》と《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》に似た能力を持つクリーチャーとなっている。
《法の定め/Rule of Law》の類似カードとしては,《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》,《弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric》があった。《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》はANT全盛期における白ウィニーの貴重な対策カードだった。
《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》は飛行があるため,戦力としてカウントしやすい。ただ,その代わりにただのクリーチャーになってしまったため,前2種のように《悟りの教示者/Enlightened Tutor》や《護衛募集員/Recruiter of the Guard》からサーチできなくなってしまった。
主にヴィンテージ向けのカードだと思った。またレガシーでストーム系のデッキが流行るようであれば,メインデッキから採用する可能性はありえる。ただ,サイドボードに入れるとしては,少々微妙で,少々使いにくいカードに感じた。
### 2. 《恐れなき雛/Fearless Fledgling》
上陸で+1/+1カウンターと飛行を得る上陸持ちの有力クリーチャーだ。
従来,白で上陸持ちでトーナメントレベルのクリーチャーは*《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》しかなかった*。そのため,上陸ウィニーとしては,赤を足して《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を使うしかなかった。
あるいは,フェッチランドを前提に攻撃時4/5として,[殿堂白単](http://mtgwiki.com/wiki/%E7%99%BD%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%83%BC#.E5.88.9D.E6.9C.9F.E5.9E.8B)での採用実績がある。
今回,《恐れなき雛/Fearless Fledgling》が登場したことで,白単で上陸白ウィニーを組めるようになった。これは大きい。
そして,《恐れなき雛/Fearless Fledgling》は《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》ことなり,+1/+1カウンターが乗るため,上陸をかさ増しできる。カウンターが乗れば,後半土地を引けなくても,十分な戦力となる。ここが《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》と違う。爆発力は劣るが,安定性は高く感じた。
エターナル構築の白ウィニーとしては,2マナランドを使いたい都合,上陸白ウィニーは少々いまいちかなと感じている。
昨今のカードパワーのインフレにより,白ウィニーとしては,相手の1マナ除去とドロースペルを《虚空の杯/Chalice of the Void》で止めたほうが,今は有利に感じる。
やるとしたら,《第二の日の出/Second Sunrise》や《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》を使って,2キル3キルを狙う高速ウィニーに特化することになるだろうか。
### 3. 《軍団の天使/Legion Angel》
ETBでサイドボードから自分自身を手札に加えることができる4/3飛行の天使だ。この性能で,アドバンテージを失わずに展開できるというのは強い。しかし,タフネス3が少々気になる。
白の中堅としては,《稲妻/Lightning Bolt》や《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》を突破できる性能がほしい。それだけが残念だ。
最近は,《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》や《悪意の大梟/Baleful Strix》がおり,飛行といえどあまり過信できない。
白の中堅としては,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》,《宮殿の看守/Palace Jailer》と枠を争うのだが,若干見劣りを感じる。ETBで後続を確保できるので,ある意味除去体制があるとは見なせるのだが,少々悠長に感じる。
### 4. 《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》
個人的ゼンディカーの夜明けトップ2のカードだ。
2マナ1/1で自分の戦闘開始時に+1/+1カウンター1個をばらまける。強力なウィニークリーチャーだ。
過去に登場したカードでは,《鋼の監視者/Steel Overseer》,《主の戦術家/Cenn’s Tactician》,《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch》,《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》あたりに似ている。
このカードの特徴は,**ノーアクションで継続的にパンプ**できることだ。従来のカードは,タップや後続が必要などで,テンポが悪かったり安定して強化できなかった。
このカードは,キャストしたターンに2/2になり,ターン毎に+1/+1ずつ巨大化する。2ターン後には,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》と勝負できる4/4のサイズになり,すぐに手が負えないサイズになる。
自分の知る限り,白単色には2マナ3/3デメリット無しクリーチャーはいない。それだけでも貴重なのだが,このカードはそれを遥かに上回る。
しかも,+1/+1カウンターを自軍に選んで配置できる。これも強い。素直に,《歩行バリスタ/Walking Ballista》と組み合わせるだけで強力になる。
《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》や《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》のように,白のヘイトベアーは相手にパワー1,タフネス3クリーチャーがいるだけで,ただの置物になる。《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》はそうした小粒クリーチャーを,*ノーアクションで継続的に強化*できるのが非常に強い。
状況次第では,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》よりも強いと感じる。《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》で《殴打頭蓋/Batterskull》をサーチする動きは,2ターン動きを拘束される都合,速度が遅く感じることがままあった。サーチ後手札破壊を受けたり,キャスト後アーティファクトを破壊されるなど,動きの遅さがネックになることもあった。
《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》は運用に余計なコストがかからず,テンポがいい。序盤の重要な1-3ターン目に《虚空の杯/Chalice of the Void》,《聖域の僧院長/Sanctum Prelate》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》などと一緒に展開する上で,有利に感じた。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》は好きなカードではないのだが,昨今インフレに対抗するためにやむを得ず使ってきた。いよいよ,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の採用をやめるときかもしれない。
エルドラージ覚醒で《闘争の学び手/Student of Warfare》が収録されたときのことを思い出す,白ウィニーらしい優良クリーチャーだ。
ヴィンテージではいまいちかもしれないが,レガシーでは通用するカードだと感じた。
市場としては,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》同様,過小評価されている。白ウィニー使いとしては,迷わず4枚揃えたいと思うカードだった。
### 5. 《毅然たる一撃/Resolute Strike》
《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》や《磁力窃盗/Magnetic Theft》に近いインスタントタイミングでの装備カードだ。
《巨像の鎚/Colossus Hammer》が登場して有名になった[ハンマータイム](http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0)での採用が検討される優良コモンだ。
《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》,《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》あたりとともに,装備コストの踏み倒しカードとして悪くないと感じた。ただ,装備の条件が戦士の部族に限定されるのがネックだ。ハンマータイムの1マナ域の《コーの決闘者/Kor Duelist》は部族が兵士でミスマッチなのが惜しい。
### 6. 《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
ゼンディカーの夜明けの白のトップ1のカードが《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》だ。
《忘却の輪/Oblivion Ring》に近い除去能力を持つクリーチャーだ。決定的なのは,**追放したカードが返ってこないこと**だ。これが圧倒的に強い。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を採用する都合,エンチャント・アーティファクト破壊をサイド後に相手が積んでることが多く,ゲーム後半で《忘却の輪/Oblivion Ring》で除去した相手の脅威を取り戻されて負けることがよくあった。
《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》は,追放したカードは戻ってこず,代わりに等しいマナコストのパワー/タフネスのバニラトークンとなる。この違いが非常に大きい。取り返されることがないので,安心して展開できる。
また,能力の対象範囲が非常に広く,無駄になるケースが少ない。せいぜいリアニメイト,ドレッジ,ANT,《実物提示教育/Show and Tell》くらいしかなく,大多数のフェアデッキに有効だ。
特に,デルバーデッキ相手には《魂の洞窟/Cavern of Souls》経由でキャストすることで,《もみ消し/Stifle》されない限り,ほぼ確定除去となる。《爆発域/Blast Zone》で痛感しているが,*クロックパーミッション相手の打ち消されない確定除去は非常に心強い*。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》や《ちらつき鬼火/Flickerwisp》との相性も良好だ。特に,《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》と併用できれば,相手戦場を更地にできる。
今の環境であれば,メインに2-3枚,サイドにも1枚確保して,フェアデッキ相手にサイド後4積みしたいカードだ。白使いであれば,間違いなく4枚入手が必須のカードだろう。
《レンと六番/Wrenn and Six》,《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》でここ1-2年泣かされてきた白ウィニーだが,このカードがあれば,太刀打ちできる。
ヴィンテージでも十分通用するだろう。
### 7. 《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》 - 《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》
ゼンディカーの夜明けの白のトップ3がこのカードだ。
ゼンディカーの夜明けの目玉でもある両面カードサイクルだ。サイクルの内,白マナのアンタップイン可能な土地を第2面にもつのが《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》だ。
このカードを一言でいうと,「*《金属モックス/Chrome Mox》に刻印可能な土地*」に尽きる。
両面カードは戦場以外では第1面の性質を持つため,《金属モックス/Chrome Mox》に刻印できる。これだけで十分役に立つ。
《意志の力/Force of Will》を使ったことはないのだが,ブルーカウントを気にする気持ちが,《金属モックス/Chrome Mox》を使いだしてわかるようになってきた。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《歩行バリスタ/Walking Ballista》など,白単ではあるものの,デッキ内の無色率が高くなってきており,《金属モックス/Chrome Mox》の刻印先が不足するということがでてきた。
土地も無色であるため,《金属モックス/Chrome Mox》に刻印可能な土地というのは強力だ。1-2ターン目の初動でゲームが決まることが多いので,初手の《金属モックス/Chrome Mox》の刻印先を確保できるというのは,代えがたい。
一応,《金属モックス/Chrome Mox》の代わりに《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》を採用するという手もあるのだが,あいにく《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》は高額レアとなり,予算オーバーだ。
第1面のキャストはあまりなく,基本的には《金属モックス/Chrome Mox》の刻印先,または第2面の《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》の土地としてのプレイがメインとなる。
ただ,消耗戦になり,うっかり第1面を唱えることができれば,勝利は目前だ。そういう意味で,後半のマナフラッドを抑制しつつ,序盤の安定したマナ供給源となるこのカードは悪くないと感じた。
## 結論
ゼンディカーの夜明けの白の注目カードをレビューした。
ここ何年かに渡る白ウィニー冬の時代に終わりを告げるほどの,強力な白のカードが収録された,白使いとして大注目のカードセットだった。ゼンディカーは白の強い次元であることを再認識できた。
MTG休止中であるものの,カードリストを眺めていてわくわくした。トップ3に挙げた以下のカードは4枚揃えたいと思う。
1. 《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
2. 《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》
3. 《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》 - 《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》
これだけ白の強力カードが収録されたのと,こちらの状況も大きく変わったので,年明けにMTG復帰してもよいと思った。
様子を見ながら,カードの収集を進めたい。
出遅れ感が強いのだが,2020-09-25 Fri発売のカードセットの「ゼンディカーの夜明け」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000192/)が公開されたのでレビューする。
ゼンディカーの夜明けは,ゼンディカー,戦乱のゼンディカーに続く,ゼンディカーを3度目の題材としたエキスパンションとなっている。
戦乱のゼンディカーはMTG休止期間だったため,詳しくは知らないのだが,ゼンディカーブロックは《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》,《闘争の学び手/Student of Warfare》,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》,《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》など,白の強い次元だった。
今回のゼンディカーの夜明けも,過去のゼンディカーの次元と同じく,強い白のカードが多数収録されている。ここ1-2年の白ウィニー冬の時代に終わりを告げるほど強力なエキスパンションだと感じたため,レビューしたいと思った。
エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,特に注目している以下のカードをレビューする。
1. 《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》
2. 《恐れなき雛/Fearless Fledgling》
3. 《軍団の天使/Legion Angel》
4. 《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》
5. 《毅然たる一撃/Resolute Strike》
6. 《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
7. 《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》- 《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》
以下で1枚ずつレビューしていく。
## 評価
### 1. 《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》
Archon of Emeria / エメリアのアルコン (2)(白)
クリーチャー — 執政官(Archon)
飛行
各プレイヤーは、毎ターン1つしか呪文を唱えられない。
対戦相手がコントロールしていて基本でない土地はタップ状態で戦場に出る。
2/3
白の妨害能力持ちクリーチャーとなっている。《法の定め/Rule of Law》と《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》に似た能力を持つクリーチャーとなっている。
《法の定め/Rule of Law》の類似カードとしては,《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》,《弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric》があった。《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》はANT全盛期における白ウィニーの貴重な対策カードだった。
《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》は飛行があるため,戦力としてカウントしやすい。ただ,その代わりにただのクリーチャーになってしまったため,前2種のように《悟りの教示者/Enlightened Tutor》や《護衛募集員/Recruiter of the Guard》からサーチできなくなってしまった。
主にヴィンテージ向けのカードだと思った。またレガシーでストーム系のデッキが流行るようであれば,メインデッキから採用する可能性はありえる。ただ,サイドボードに入れるとしては,少々微妙で,少々使いにくいカードに感じた。
### 2. 《恐れなき雛/Fearless Fledgling》
Fearless Fledgling / 恐れなき雛 (1)(白)
クリーチャー — グリフィン(Griffin)
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、恐れなき雛の上に+1/+1カウンターを1個置く。ターン終了時まで、これは飛行を得る。
1/1
上陸で+1/+1カウンターと飛行を得る上陸持ちの有力クリーチャーだ。
従来,白で上陸持ちでトーナメントレベルのクリーチャーは*《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》しかなかった*。そのため,上陸ウィニーとしては,赤を足して《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を使うしかなかった。
あるいは,フェッチランドを前提に攻撃時4/5として,[殿堂白単](http://mtgwiki.com/wiki/%E7%99%BD%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%83%BC#.E5.88.9D.E6.9C.9F.E5.9E.8B)での採用実績がある。
今回,《恐れなき雛/Fearless Fledgling》が登場したことで,白単で上陸白ウィニーを組めるようになった。これは大きい。
そして,《恐れなき雛/Fearless Fledgling》は《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》ことなり,+1/+1カウンターが乗るため,上陸をかさ増しできる。カウンターが乗れば,後半土地を引けなくても,十分な戦力となる。ここが《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》と違う。爆発力は劣るが,安定性は高く感じた。
エターナル構築の白ウィニーとしては,2マナランドを使いたい都合,上陸白ウィニーは少々いまいちかなと感じている。
昨今のカードパワーのインフレにより,白ウィニーとしては,相手の1マナ除去とドロースペルを《虚空の杯/Chalice of the Void》で止めたほうが,今は有利に感じる。
やるとしたら,《第二の日の出/Second Sunrise》や《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》を使って,2キル3キルを狙う高速ウィニーに特化することになるだろうか。
### 3. 《軍団の天使/Legion Angel》
Legion Angel / 軍団の天使 (2)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel) 戦士(Warrior)
飛行
軍団の天使が戦場に出たとき、あなたは「ゲームの外部からあなたがオーナーであり《軍団の天使/Legion Angel》という名前であるカード1枚を公開し、それをあなたの手札に加える。」を選んでもよい。
4/3
ETBでサイドボードから自分自身を手札に加えることができる4/3飛行の天使だ。この性能で,アドバンテージを失わずに展開できるというのは強い。しかし,タフネス3が少々気になる。
白の中堅としては,《稲妻/Lightning Bolt》や《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》を突破できる性能がほしい。それだけが残念だ。
最近は,《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》や《悪意の大梟/Baleful Strix》がおり,飛行といえどあまり過信できない。
白の中堅としては,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》,《宮殿の看守/Palace Jailer》と枠を争うのだが,若干見劣りを感じる。ETBで後続を確保できるので,ある意味除去体制があるとは見なせるのだが,少々悠長に感じる。
### 4. 《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》
Luminarch Aspirant / 光輝王の野心家 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
1/1
個人的ゼンディカーの夜明けトップ2のカードだ。
2マナ1/1で自分の戦闘開始時に+1/+1カウンター1個をばらまける。強力なウィニークリーチャーだ。
過去に登場したカードでは,《鋼の監視者/Steel Overseer》,《主の戦術家/Cenn’s Tactician》,《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch》,《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》あたりに似ている。
このカードの特徴は,**ノーアクションで継続的にパンプ**できることだ。従来のカードは,タップや後続が必要などで,テンポが悪かったり安定して強化できなかった。
このカードは,キャストしたターンに2/2になり,ターン毎に+1/+1ずつ巨大化する。2ターン後には,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》と勝負できる4/4のサイズになり,すぐに手が負えないサイズになる。
自分の知る限り,白単色には2マナ3/3デメリット無しクリーチャーはいない。それだけでも貴重なのだが,このカードはそれを遥かに上回る。
しかも,+1/+1カウンターを自軍に選んで配置できる。これも強い。素直に,《歩行バリスタ/Walking Ballista》と組み合わせるだけで強力になる。
《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》や《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》のように,白のヘイトベアーは相手にパワー1,タフネス3クリーチャーがいるだけで,ただの置物になる。《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》はそうした小粒クリーチャーを,*ノーアクションで継続的に強化*できるのが非常に強い。
状況次第では,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》よりも強いと感じる。《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》で《殴打頭蓋/Batterskull》をサーチする動きは,2ターン動きを拘束される都合,速度が遅く感じることがままあった。サーチ後手札破壊を受けたり,キャスト後アーティファクトを破壊されるなど,動きの遅さがネックになることもあった。
《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》は運用に余計なコストがかからず,テンポがいい。序盤の重要な1-3ターン目に《虚空の杯/Chalice of the Void》,《聖域の僧院長/Sanctum Prelate》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》などと一緒に展開する上で,有利に感じた。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》は好きなカードではないのだが,昨今インフレに対抗するためにやむを得ず使ってきた。いよいよ,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の採用をやめるときかもしれない。
エルドラージ覚醒で《闘争の学び手/Student of Warfare》が収録されたときのことを思い出す,白ウィニーらしい優良クリーチャーだ。
ヴィンテージではいまいちかもしれないが,レガシーでは通用するカードだと感じた。
市場としては,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》同様,過小評価されている。白ウィニー使いとしては,迷わず4枚揃えたいと思うカードだった。
### 5. 《毅然たる一撃/Resolute Strike》
Resolute Strike / 毅然たる一撃 (白)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。それが戦士(Warrior)であるなら、あなたはあなたがコントロールしている装備品(Equipment)1つをそれにつけてもよい。
《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》や《磁力窃盗/Magnetic Theft》に近いインスタントタイミングでの装備カードだ。
《巨像の鎚/Colossus Hammer》が登場して有名になった[ハンマータイム](http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0)での採用が検討される優良コモンだ。
《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》,《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》あたりとともに,装備コストの踏み倒しカードとして悪くないと感じた。ただ,装備の条件が戦士の部族に限定されるのがネックだ。ハンマータイムの1マナ域の《コーの決闘者/Kor Duelist》は部族が兵士でミスマッチなのが惜しい。
### 6. 《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
Skyclave Apparition / スカイクレイブの亡霊 (1)(白)(白)
クリーチャー — コー(Kor) スピリット(Spirit)
スカイクレイブの亡霊が戦場に出たとき、あなたがコントロールしておらず点数で見たマナ・コストが4以下で土地でもトークンでもないパーマネント最大1つを対象とする。それを追放する。
スカイクレイブの亡霊が戦場を離れたとき、その追放されたカードのオーナーは青のX/Xのイリュージョン(Illusion)・クリーチャー・トークンを1体生成する。Xは、その追放されたカードの点数で見たマナ・コストに等しい。
2/2
ゼンディカーの夜明けの白のトップ1のカードが《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》だ。
《忘却の輪/Oblivion Ring》に近い除去能力を持つクリーチャーだ。決定的なのは,**追放したカードが返ってこないこと**だ。これが圧倒的に強い。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を採用する都合,エンチャント・アーティファクト破壊をサイド後に相手が積んでることが多く,ゲーム後半で《忘却の輪/Oblivion Ring》で除去した相手の脅威を取り戻されて負けることがよくあった。
《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》は,追放したカードは戻ってこず,代わりに等しいマナコストのパワー/タフネスのバニラトークンとなる。この違いが非常に大きい。取り返されることがないので,安心して展開できる。
また,能力の対象範囲が非常に広く,無駄になるケースが少ない。せいぜいリアニメイト,ドレッジ,ANT,《実物提示教育/Show and Tell》くらいしかなく,大多数のフェアデッキに有効だ。
特に,デルバーデッキ相手には《魂の洞窟/Cavern of Souls》経由でキャストすることで,《もみ消し/Stifle》されない限り,ほぼ確定除去となる。《爆発域/Blast Zone》で痛感しているが,*クロックパーミッション相手の打ち消されない確定除去は非常に心強い*。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》や《ちらつき鬼火/Flickerwisp》との相性も良好だ。特に,《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》と併用できれば,相手戦場を更地にできる。
今の環境であれば,メインに2-3枚,サイドにも1枚確保して,フェアデッキ相手にサイド後4積みしたいカードだ。白使いであれば,間違いなく4枚入手が必須のカードだろう。
《レンと六番/Wrenn and Six》,《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》でここ1-2年泣かされてきた白ウィニーだが,このカードがあれば,太刀打ちできる。
ヴィンテージでも十分通用するだろう。
### 7. 《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》 - 《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》
Emeria’s Call / エメリアの呼び声 (4)(白)(白)(白)
ソーサリー
飛行を持つ白の4/4の天使(Angel)・戦士(Warrior)クリーチャー・トークンを2体生成する。あなたの次のターンまで、あなたがコントロールしていて天使でないクリーチャーは破壊不能を得る。
Emeria, Shattered Skyclave / 砕け散ったスカイクレイブ、エメリア
土地
砕け散ったスカイクレイブ、エメリアが戦場に出るに際し、あなたは3点のライフを支払ってもよい。そうしないなら、これはタップ状態で戦場に出る。
(T):(白)を加える。
ゼンディカーの夜明けの白のトップ3がこのカードだ。
ゼンディカーの夜明けの目玉でもある両面カードサイクルだ。サイクルの内,白マナのアンタップイン可能な土地を第2面にもつのが《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》だ。
このカードを一言でいうと,「*《金属モックス/Chrome Mox》に刻印可能な土地*」に尽きる。
両面カードは戦場以外では第1面の性質を持つため,《金属モックス/Chrome Mox》に刻印できる。これだけで十分役に立つ。
《意志の力/Force of Will》を使ったことはないのだが,ブルーカウントを気にする気持ちが,《金属モックス/Chrome Mox》を使いだしてわかるようになってきた。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《歩行バリスタ/Walking Ballista》など,白単ではあるものの,デッキ内の無色率が高くなってきており,《金属モックス/Chrome Mox》の刻印先が不足するということがでてきた。
土地も無色であるため,《金属モックス/Chrome Mox》に刻印可能な土地というのは強力だ。1-2ターン目の初動でゲームが決まることが多いので,初手の《金属モックス/Chrome Mox》の刻印先を確保できるというのは,代えがたい。
一応,《金属モックス/Chrome Mox》の代わりに《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》を採用するという手もあるのだが,あいにく《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》は高額レアとなり,予算オーバーだ。
第1面のキャストはあまりなく,基本的には《金属モックス/Chrome Mox》の刻印先,または第2面の《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》の土地としてのプレイがメインとなる。
ただ,消耗戦になり,うっかり第1面を唱えることができれば,勝利は目前だ。そういう意味で,後半のマナフラッドを抑制しつつ,序盤の安定したマナ供給源となるこのカードは悪くないと感じた。
## 結論
ゼンディカーの夜明けの白の注目カードをレビューした。
ここ何年かに渡る白ウィニー冬の時代に終わりを告げるほどの,強力な白のカードが収録された,白使いとして大注目のカードセットだった。ゼンディカーは白の強い次元であることを再認識できた。
MTG休止中であるものの,カードリストを眺めていてわくわくした。トップ3に挙げた以下のカードは4枚揃えたいと思う。
1. 《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》
2. 《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant》
3. 《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》 - 《砕け散ったスカイクレイブ、エメリア/Emeria, Shattered Skyclave》
これだけ白の強力カードが収録されたのと,こちらの状況も大きく変わったので,年明けにMTG復帰してもよいと思った。
様子を見ながら,カードの収集を進めたい。
## 概要
2020-07-03 Fri発売の新しいカードセットの「基本セット2021」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/core-set-2021)が2020-06-16 Thuに公開されたのでレビューする。なお,基本セット2021は[プレインズウォーカー・デッキ](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/core-set-2021-variants)があり,こちらにしか収録されていないカードもあるので注意する。
基本セット2021は毎年発売されるMTGの基本的なカードセットであり,入門用のイメージが強い。ただ,基本セット2020で《夏の帳/Veil of Summer》が禁止されたり,《原始のタイタン/Primeval Titan》のように基本セットが初出であるものの,大会で大きく活躍したカードもあるため,入門だからといって侮ってはいけない。
特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。
1. 天使への昇天/Angelic Ascension
2. 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
3. バスリ・ケト/Basri, Devoted Paladin
4. バスリの副官/Basri’s Lieutenant
5. 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
6. 《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
7. 忍耐の偶像/Idol of Endurance
8. 約束の光/Light of Promise
9. 外交官、マンガラ/Mangara, the Diplomat
10. 九つの命/Nine Lives
11. 群れを導くもの/Pack Leader
12. やんちゃな犬/Rambunctious Mutt
13. 歴戦の神聖刃/Seasoned Hallowblade
14. 《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
15. 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
16. 精神迷わせの秘本/Mazemind Tome
17. 《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
18. 灯狩人のマスティコア/Sparkhunter Masticore
19. トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
20. 鳥獣保護区/Animal Sanctuary
少々数が多いのでさくっとレビューする。
## 評価
### 1. 天使への昇天/Angelic Ascension
白の2マナでクリーチャーかプレインズウォーカーを確実に処理できるカードだ。同じく2マナでプレインズウォーカーを処理できるカードは,過去に[購入報告](https://mtg.senooken.jp/post/2019/11/24/)した《天界の粛清/Celestial Purge》か《予期せぬ不在/Unexpectedly Absent》の2枚しか存在していなかった。
そういう意味で気になった。ただ,代わりに生成される《セラの天使/Serra Angel》相当のクリーチャートークンはさすがに無視できない。
自軍クリーチャーにコンバットトリックとして使うという手もありだが,その場合追放というのが破壊不能やリアニメイトとの組み合わせができなく,使いにくい。
その点だと,《過大な贈り物/Generous Gift》のほうが使いやすい。
使い方としては,自軍のクリーチャートークンやコンバットトリックとして2マナ4/4飛行として運営するのがいいだろうか。
### 2. 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
MTG休止前の基本セット2010が初登場の強力な天使だ。登場当時はレガシーのZooへの採用実績がある。Zooのミラーマッチで《悪斬の天使/Baneslayer Angel》入りのZooが勝利するというほど,ビート同士での制圧力に定評のあるカードだ。
しかし,10年経って環境のカードパワーがインフレして,レガシーでは立場が少々厳しい。《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》やら《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》などがいるからだ。
同じ5マナなら出たときに一番の脅威を処理できる《賞罰の天使/Angel of Sanctions》のほうがまだいいのではないか?
スタンダードとパイオニアでの白の復権に一躍買いそうなカードだ。
### 3. バスリ・ケト/Basri, Devoted Paladin
白の新しいプレインズウォーカーだ。1番目の能力で+1/+1カウンターを設置し,2番目の能力でクリーチャー,3番目の奥義で毎ターン2/2クリーチャーを生成する。
役割としては,《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》に近く感じた。《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》に近いのだが,単体でアドバンテージを獲得できない点及び,自身を守りきれないのが欠点だ。
2番目の能力も攻撃状態で出てくるため,自身の守りには使えない。《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》と異なり,3番目の能力までの時間が短いので,同じく収録されている《栄光の頌歌/Glorious Anthem》のような,《十字軍/Crusade》とみなし,動きの遅いコントロール相手には奥義で決めるというカードになるだろう。
どちらかというと,有利なときに強いカードでいろいろ惜しい。昨今のカードパワーのインフレを考えると,《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を3マナにして再録しても問題ないのではなかろうか?
### 4. バスリの副官/Basri’s Lieutenant
4マナ4/5で除去耐性を持つということで,手堅いカードだ。直近だと,《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》に近い。
このカードの特徴は下の効果で,+1/+1カウンターの乗ったクリーチャーの死亡時に,2/2トークンを生成できる。
死亡クリーチャーの条件に*トークンも含む*のがポイントだ。《金属ミミック/Metallic Mimic》など,+1/+1カウンターを自動的に設置できるカードと組み合わせて,無限コンボを形成できる可能性がある。
今後の研究に期待したい。
### 5. 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
今までエターナル構築でしか使えなかったが,今回の収録により全主要フォーマットで使えるようになった。ヴィンテージでも使われる白の優良妨害クリーチャーであり,流通が増えてお買い求めやすくなったのは素直に喜ぶべきことだろう。
### 6. 《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
偶然にも先日[禁止](https://mtg.senooken.jp/post/2020/06/13/)された《十字軍/Crusade》の亜種だ。
ただ,昨今のカードパワーのインフレを考えると,パワー不足感が否めず,1/1トークンをおまけにつけてちょうどよい感じではないだろうか。
まだ,《清浄の名誉/Honor of the Pure》は2マナと軽くて,ぎりぎりスタンダードでも通用すると思うので,なぜこちらを収録したのか…
### 7. 忍耐の偶像/Idol of Endurance
墓地から3マナ以下のクリーチャーをリアニメイトできるカードだ。
うまくやれば,アドバンテージを稼げるのだが,そもそも白には能動的に墓地にカードを落とすカードが乏しく,単体では素直にゲーム中盤以降消耗時に使うくらいしかない。
やや使いにくいか。
### 8. 約束の光/Light of Promise
ライフゲイン時にその分の+1/+1カウンターを配置するオーラだ。クリーチャーを《アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate》化するカードだ。絆魂持ちクリーチャーにエンチャントすると,すぐに手が付けられないサイズになる。
《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》のほうが使いやすいかもしれないが,オーラであることと+1/+1カウンターの設置が回復量のため,何らかのコンボの可能性を感じる。
### 9. 外交官、マンガラ/Mangara, the Diplomat
《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》以来のマンガラのカード化だ。能力的に,《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》を一瞬期待したのだが,それより条件がやや緩くて,残念だった。
いっそのこと,ドローより《法の定め/Rule of Law》のように,そもそも禁止してくれたほうが強かったのではないか。
神話レアのハズレになりそうな予感がする…
### 10. 九つの命/Nine Lives
イラストがライオン・キングを彷彿とさせる印象的なカードだ。肝心の能力は,《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と似た延命カードだ。《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》同様,《厳粛/Solemnity》との不死コンボがぱっと思いつく。
《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と異なり,ダメージしか防げず,しかも軽減されないダメージは防げない。《むかつき/Ad Nauseam》とも組み合わせられず,呪禁はあるが通常は使いにくい。
カスレアになりそう…
### 11. 群れを導くもの/Pack Leader
白で数少ない2マナの部族ロードだ。2マナの白の部族ロードは数が少なく,過去には《皺だらけの主/Wizened Cenn》,《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》がいた。
下の能力が自分を含めるところが強く,戦闘では無類の強さを誇る可能性がある。
今回はマイナー部族の犬のロードだ。白の犬は数が少なく,《巡視犬/Patrol Hound》くらいしか思いつかない。と思ったが,《巡視犬/Patrol Hound》は猟犬か。
現状では有力なカードが少なく,まだデッキとして成立しない気がする。今後の新しい白の犬に期待したい。
### 12. やんちゃな犬
ETBでアーティファクトを破壊できるカードだ。ETBでのアーティファクトの破壊クリーチャーは白では希少で,《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》,《賞罰の天使/Angel of Sanctions》くらいしか知らない。そこに新しいカードが加わった。
しかし,マナコストが少々重い。3マナくらいで登場してくれないか…
### 13. 歴戦の神聖刃/Seasoned Hallowblade
《巡視犬/Patrol Hound》と同じく,共鳴者の一種だ。白の共鳴者は《巡視犬/Patrol Hound》,《不屈の部族/Tireless Tribe》くらいしか使われおらず,このカードは多くの場面で《巡視犬/Patrol Hound》より強いだろう。
《アダントの先兵/Adanto Vanguard》とよく似ている。いつでも利用可能な除去耐性はけっこう強い。今後のスタンダードの白ウィニーの基本クリーチャーになる可能性はある。白ウィニーの2マナ域の候補が追加された。
### 14. 《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
マジック・オリジンからの再録となる。レアリティがアンコモンに格下げになり,能力的に順当となった。
### 15. 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
運命再編からの再録となった。流通が少なく,値段が高騰していたので,ユーザーとしては値段が安定してよかった。エルドラージ・ポストやトロン系相手では,白ウィニーとしてはこのカードを出されるとほぼ負けになる嫌なカードだ。《謙虚/Humility》もまとめて吹き飛ばされるのが悪夢で若干トラウマになっている。
白系のビッグマナデッキは組んだことがないのだが,《厳かなモノリス/Grim Monolith》を4枚揃えたのもあるので,白としてもありかもしれない。
### 16. 精神迷わせの秘本/Mazemind Tome
基本セットの常連だった秘本カードから新しい秘本が登場した。《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》は重く,《ジェイラム秘本/Jalum Tome》はアドバンテージが取れなかった。
それらに比べるとこのカードは大幅に使いやすい。2マナと軽く,キャスト後に即座に占術1を行えるのは無駄がなくていい。4回しか能力を起動できないが,4点ゲインできるし,2-3枚カードを引ければ十分でしょう。
構築だと環境速度に応じては悠長すぎるかもしれない。
### 17. 《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
ミラディンの傷跡からの再録となる白で貴重なマナ加速カードだ。4ターン目に6マナ出せるのは悪くない。後半に引いても,最悪壁にもなる。
### 18. 灯狩人のマスティコア/Sparkhunter Masticore
《小型マスティコア/Lesser Masticore》の亜種だ。手札の要求がキャスト時のみで,負担が小さくなった。プロテクション (プレインズウォーカー) を持ち,プレインズウォーカー限定のティム能力を持つ。
マナコストの都合,出してからダメージを飛ばせるまで1ターンはかかるため,先置きするのが基本的な使い方だろうか。
除去耐性は3マナで破壊不能のため,少々重くこちらを構えるのは難しい。プレインズウォーカー対策をするならば,素直に《真髄の針/Pithing Needle》が手堅いだろうか。
### 19. 《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
昔からの定番の墓地対策カードがスタンダードとパイオニアで使えるようになった。最近は,《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》がテーロス還魂記で登場したので,多くの場合そちらで事足りるか。
### 鳥獣保護区/Animal Sanctuary
2マナタップで動物に+1/+1カウンターを設置できる。ただの土地に+1/+1カウンターの設置能力が付いているのはさすがに強い。
どれもマイナー部族なので,今後強力な該当部族が登場すると一気に値段が高騰するだろう。
## 結論
基本セット2021の白のカードをレビューした。今回は特に購入したいカードがなかった。
新しい白のプレインズウォーカーの登場や,《悪斬の天使/Baneslayer Angel》の再録は気になった。ただ,全体としては白はいまいちぱっとしない。「群れを導くもの」は今後の可能性を感じるが,当分スタンダードでも白ウィニーは冬の時代が続くでしょうな…
ドミナリアで《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》や《ベナリア史/History of Benalia》が活躍した反動だろうか。
[基本セット2020のレビュー](https://senooken.jp/post/2019/06/30/)と比較すると,再録カードが多く,気になるカードは多かった。ただ,それでもカードパワー不足を感じる。テーロス還魂記,イコリア:巨獣の棲処と白で強いカードが登場したため,しかたないか…。
なお,近日告知予定だが,カード評価は一旦これが最後となる。今後も白ウィニーにとって強力なカードが登場することを期待したい。
2020-07-03 Fri発売の新しいカードセットの「基本セット2021」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/core-set-2021)が2020-06-16 Thuに公開されたのでレビューする。なお,基本セット2021は[プレインズウォーカー・デッキ](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/core-set-2021-variants)があり,こちらにしか収録されていないカードもあるので注意する。
基本セット2021は毎年発売されるMTGの基本的なカードセットであり,入門用のイメージが強い。ただ,基本セット2020で《夏の帳/Veil of Summer》が禁止されたり,《原始のタイタン/Primeval Titan》のように基本セットが初出であるものの,大会で大きく活躍したカードもあるため,入門だからといって侮ってはいけない。
特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。
1. 天使への昇天/Angelic Ascension
2. 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
3. バスリ・ケト/Basri, Devoted Paladin
4. バスリの副官/Basri’s Lieutenant
5. 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
6. 《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
7. 忍耐の偶像/Idol of Endurance
8. 約束の光/Light of Promise
9. 外交官、マンガラ/Mangara, the Diplomat
10. 九つの命/Nine Lives
11. 群れを導くもの/Pack Leader
12. やんちゃな犬/Rambunctious Mutt
13. 歴戦の神聖刃/Seasoned Hallowblade
14. 《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
15. 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
16. 精神迷わせの秘本/Mazemind Tome
17. 《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
18. 灯狩人のマスティコア/Sparkhunter Masticore
19. トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
20. 鳥獣保護区/Animal Sanctuary
少々数が多いのでさくっとレビューする。
## 評価
### 1. 天使への昇天/Angelic Ascension
Angelic Ascension {1}{W}
Instant
Exile target creature or planeswalker. Its controller creates a 4/4 white Angel creature token with flying.
白の2マナでクリーチャーかプレインズウォーカーを確実に処理できるカードだ。同じく2マナでプレインズウォーカーを処理できるカードは,過去に[購入報告](https://mtg.senooken.jp/post/2019/11/24/)した《天界の粛清/Celestial Purge》か《予期せぬ不在/Unexpectedly Absent》の2枚しか存在していなかった。
そういう意味で気になった。ただ,代わりに生成される《セラの天使/Serra Angel》相当のクリーチャートークンはさすがに無視できない。
自軍クリーチャーにコンバットトリックとして使うという手もありだが,その場合追放というのが破壊不能やリアニメイトとの組み合わせができなく,使いにくい。
その点だと,《過大な贈り物/Generous Gift》のほうが使いやすい。
使い方としては,自軍のクリーチャートークンやコンバットトリックとして2マナ4/4飛行として運営するのがいいだろうか。
### 2. 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
Baneslayer Angel / 悪斬の天使 (3)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)
飛行、先制攻撃、絆魂、プロテクション(デーモン(Demon))、プロテクション(ドラゴン(Dragon))
5/5
MTG休止前の基本セット2010が初登場の強力な天使だ。登場当時はレガシーのZooへの採用実績がある。Zooのミラーマッチで《悪斬の天使/Baneslayer Angel》入りのZooが勝利するというほど,ビート同士での制圧力に定評のあるカードだ。
しかし,10年経って環境のカードパワーがインフレして,レガシーでは立場が少々厳しい。《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》やら《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》などがいるからだ。
同じ5マナなら出たときに一番の脅威を処理できる《賞罰の天使/Angel of Sanctions》のほうがまだいいのではないか?
スタンダードとパイオニアでの白の復権に一躍買いそうなカードだ。
### 3. バスリ・ケト/Basri, Devoted Paladin
Basri Ket {1}{W}{W}
Legendary Planeswalker — Basri
+1: Put a +1/+1 counter on up to one target creature. It gains indestructible until end of turn.
−2: Whenever one or more nontoken creatures attack this turn, create that many 1/1 white Soldier creature tokens that are tapped and attacking.
−6: You get an emblem with "At the beginning of combat on your turn, create a 1/1 white Soldier creature token, then put a +1/+1 counter on each creature you control."
Loyalty: 3
白の新しいプレインズウォーカーだ。1番目の能力で+1/+1カウンターを設置し,2番目の能力でクリーチャー,3番目の奥義で毎ターン2/2クリーチャーを生成する。
役割としては,《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》に近く感じた。《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》に近いのだが,単体でアドバンテージを獲得できない点及び,自身を守りきれないのが欠点だ。
2番目の能力も攻撃状態で出てくるため,自身の守りには使えない。《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》と異なり,3番目の能力までの時間が短いので,同じく収録されている《栄光の頌歌/Glorious Anthem》のような,《十字軍/Crusade》とみなし,動きの遅いコントロール相手には奥義で決めるというカードになるだろう。
どちらかというと,有利なときに強いカードでいろいろ惜しい。昨今のカードパワーのインフレを考えると,《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を3マナにして再録しても問題ないのではなかろうか?
### 4. バスリの副官/Basri’s Lieutenant
Basri’s Lieutenant {3}{W}
Creature — Human Knight
Vigilance, protection from multicolored
When Basri’s Lieutenant enters the battlefield, put a +1/+1 counter on target creature you control.
Whenever Basri’s Lieutenant or another creature you control dies, if it had a +1/+1 counter on it, create a 2/2 white Knight creature token with vigilance.
3/4
4マナ4/5で除去耐性を持つということで,手堅いカードだ。直近だと,《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》に近い。
このカードの特徴は下の効果で,+1/+1カウンターの乗ったクリーチャーの死亡時に,2/2トークンを生成できる。
死亡クリーチャーの条件に*トークンも含む*のがポイントだ。《金属ミミック/Metallic Mimic》など,+1/+1カウンターを自動的に設置できるカードと組み合わせて,無限コンボを形成できる可能性がある。
今後の研究に期待したい。
### 5. 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
Containment Priest / 封じ込める僧侶 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
瞬速
トークンでないクリーチャーが唱えられずに戦場に出るなら、代わりにそれを追放する。
2/2
今までエターナル構築でしか使えなかったが,今回の収録により全主要フォーマットで使えるようになった。ヴィンテージでも使われる白の優良妨害クリーチャーであり,流通が増えてお買い求めやすくなったのは素直に喜ぶべきことだろう。
### 6. 《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
Glorious Anthem / 栄光の頌歌 (1)(白)(白)
エンチャント
あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
偶然にも先日[禁止](https://mtg.senooken.jp/post/2020/06/13/)された《十字軍/Crusade》の亜種だ。
ただ,昨今のカードパワーのインフレを考えると,パワー不足感が否めず,1/1トークンをおまけにつけてちょうどよい感じではないだろうか。
まだ,《清浄の名誉/Honor of the Pure》は2マナと軽くて,ぎりぎりスタンダードでも通用すると思うので,なぜこちらを収録したのか…
### 7. 忍耐の偶像/Idol of Endurance
Idol of Endurance {2}{W}
Artifact
When Idol of Endurance enters the battlefield, exile all creature cards with converted mana cost 3 or less from your graveyard until Idol of Endurance leaves the battlefield.
{1}{W}, {T}: Until end of turn, you may cast a creature spell from among the cards exiled with Idol of Endurance without paying its mana cost.
墓地から3マナ以下のクリーチャーをリアニメイトできるカードだ。
うまくやれば,アドバンテージを稼げるのだが,そもそも白には能動的に墓地にカードを落とすカードが乏しく,単体では素直にゲーム中盤以降消耗時に使うくらいしかない。
やや使いにくいか。
### 8. 約束の光/Light of Promise
Light of Promise {2}{W}
Enchantment — Aura
Enchant creature
Enchanted creature has "Whenever you gain life, put that many +1/+1 counters on this creature."
ライフゲイン時にその分の+1/+1カウンターを配置するオーラだ。クリーチャーを《アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate》化するカードだ。絆魂持ちクリーチャーにエンチャントすると,すぐに手が付けられないサイズになる。
《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》のほうが使いやすいかもしれないが,オーラであることと+1/+1カウンターの設置が回復量のため,何らかのコンボの可能性を感じる。
### 9. 外交官、マンガラ/Mangara, the Diplomat
Mangara, the Diplomat {3}{W}
Legendary Creature — Human Cleric
Lifelink
Whenever an opponent attacks with creatures, if two or more of those creatures are attacking you and/or a planeswalker you control, draw a card.
Whenever an opponent casts their second spell each turn, draw a card.
2/4
《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》以来のマンガラのカード化だ。能力的に,《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》を一瞬期待したのだが,それより条件がやや緩くて,残念だった。
いっそのこと,ドローより《法の定め/Rule of Law》のように,そもそも禁止してくれたほうが強かったのではないか。
神話レアのハズレになりそうな予感がする…
### 10. 九つの命/Nine Lives
Nine Lives {1}{W}{W}
Enchantment
Hexproof
If a source would deal damage to you, prevent that damage and put an incarnation counter on Nine Lives.
When there are nine or more incarnation counters on Nine Lives, exile it.
When Nine Lives leaves the battlefield, you lose the game.
イラストがライオン・キングを彷彿とさせる印象的なカードだ。肝心の能力は,《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と似た延命カードだ。《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》同様,《厳粛/Solemnity》との不死コンボがぱっと思いつく。
《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と異なり,ダメージしか防げず,しかも軽減されないダメージは防げない。《むかつき/Ad Nauseam》とも組み合わせられず,呪禁はあるが通常は使いにくい。
カスレアになりそう…
### 11. 群れを導くもの/Pack Leader
Pack Leader {1}{W}
Creature — Dog
Other Dogs you control get +1/+1.
Whenever Pack Leader attacks, prevent all combat damage that would be dealt this turn to Dogs you control.
2/2
白で数少ない2マナの部族ロードだ。2マナの白の部族ロードは数が少なく,過去には《皺だらけの主/Wizened Cenn》,《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》がいた。
下の能力が自分を含めるところが強く,戦闘では無類の強さを誇る可能性がある。
今回はマイナー部族の犬のロードだ。白の犬は数が少なく,《巡視犬/Patrol Hound》くらいしか思いつかない。と思ったが,《巡視犬/Patrol Hound》は猟犬か。
現状では有力なカードが少なく,まだデッキとして成立しない気がする。今後の新しい白の犬に期待したい。
### 12. やんちゃな犬
Rambunctious Mutt {3}{W}{W}
Creature — Dog
When Rambunctious Mutt enters the battlefield, destroy target artifact or enchantment an opponent controls.
3/4
ETBでアーティファクトを破壊できるカードだ。ETBでのアーティファクトの破壊クリーチャーは白では希少で,《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》,《賞罰の天使/Angel of Sanctions》くらいしか知らない。そこに新しいカードが加わった。
しかし,マナコストが少々重い。3マナくらいで登場してくれないか…
### 13. 歴戦の神聖刃/Seasoned Hallowblade
Seasoned Hallowblade {1}{W}
Creature — Human Warrior
Discard a card: Tap Seasoned Hallowblade. It gains indestructible until end of turn. (Damage and effects that say “destroy” don’t destroy it.)
3/1
《巡視犬/Patrol Hound》と同じく,共鳴者の一種だ。白の共鳴者は《巡視犬/Patrol Hound》,《不屈の部族/Tireless Tribe》くらいしか使われおらず,このカードは多くの場面で《巡視犬/Patrol Hound》より強いだろう。
《アダントの先兵/Adanto Vanguard》とよく似ている。いつでも利用可能な除去耐性はけっこう強い。今後のスタンダードの白ウィニーの基本クリーチャーになる可能性はある。白ウィニーの2マナ域の候補が追加された。
### 14. 《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
Vryn Wingmare / ヴリンの翼馬 (2)(白)
クリーチャー — ペガサス(Pegasus)
飛行
クリーチャーでない呪文を唱えるためのコストは(1)多くなる。
2/1
マジック・オリジンからの再録となる。レアリティがアンコモンに格下げになり,能力的に順当となった。
### 15. 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
Ugin, the Spirit Dragon / 精霊龍、ウギン (8)
伝説のプレインズウォーカー — ウギン(Ugin)
[+2]:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。精霊龍、ウギンはそれに3点のダメージを与える。
[-X]:点数で見たマナ・コストがX以下の、1色以上の色を持つ各パーマネントをそれぞれ追放する。
[-10]:あなたは7点のライフを得て、カードを7枚引く。その後、あなたの手札にある最大7枚までのパーマネント・カードを戦場に出す。
7
運命再編からの再録となった。流通が少なく,値段が高騰していたので,ユーザーとしては値段が安定してよかった。エルドラージ・ポストやトロン系相手では,白ウィニーとしてはこのカードを出されるとほぼ負けになる嫌なカードだ。《謙虚/Humility》もまとめて吹き飛ばされるのが悪夢で若干トラウマになっている。
白系のビッグマナデッキは組んだことがないのだが,《厳かなモノリス/Grim Monolith》を4枚揃えたのもあるので,白としてもありかもしれない。
### 16. 精神迷わせの秘本/Mazemind Tome
Mazemind Tome {2}
Artifact
{T}, Put a page counter on Mazemind Tome: Scry 1.
{2}, {T}, Put a page counter on Mazemind Tome: Draw a card.
When there are four or more page counters on Mazemind Tome, exile it. If you do, you gain 4 life.
基本セットの常連だった秘本カードから新しい秘本が登場した。《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》は重く,《ジェイラム秘本/Jalum Tome》はアドバンテージが取れなかった。
それらに比べるとこのカードは大幅に使いやすい。2マナと軽く,キャスト後に即座に占術1を行えるのは無駄がなくていい。4回しか能力を起動できないが,4点ゲインできるし,2-3枚カードを引ければ十分でしょう。
構築だと環境速度に応じては悠長すぎるかもしれない。
### 17. 《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
Palladium Myr / パラジウムのマイア (3)
アーティファクト クリーチャー — マイア(Myr)
(T):(◇)(◇)を加える。
2/2
ミラディンの傷跡からの再録となる白で貴重なマナ加速カードだ。4ターン目に6マナ出せるのは悪くない。後半に引いても,最悪壁にもなる。
### 18. 灯狩人のマスティコア/Sparkhunter Masticore
Sparkhunter Masticore {3}
Artifact Creature — Masticore
As an additional cost to cast this spell, discard a card.
Protection from planeswalkers
{1}: Sparkhunter Masticore deals 1 damage to target planeswalker.
{3}: Sparkhunter Masticore gains indestructible until end of turn.
3/4
《小型マスティコア/Lesser Masticore》の亜種だ。手札の要求がキャスト時のみで,負担が小さくなった。プロテクション (プレインズウォーカー) を持ち,プレインズウォーカー限定のティム能力を持つ。
マナコストの都合,出してからダメージを飛ばせるまで1ターンはかかるため,先置きするのが基本的な使い方だろうか。
除去耐性は3マナで破壊不能のため,少々重くこちらを構えるのは難しい。プレインズウォーカー対策をするならば,素直に《真髄の針/Pithing Needle》が手堅いだろうか。
### 19. 《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
Tormod’s Crypt / トーモッドの墓所 (0)
アーティファクト
(T),トーモッドの墓所を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの墓地のカードをすべて追放する。
昔からの定番の墓地対策カードがスタンダードとパイオニアで使えるようになった。最近は,《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》がテーロス還魂記で登場したので,多くの場合そちらで事足りるか。
### 鳥獣保護区/Animal Sanctuary
Animal Sanctuary
Land
{T}: Add {C}.
{2}, {T}: Put a +1/+1 counter on target Bird, Cat, Dog, Goat, Ox, or Snake.
2マナタップで動物に+1/+1カウンターを設置できる。ただの土地に+1/+1カウンターの設置能力が付いているのはさすがに強い。
どれもマイナー部族なので,今後強力な該当部族が登場すると一気に値段が高騰するだろう。
## 結論
基本セット2021の白のカードをレビューした。今回は特に購入したいカードがなかった。
新しい白のプレインズウォーカーの登場や,《悪斬の天使/Baneslayer Angel》の再録は気になった。ただ,全体としては白はいまいちぱっとしない。「群れを導くもの」は今後の可能性を感じるが,当分スタンダードでも白ウィニーは冬の時代が続くでしょうな…
ドミナリアで《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》や《ベナリア史/History of Benalia》が活躍した反動だろうか。
[基本セット2020のレビュー](https://senooken.jp/post/2019/06/30/)と比較すると,再録カードが多く,気になるカードは多かった。ただ,それでもカードパワー不足を感じる。テーロス還魂記,イコリア:巨獣の棲処と白で強いカードが登場したため,しかたないか…。
なお,近日告知予定だが,カード評価は一旦これが最後となる。今後も白ウィニーにとって強力なカードが登場することを期待したい。
購入報告: 無限コンボのサーチと妨害阻止を兼ねる白の優良中堅クリーチャー
2020年4月22日 review
## 概要
2020-04-08 Wedに[ラクマ](https://item.fril.jp/ab8e345640876ac48c1eaae29695d95f)で《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》英1枚850円を購入した。
期間限定の楽天スーパーポイントが少しあったのと,単純にこのカードが欲しくて値段の安いタイミングを狙っていた。
最近の相場だと1枚1200円程度だったので,お安く購入できた。
## 効果
### 《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》
2019年にモダンホライゾンで収録されたカードだ。
3マナ3/3の基本性能に加え,ETBで1マナ以下のクリーチャーをサーチし,生贄に捧げてクリーチャー以外の《沈黙/Silence》を発動する。白の優良中堅クリーチャーだ。
過去の白の中堅で《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》がおり,それのリメイクとなっている。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》は4マナ3/2だがETBで1マナのクリーチャーを最大2枚サーチでき,アドバンテージを稼げるカードとなっている。ソウルシスターズや2011年頃のレガシーの白ウィニーなどでも採用実績のあるカードだ。
《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》は*モダンホライゾン登場時には特に注目しておらず*,[レビュー](https://mtg.senooken.jp/post/2019/06/09/)でも取り上げなかった。3マナはやや重く,《歩行バリスタ/Walking Ballista》をサーチしても動きが遅く,《沈黙/Silence》も対して意味がないだろうと思ったからだ。
しかし,テーロス還魂記で*《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》が登場して評価が変わった*。特に,晴れる屋の[第16期モダン神決定戦](https://article.hareruyamtg.com/article/38539/)で優勝した佐藤 レイのヘリオッドカンパニーで4枚採用されているのをみて,大きく評価が変わった。
《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》で以下の3通りの役割を果たすことができる。
1. フィニッシャーの《歩行バリスタ/Walking Ballista》のサーチ
2. サーチ後の妨害阻止
3. 《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》の信心のカウント
**バリヘリコンボと非常に相性がいい**。通常のビート要員というよりかは,コンボパーツのサーチと妨害阻止として使う動きが強い。《魂の洞窟/Cavern of Souls》から《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》を始めることで,相手に**妨害を挟む余地をなくす**ことができる。
また,コンボが決まらなくても3/3というサイズは十分な脅威だ。2体並べれば《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》の信心を達成でき,コンボなしでも*11点という十分な打点*となる。
また,イコリア:巨獣の棲処で登場した《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》との無限マナコンボでも《歩行バリスタ/Walking Ballista》はエンドキーカードとなる。今後も無限コンボで《歩行バリスタ/Walking Ballista》を使う際の定番カードになると感じた。
今後の白を使う上で,4枚必須カードになる可能性を感じ,収集を始めたところでの1枚だった。
## 結論
今後の白の無限コンボの定番カードとなる可能性のある《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》の1枚目を購入した。
テーロス還魂記,イコリア:巨獣の棲処で立て続けに《歩行バリスタ/Walking Ballista》を使った無限コンボが成立し,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》の役割がますます重要になってきた。
残り3枚もどうにか集めて無限コンボを組んでみたい。
2020-04-08 Wedに[ラクマ](https://item.fril.jp/ab8e345640876ac48c1eaae29695d95f)で《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》英1枚850円を購入した。
期間限定の楽天スーパーポイントが少しあったのと,単純にこのカードが欲しくて値段の安いタイミングを狙っていた。
最近の相場だと1枚1200円程度だったので,お安く購入できた。
## 効果
### 《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》
Ranger-Captain of Eos / イーオスのレインジャー長 (1)(白)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
イーオスのレインジャー長が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストが1以下のクリーチャー・カード1枚を探し、それを公開してあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
イーオスのレインジャー長を生け贄に捧げる:このターン、対戦相手はクリーチャーでない呪文を唱えられない。
3/3
2019年にモダンホライゾンで収録されたカードだ。
3マナ3/3の基本性能に加え,ETBで1マナ以下のクリーチャーをサーチし,生贄に捧げてクリーチャー以外の《沈黙/Silence》を発動する。白の優良中堅クリーチャーだ。
過去の白の中堅で《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》がおり,それのリメイクとなっている。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》は4マナ3/2だがETBで1マナのクリーチャーを最大2枚サーチでき,アドバンテージを稼げるカードとなっている。ソウルシスターズや2011年頃のレガシーの白ウィニーなどでも採用実績のあるカードだ。
《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》は*モダンホライゾン登場時には特に注目しておらず*,[レビュー](https://mtg.senooken.jp/post/2019/06/09/)でも取り上げなかった。3マナはやや重く,《歩行バリスタ/Walking Ballista》をサーチしても動きが遅く,《沈黙/Silence》も対して意味がないだろうと思ったからだ。
しかし,テーロス還魂記で*《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》が登場して評価が変わった*。特に,晴れる屋の[第16期モダン神決定戦](https://article.hareruyamtg.com/article/38539/)で優勝した佐藤 レイのヘリオッドカンパニーで4枚採用されているのをみて,大きく評価が変わった。
《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》で以下の3通りの役割を果たすことができる。
1. フィニッシャーの《歩行バリスタ/Walking Ballista》のサーチ
2. サーチ後の妨害阻止
3. 《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》の信心のカウント
**バリヘリコンボと非常に相性がいい**。通常のビート要員というよりかは,コンボパーツのサーチと妨害阻止として使う動きが強い。《魂の洞窟/Cavern of Souls》から《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》を始めることで,相手に**妨害を挟む余地をなくす**ことができる。
また,コンボが決まらなくても3/3というサイズは十分な脅威だ。2体並べれば《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》の信心を達成でき,コンボなしでも*11点という十分な打点*となる。
また,イコリア:巨獣の棲処で登場した《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》との無限マナコンボでも《歩行バリスタ/Walking Ballista》はエンドキーカードとなる。今後も無限コンボで《歩行バリスタ/Walking Ballista》を使う際の定番カードになると感じた。
今後の白を使う上で,4枚必須カードになる可能性を感じ,収集を始めたところでの1枚だった。
## 結論
今後の白の無限コンボの定番カードとなる可能性のある《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》の1枚目を購入した。
テーロス還魂記,イコリア:巨獣の棲処で立て続けに《歩行バリスタ/Walking Ballista》を使った無限コンボが成立し,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》の役割がますます重要になってきた。
残り3枚もどうにか集めて無限コンボを組んでみたい。
カード評価: 統率者2020 | 「白は統率者最弱」の噂通りのカードセット
2020年4月18日 review## 概要
2020-04-17 Fri発売の新しい特殊カードセットの「統率者2020」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/commander-2020-edition)が2020-04-07 Tueに公開されたのでレビューする。
統率者2020は特殊セットなため,再録カード以外は構築 (スタンダード,パイオニア,モダン) フォーマットでは使用できない。その代わり,エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) で使用可能だ。
統率者向けのカードセットで全体的に癖の強いカードが多いのが特徴だ。
特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。
1. 《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》
2. 《境界のレインジャー/Verge Rangers》
3. 《生命力の狩人/Vitality Hunter》
4. 《空中対応員/Aerial Responder》
5. 《報奨密偵/Bounty Agent》
6. 《敬虔な司祭/Devout Chaplain》
7. 《いつまでも共に/Together Forever》
8. 《謎めいた三葉虫/Cryptic Trilobite》
9. 《聖域の刃/Sanctuary Blade》
10. 《巣ごもりの地/Nesting Grounds》
少々数が多いのでさくっとレビューする。
## 評価
### 1. 《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》
2/1飛行という白の2マナ域としては問題ない性能に,《土地税/Land Tax》から始まる白でときどき登場する条件付きの土地加速だ。手札に加えるのではなく,戦場に出すというのが強い。
後手2ターン目の速効性では《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》に軍配が上がるが,こちらは先手2ターン目に先置きしても問題ない点が強い。
白の土地加速はほぼ選択肢がないので,このカードは有力なカードだ。
しかし,エターナル構築では少々悠長すぎるような気がする。やはり,同じ基本性能で墓地対策ができる《悔恨する僧侶/Remorseful Cleric》のほうが有力だろう。
ミッドレンジや《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》あたりとの組み合わせに可能性があるだろうか?
### 2. 《境界のレインジャー/Verge Rangers》
《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》に続いて,土地の枚数を参照するカードだ。
3/3先制攻撃という基本性能に加え,ライブラリートップの閲覧効果と,ライブラリートップからの土地プレイが可能になる。
追加の土地セットではないので,マナ加速にはならないのが惜しい。ただ,ライブラリートップの土地をセット可能ということで,ある意味手札が1枚増えた状態になる。
白でアドバンテージをとれるカードは貴重なため,追加マナなしで継続的にアドバンテージをとれる可能性のあるこのカードはなかなか面白い。
ただ,相手より土地を少ない状態を維持しないと肝心の土地セットができないため,いずれ土地セットはできなくなる。
面白いカードではあるのだが,少々冗長過ぎる。まだ,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》や《護衛募集員/Recruiter of the Guard》のほうが使いやすいか。どちらも《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》をサーチできるので…
### 3. 《生命力の狩人/Vitality Hunter》
4マナ3/4版魂で怪物化XWWを持つ。4マナ3/4絆魂だけだと,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》のほうが強い。ただ,怪物化があるので,最低でも5/6絆魂にはなれる。基本性能は悪くない。
ただ,4マナクリーチャーには,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》や《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》くらいの決定力がほしい。
やはり少々いまいちか。
### 4. 《空中対応員/Aerial Responder》
カラデシュからの再録カードだ。《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》と似た性能のウィニークリーチャーとなっている。
どの能力も装備品などのサイズ強化能力と相性がいい。《セラの報復者/Serra Avenger》を昔愛用していたが,性能がどんどん近づいてきている。
MTG Wikiではクリーチャータイプに兵士があるので,レガシーの兵士デッキで採用されるケースもあるらしい。
ただ,3マナでたいした脅威にならないので,少々物足りないか。
### 5. 《報奨密偵/Bounty Agent》
ラブニカのギルドからの再録カードだ。2/2警戒の基本性能に加え,タップ生贄で伝説のパーマネントを破壊できる。
第一印象で《キャパシェンの一角獣/Capashen Unicorn》を思い出した。白には《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》のような《解呪/Disenchant》持ちの生物がほぼいない。特にアーティファクトを処理できるクリーチャーが欠如している。
ぱっとみ白の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》かと期待したのだが,伝説のパーマネントという条件がついており,少々落胆した。せめて英雄的,プレインズウォーカーを処理できるのであれば範囲が広くて可能性があったのだが…
追放なら,《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》を処理することもできたのだが…いろいろ惜しい。
範囲が狭く使いどころが難しいカードだ。
### 6. 《敬虔な司祭/Devout Chaplain》
アヴァシンの帰還からの再録カードだ。
《報奨密偵/Bounty Agent》で白の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》でなくてがっかりしていたところで,続いてこのカードに目が止まった。
前述した通り,白の《解呪/Disenchant》持ちクリーチャーは数が少なく,せいぜい《キャパシェンの一角獣/Capashen Unicorn》,《誠実な証人/Devout Witness》,《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》くらいしかない。そこに新たな1枚が加わった。
都合クリーチャー3体のタップでアーティファクトかエンチャントを追放できる。
頭数はクリーチャートークンでなんとかできるとしても,召喚酔いが少々きびしい。確実性の高い《誠実な証人/Devout Witness》のほうがましではないか。
ただ,人間・クレリックという部族から,ヴィンテージのエルドラージ・ホワイトで,《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《封じ込める僧侶/Containment Priest》,《輝きの乗り手/Glowrider》あたりと組み合わせられる可能性がある。
エルドラージ・ホワイトでは《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《輝きの乗り手/Glowrider》などで,非クリーチャー呪文へのマナコスト増加 (課税) が基本行動になるため,クリーチャーでのエンチャント・アーティファクト除去が望ましい。そして,モックスをはじめ対処したいアーティファクトが多いので,繰り返し使用可能な《解呪/Disenchant》は強い。
本体の召喚酔いさえどうにかできれば,可能性はあるように感じた。
### 7, 《いつまでも共に/Together Forever》
バトルボンドからの再録カードだ。マイナーなカードセットからの再録で供給が増えて嬉しい。
ETBで支援2と死亡時に手札に戻すリアニメイト効果を持つ。
単体でも白白のパーマネントということで,信心を稼ぐのにうってつけのカードだ。
何かコンボの匂いのするカードだ。今は思いつかないが,今後何か新しいコンボが成立しそうな予感がする。
ただ,現状うまい活用方法が思いつかない。
### 8. 《謎めいた三葉虫/Cryptic Trilobite》
《搭載歩行機械/Hangarback Walker》に似たカードで,+1/+1カウンターの除去で起動型能力専用の2マナを生成する。
自己を強化する能力があるので,序盤に出して貯めることもできる。意外なことに,アーティファクトではない無色クリーチャーだ。
これまた《いつまでも共に/Together Forever》と同じくコンボ臭漂うカードだ。今後の研究に期待したい。
### 9. 《聖域の刃/Sanctuary Blade》
《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》に任意の色のプロテクションを付与できる。
マナコストが少々重いが,任意の色のプロテクションは強力な効果だ。《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》のような剣サイクルと比べると,汎用性が上がった代わりに性能が落ちた。
ただ,カードパワーがコストに比べて物足りない。
### 10. 《巣ごもりの地/Nesting Grounds》
パーマネント上のカウンターを移動させることができる。インスタントタイミングで起動できれば,《霊気の薬瓶/AEther Vial》と《虚空の杯/Chalice of the Void》でコンボを組めたかもしれない。
ダイス・ファクトリーをレガシーで組む場合に役に立つかもしれない。
## 結論
統率者2020で気になる白のカードをレビューした。
統率者2020という特殊セットの都合,くせの強いカードが多かった。白としては,そこまで強いカードがなくて,白が統率者最弱というのもある意味納得のカード揃えだった。
実際ほしいカードもせいぜい《敬虔な司祭/Devout Chaplain》くらいだった。
イコリア:巨獣の棲処と同じくサイクリングをフィーチャーしていて,《波動機/Fluctuator》の再録や,《見捨てられた石棺/Abandoned Sarcophagus》が登場したが,白としては強いサイクリングカードがないので,いまいちに感じた。
統率者はプレイしていないのだが,全体除去やトークンで戦うようなカードが多く,受け身的で勝ち切るのが難しそうに感じた。
黎明期の《天秤/Balance》,《ハルマゲドン/Armageddon》,《神の怒り/Wrath of God》,《解呪/Disenchant》のようなパワーカードを白で新しく作るのは難しいかしらね…
イコリア:巨獣の棲処で期待のカードが登場したので,そちらの可能性を探っていきたい。
2020-04-17 Fri発売の新しい特殊カードセットの「統率者2020」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/commander-2020-edition)が2020-04-07 Tueに公開されたのでレビューする。
統率者2020は特殊セットなため,再録カード以外は構築 (スタンダード,パイオニア,モダン) フォーマットでは使用できない。その代わり,エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) で使用可能だ。
統率者向けのカードセットで全体的に癖の強いカードが多いのが特徴だ。
特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。
1. 《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》
2. 《境界のレインジャー/Verge Rangers》
3. 《生命力の狩人/Vitality Hunter》
4. 《空中対応員/Aerial Responder》
5. 《報奨密偵/Bounty Agent》
6. 《敬虔な司祭/Devout Chaplain》
7. 《いつまでも共に/Together Forever》
8. 《謎めいた三葉虫/Cryptic Trilobite》
9. 《聖域の刃/Sanctuary Blade》
10. 《巣ごもりの地/Nesting Grounds》
少々数が多いのでさくっとレビューする。
## 評価
### 1. 《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》
Cartographer’s Hawk / 地図作りの鷹 (1)(白)
クリーチャー — 鳥(Bird)
飛行
地図作りの鷹が、土地をあなたよりも多くコントロールしているプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えたとき、これをオーナーの手札に戻す。そうしたなら、あなたは「あなたのライブラリーから平地(Plains)カード1枚を探し、タップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
2/1
2/1飛行という白の2マナ域としては問題ない性能に,《土地税/Land Tax》から始まる白でときどき登場する条件付きの土地加速だ。手札に加えるのではなく,戦場に出すというのが強い。
後手2ターン目の速効性では《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》に軍配が上がるが,こちらは先手2ターン目に先置きしても問題ない点が強い。
白の土地加速はほぼ選択肢がないので,このカードは有力なカードだ。
しかし,エターナル構築では少々悠長すぎるような気がする。やはり,同じ基本性能で墓地対策ができる《悔恨する僧侶/Remorseful Cleric》のほうが有力だろう。
ミッドレンジや《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》あたりとの組み合わせに可能性があるだろうか?
### 2. 《境界のレインジャー/Verge Rangers》
Verge Rangers / 境界のレインジャー (2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) スカウト(Scout)
先制攻撃
あなたはいつでもあなたのライブラリーの一番上のカードを見てよい。
対戦相手1人が土地をあなたよりも多くコントロールしているかぎり、あなたはあなたのライブラリーの一番上から土地をプレイしてもよい。(これにより土地をプレイするには、あなたは土地プレイを残している必要がある。)
3/3
《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》に続いて,土地の枚数を参照するカードだ。
3/3先制攻撃という基本性能に加え,ライブラリートップの閲覧効果と,ライブラリートップからの土地プレイが可能になる。
追加の土地セットではないので,マナ加速にはならないのが惜しい。ただ,ライブラリートップの土地をセット可能ということで,ある意味手札が1枚増えた状態になる。
白でアドバンテージをとれるカードは貴重なため,追加マナなしで継続的にアドバンテージをとれる可能性のあるこのカードはなかなか面白い。
ただ,相手より土地を少ない状態を維持しないと肝心の土地セットができないため,いずれ土地セットはできなくなる。
面白いカードではあるのだが,少々冗長過ぎる。まだ,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》や《護衛募集員/Recruiter of the Guard》のほうが使いやすいか。どちらも《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》をサーチできるので…
### 3. 《生命力の狩人/Vitality Hunter》
Vitality Hunter / 生命力の狩人 (3)(白)
クリーチャー — ナイトメア(Nightmare)
絆魂
(X)(白)(白):怪物化Xを行う。(このクリーチャーが怪物的でないなら、これの上に+1/+1カウンターをX個置く。これは怪物的になる。)
生命力の狩人が怪物的になったとき、クリーチャー最大X体を対象とし、それらの上に絆魂カウンターをそれぞれ1個置く。
3/4
4マナ3/4版魂で怪物化XWWを持つ。4マナ3/4絆魂だけだと,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》のほうが強い。ただ,怪物化があるので,最低でも5/6絆魂にはなれる。基本性能は悪くない。
ただ,4マナクリーチャーには,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》や《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》くらいの決定力がほしい。
やはり少々いまいちか。
### 4. 《空中対応員/Aerial Responder》
Aerial Responder / 空中対応員 (1)(白)(白)
クリーチャー — ドワーフ(Dwarf) 兵士(Soldier)
飛行、警戒、絆魂
2/3
カラデシュからの再録カードだ。《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》と似た性能のウィニークリーチャーとなっている。
どの能力も装備品などのサイズ強化能力と相性がいい。《セラの報復者/Serra Avenger》を昔愛用していたが,性能がどんどん近づいてきている。
MTG Wikiではクリーチャータイプに兵士があるので,レガシーの兵士デッキで採用されるケースもあるらしい。
ただ,3マナでたいした脅威にならないので,少々物足りないか。
### 5. 《報奨密偵/Bounty Agent》
Bounty Agent / 報奨密偵 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
警戒
(T),報奨密偵を生け贄に捧げる:アーティファクトかクリーチャーかエンチャントである伝説のパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
2/2
ラブニカのギルドからの再録カードだ。2/2警戒の基本性能に加え,タップ生贄で伝説のパーマネントを破壊できる。
第一印象で《キャパシェンの一角獣/Capashen Unicorn》を思い出した。白には《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》のような《解呪/Disenchant》持ちの生物がほぼいない。特にアーティファクトを処理できるクリーチャーが欠如している。
ぱっとみ白の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》かと期待したのだが,伝説のパーマネントという条件がついており,少々落胆した。せめて英雄的,プレインズウォーカーを処理できるのであれば範囲が広くて可能性があったのだが…
追放なら,《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》を処理することもできたのだが…いろいろ惜しい。
範囲が狭く使いどころが難しいカードだ。
### 6. 《敬虔な司祭/Devout Chaplain》
Devout Chaplain / 敬虔な司祭 (2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
(T),あなたがコントロールするアンタップ状態の人間(Human)2体をタップする:アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを追放する。
2/2
アヴァシンの帰還からの再録カードだ。
《報奨密偵/Bounty Agent》で白の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》でなくてがっかりしていたところで,続いてこのカードに目が止まった。
前述した通り,白の《解呪/Disenchant》持ちクリーチャーは数が少なく,せいぜい《キャパシェンの一角獣/Capashen Unicorn》,《誠実な証人/Devout Witness》,《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》くらいしかない。そこに新たな1枚が加わった。
都合クリーチャー3体のタップでアーティファクトかエンチャントを追放できる。
頭数はクリーチャートークンでなんとかできるとしても,召喚酔いが少々きびしい。確実性の高い《誠実な証人/Devout Witness》のほうがましではないか。
ただ,人間・クレリックという部族から,ヴィンテージのエルドラージ・ホワイトで,《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《封じ込める僧侶/Containment Priest》,《輝きの乗り手/Glowrider》あたりと組み合わせられる可能性がある。
エルドラージ・ホワイトでは《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《輝きの乗り手/Glowrider》などで,非クリーチャー呪文へのマナコスト増加 (課税) が基本行動になるため,クリーチャーでのエンチャント・アーティファクト除去が望ましい。そして,モックスをはじめ対処したいアーティファクトが多いので,繰り返し使用可能な《解呪/Disenchant》は強い。
本体の召喚酔いさえどうにかできれば,可能性はあるように感じた。
### 7, 《いつまでも共に/Together Forever》
Together Forever / いつまでも共に (白)(白)
エンチャント
いつまでも共にが戦場に出たとき、支援2を行う。(他のクリーチャー最大2体を対象とし、それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。)
(1):カウンターが置かれているクリーチャー1体を対象とする。このターン、そのクリーチャーが死亡したとき、そのカードをオーナーの手札に戻す。
バトルボンドからの再録カードだ。マイナーなカードセットからの再録で供給が増えて嬉しい。
ETBで支援2と死亡時に手札に戻すリアニメイト効果を持つ。
単体でも白白のパーマネントということで,信心を稼ぐのにうってつけのカードだ。
何かコンボの匂いのするカードだ。今は思いつかないが,今後何か新しいコンボが成立しそうな予感がする。
ただ,現状うまい活用方法が思いつかない。
### 8. 《謎めいた三葉虫/Cryptic Trilobite》
Cryptic Trilobite / 謎めいた三葉虫 (X)(X)
クリーチャー — 三葉虫(Trilobite)
謎めいた三葉虫は、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
謎めいた三葉虫の上から+1/+1カウンターを1個取り除く:(◇)(◇)を加える。このマナは、能力を起動するためにのみ使用できる。
(1),(T):謎めいた三葉虫の上に+1/+1カウンターを1個置く。
0/0
《搭載歩行機械/Hangarback Walker》に似たカードで,+1/+1カウンターの除去で起動型能力専用の2マナを生成する。
自己を強化する能力があるので,序盤に出して貯めることもできる。意外なことに,アーティファクトではない無色クリーチャーだ。
これまた《いつまでも共に/Together Forever》と同じくコンボ臭漂うカードだ。今後の研究に期待したい。
### 9. 《聖域の刃/Sanctuary Blade》
Sanctuary Blade / 聖域の刃 (2)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
聖域の刃がクリーチャーについた状態になるに際し、色を1色選ぶ。
装備しているクリーチャーは、+2/+0の修整を受け、プロテクション(その最後に選ばれた色)を持つ。
装備(3)
《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》に任意の色のプロテクションを付与できる。
マナコストが少々重いが,任意の色のプロテクションは強力な効果だ。《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》のような剣サイクルと比べると,汎用性が上がった代わりに性能が落ちた。
ただ,カードパワーがコストに比べて物足りない。
### 10. 《巣ごもりの地/Nesting Grounds》
Nesting Grounds / 巣ごもりの地
土地
(T):(◇)を加える。
(1),(T):あなたがコントロールしているパーマネント1つと、他のパーマネント1つを対象とする。その前者の上からカウンター1個を、その後者の上に移動する。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。
パーマネント上のカウンターを移動させることができる。インスタントタイミングで起動できれば,《霊気の薬瓶/AEther Vial》と《虚空の杯/Chalice of the Void》でコンボを組めたかもしれない。
ダイス・ファクトリーをレガシーで組む場合に役に立つかもしれない。
## 結論
統率者2020で気になる白のカードをレビューした。
統率者2020という特殊セットの都合,くせの強いカードが多かった。白としては,そこまで強いカードがなくて,白が統率者最弱というのもある意味納得のカード揃えだった。
実際ほしいカードもせいぜい《敬虔な司祭/Devout Chaplain》くらいだった。
イコリア:巨獣の棲処と同じくサイクリングをフィーチャーしていて,《波動機/Fluctuator》の再録や,《見捨てられた石棺/Abandoned Sarcophagus》が登場したが,白としては強いサイクリングカードがないので,いまいちに感じた。
統率者はプレイしていないのだが,全体除去やトークンで戦うようなカードが多く,受け身的で勝ち切るのが難しそうに感じた。
黎明期の《天秤/Balance》,《ハルマゲドン/Armageddon》,《神の怒り/Wrath of God》,《解呪/Disenchant》のようなパワーカードを白で新しく作るのは難しいかしらね…
イコリア:巨獣の棲処で期待のカードが登場したので,そちらの可能性を探っていきたい。
## 概要
2020-04-17 Fri発売の新しいカードセット「イコリア:巨獣の棲処」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/ikoria-lair-behemoths)が2020-04-10 Satに公開されたのでレビューする。
イコリア:巨獣の棲処のメカニズムとして,キーワード・カウンターと相棒が新しく登場した。どちらもゲームに大きな影響を与えるメカニズムだ。個人的にカードを眺めてとてもわくわくしたカードセットだった。
特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。
1. 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》
2. 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
3. 《希望の光/Light of Hope》
4. 《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》
5. 《スナップダックスの神話/Mythos of Snapdax》
6. 《雄々しい救出者/Valiant Rescuer》
7. 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
8. 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
## 評価
### 1. 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》
白の妨害能力持ちクリーチャーだ。手札以外からのキャストを封じ込める。範囲がかなり限定されており,かなりピンポイントな妨害能力だ。
墓地以外からのキャストでは,《神秘の炉/Mystic Forge》や《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel》のライブラリートップからのキャストが思いつく。
飛行で2/2くらいの基本性能ならメインからの採用も考えられるが,能力が少々限定的すぎて現時点では使いどころは難しく感じた。今後に期待したい。
### 2. 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
3マナ3/3で奇数か偶数のマナコストのプロテクションを持つクリーチャーだ。
3マナは,《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》,《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》,《秘教の十字軍/Mystic Crusader》などのプロテクション持ちクリーチャーがおり,そこに新たな仲間が加わった。
白のシングルシンボルでエルドラージ・ホワイトでも採用しやすく,3/3という基本サイズもありがたい。2/2先制攻撃よりかは3/3のほうが,打点が高く嬉しい場面が多い。
肝心のプロテクション能力も柔軟性が高く非常に使い勝手がいい。基本は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》,《稲妻/Lightning Bolt》,《致命的な一押し/Fatal Push》を回避するために奇数を指定するだろう。この他に,《罰する火/Punishing Fire》などに偶数を指定することがある。地味に,プロテクションの範囲にパーマネントや呪文の指定がないのが強く,偶数を指定すると0マナのクリーチャートークンや土地も回避できる。土地単の《罰する火/Punishing Fire》と《イス卿の迷路/Maze of Ith》を両方回避できるのは心強い。
自分の装備品との相性もやや悪いが,白として優良なクリーチャーだと感じた。3マナ域の基本クリーチャーになる可能性がある。
### 3. 《希望の光/Light of Hope》
4点ゲイン,エンチャント破壊,+1/+1カウンターの配置を選べる1マナインスタントだ。
能力としては,《希望の魔除け/Hope Charm》や《篤信の魔除け/Piety Charm》に近い。これらの魔除けは破壊できるのがオーラと限定的だったが,《希望の光/Light of Hope》はエンチャントとなり対象が広がった。+1/+1カウンターの配置もコンバットトリックとして使いやすい。
全体として使い勝手の良いカードだと思った。2番目の効果が《解呪/Disenchant》だとさすがに強すぎだろうか。
構築ではエンチャント破壊と+1/+1カウンターに可能性を感じる。例えば,《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》+《歩行バリスタ/Walking Ballista》のコンボで役に立つかもしれないと思った。
### 4. 《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》
白のゴジラカード枠のモスラだ。4マナ3/4飛行で飛行を持たない自陣クリーチャーの死亡時に,飛行を付与して復活させる効果を持つ。
4マナとしては3/4飛行は標準的になってきている。ちょうど,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》と役割が似ている。単体性能だけだとあちらのほうが絆魂を持つ分強い。
このカードの真価は下のリアニメイト効果だろう。発表されてすぐに《厳粛/Solemnity》とのコンボが指摘されている。
白の無限頑強のパーツとしては4枚コンボになってしまうため,少々イマイチだ。そもそも白はサクリ台に乏しい色のため難しい。何か飛行カウンターをうまく取り除くカードと組み合わせて,ビートよりの構成にするのがいいだろうか。
今後の研究に期待したいカードだ。
### 5. 《スナップダックスの神話/Mythos of Snapdax》
懐かしき《大変動/Cataclysm》の亜種だ。最近だと,《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》や《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk》のほうが近いか。
マナ拘束が厳しいが,白白黒赤でキャストできれば《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》になる。《大変動/Cataclysm》と異なり,土地を吹き飛ばせず,プレインズウォーカーも残ってしまうのが惜しい。が,残すカードをこちらが選べるのは悪くない。
もっとも,エターナル構築ではやはり土地を吹き飛ばせる《大変動/Cataclysm》に軍配が上がるだろう。
### 6. 《雄々しい救出者/Valiant Rescuer》
2マナ3/1のサイクリング2持ちクリーチャーで,1ターンに一度,サイクリング時に1/1兵士トークンを生成する。
《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》を彷彿とさせる能力だ。しかし,1ターンに一度という余計な縛りがあるのが惜しい。
サイクリングはコントロールよりの効果であり,構築ではサイクリングで能力が誘発するカード (《霊体の地滑り/Astral Slide》や《稲妻の裂け目/Lightning Rift》など) と組み合わせて初めて生きてくる。
イコリア:巨獣の棲処ではサイクリングもメカニズムとしてフィーチャーされている。
はるか昔のウルザブロックで誕生した《波動機/Fluctuator》リアニメイトの復活を期待彷彿とさせるが,はたしてどうなるのか。
今回取り上げなかった《繁栄の狐/Flourishing Fox》 (サイクリング時に+1/+1カウンターの乗る1マナクリーチャー) との組み合わせも感じられたが,肝となるこのクリーチャーに制限があることが惜しい。
現状エターナル構築ではいまいちだと思うが,今後の可能性に期待したい。
### 7, 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
イコリア:巨獣の棲処で新しく登場した相棒を持つクリーチャーだ。基本性能は3マナ3/2絆魂で,各ターンに一度墓地から2マナ以下のパーマネント呪文をキャストできる。
相棒を使う場合,デッキ内のパーマネントが2マナ以下となる。
まず,相棒という能力が強い。条件を満たせば,統率者のようにいつでも一度だけキャストできる。つまり,**初期手札が常に1枚増えている状態**となる。コンボとしては,必要なカードが1枚減るので非常に強力だ。
そして,このカードは相棒なしでも十分に強い。相棒は使えないが,ペプルスやアイアンワークス,サルベイジャーコンボあたりと相性が良いように感じた。
1ターンに一度しか使えないので,即死コンボは難しい。しかし,例えば《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble》や《歩行バリスタ/Walking Ballista》あたりを再利用して継続的にアドバンテージを取ることができる。
あるいは,何か明滅させたり,《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》を生け贄に捧げてリアニメイトするなどすれば,1ターンに一度の条件を突破できるのだろうか。もし可能ならば,新たな無限コンボの可能性を感じる。
相棒よりかは元の再利用能力が強力に感じた。
### 8. 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
イコリア:巨獣の棲処で一番注目しているカードだ。
3マナ3/3で起動型能力のマナコストを2減少させ,1マナタップでクリーチャー1体をブロックできなくする。これに加えて,デッキ内のパーマネントに起動型能力持ちを条件とした相棒を持っている。
《訓練場/Training Grounds》を内蔵しているカードだ。起動型能力のコストを増加させるカードには《抑制の場/Suppression Field》があったが,減少させるカードとしては白では初となる。
《ハートストーン/Heartstone》はクリーチャー限定で1マナしか減少させず,少々使いにくかった。しかし,このカードは「マナ能力以外」が条件のため,汎用性が高い。基本的には起動型能力のコスト減少が主用途になるだろう。
発表時から指摘されている,《厳かなモノリス/Grim Monolith》や《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》と2枚で無限マナコンボを形成する。極めつけなのは,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》が**相棒を持っていること**だ。
つまり,相棒の条件を満たせば《厳かなモノリス/Grim Monolith》か《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》の1枚を引けば無限マナコンボを達成できる。これは条件がかなり緩く,狙えば**3-4ターン目にほぼ確実にコンボを成立**できる。
白のコンボでここまで達成が容易なものはなかった。ただし,相棒を使う場合,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》が使えない欠点がある。そのため,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》の防御方法を考える必要がある。
この点に関しては,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》が適任に感じている。除去や打ち消し持ちの相手に対しては,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》から入り,コンボ始動直前に能力で相手の干渉を禁止できる。
3マナで少々重いのだが,単体でもフィニッシャーの《歩行バリスタ/Walking Ballista》をサーチできることと,基本性能も悪くなく,一度着地すればいつでも《沈黙/Silence》を打てるところが強い。
その他,除去に関しては昔ながらの《ルーンの母/Mother of Runes》,《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》,《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life’s Bounty》あたりを使う手もある。
[ヒロシさんの見解](https://k283hiro4.diarynote.jp/202004110817214580/)では,リベリオンには100 %ないとのことだったが,レベル以外であれば十分可能性があるように感じた。
そもそも無限マナコンボが決まるならば,レベルクリーチャーよりも《歩行バリスタ/Walking Ballista》や《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》,《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》で決めたほうがてっとりばよいだろう。
モノリス無限マナコンボの他に,既存のバリヘルコンボやサルベイジャーコンボとも相性がよい。
肝心の《厳かなモノリス/Grim Monolith》と《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》は*エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) と統率者*でしか使えないため,世間の注目度はいまいちかもしれない。しかし,白使いとしては《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》に続く,新たな無限コンボの成立であり,非常に期待している。
コンボパーツの《厳かなモノリス/Grim Monolith》は再録禁止であり,一時2万円まで高騰したことがある。現在は8000円程度と相場最安であり,今後急騰する可能性を感じたので,少々出費だが残り3枚を急遽購入した。
## 結論
テーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》による《歩行バリスタ/Walking Ballista》との無限コンボに続いて,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》と《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》か《厳かなモノリス/Grim Monolith》による無限コンボが成立した,**白として非常に期待できるカードセット**だった。
無限マナコンボについ目が奪われがちだが,*《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》と《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》も十分に強い*。何より,相棒やキーワード・カウンターのメカニズムが魅力的でわくわくするカードセットだった。
以下のカードは購入予定だ。
- 2-3枚: 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
- 1枚以上: 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
- 1枚以上: 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》には非常に期待している。あまりにも期待しているので,一番値上がりの可能性が高い《厳かなモノリス/Grim Monolith》を3枚追加で購入したくらいだ。
発売後には是非《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》を使った無限マナコンボを組んでみたい。相棒となる《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》や《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》の収集も進めたい。
*白は統率者で最弱*と噂されるほどの不遇の立場に置かれており,実際エターナル構築でもいまいちだった。しかし,ここにきてテーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》に続いて,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》により白の無限コンボが立て続けに2個も成立するようになった。
*白復活の兆し*が見えてきたように感じる。イコリア:巨獣の棲処発売後のメタゲームに注視したい。
2020-04-17 Fri発売の新しいカードセット「イコリア:巨獣の棲処」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/ikoria-lair-behemoths)が2020-04-10 Satに公開されたのでレビューする。
イコリア:巨獣の棲処のメカニズムとして,キーワード・カウンターと相棒が新しく登場した。どちらもゲームに大きな影響を与えるメカニズムだ。個人的にカードを眺めてとてもわくわくしたカードセットだった。
特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。
1. 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》
2. 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
3. 《希望の光/Light of Hope》
4. 《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》
5. 《スナップダックスの神話/Mythos of Snapdax》
6. 《雄々しい救出者/Valiant Rescuer》
7. 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
8. 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
## 評価
### 1. 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》
Drannith Magistrate {1}{W}
Creature — Human Wizard
Your opponents can’t cast spells from anywhere other than their hands.
1/3
白の妨害能力持ちクリーチャーだ。手札以外からのキャストを封じ込める。範囲がかなり限定されており,かなりピンポイントな妨害能力だ。
墓地以外からのキャストでは,《神秘の炉/Mystic Forge》や《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel》のライブラリートップからのキャストが思いつく。
飛行で2/2くらいの基本性能ならメインからの採用も考えられるが,能力が少々限定的すぎて現時点では使いどころは難しく感じた。今後に期待したい。
### 2. 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
Lavabrink Venturer {2}{W}
Creature — Human Soldier
As Lavabrink Venturer enters the battlefield, choose odd or even. (Zero is even.)
Lavabrink Venturer has protection from each converted mana cost of the chosen value.
3/3
3マナ3/3で奇数か偶数のマナコストのプロテクションを持つクリーチャーだ。
3マナは,《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》,《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》,《秘教の十字軍/Mystic Crusader》などのプロテクション持ちクリーチャーがおり,そこに新たな仲間が加わった。
白のシングルシンボルでエルドラージ・ホワイトでも採用しやすく,3/3という基本サイズもありがたい。2/2先制攻撃よりかは3/3のほうが,打点が高く嬉しい場面が多い。
肝心のプロテクション能力も柔軟性が高く非常に使い勝手がいい。基本は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》,《稲妻/Lightning Bolt》,《致命的な一押し/Fatal Push》を回避するために奇数を指定するだろう。この他に,《罰する火/Punishing Fire》などに偶数を指定することがある。地味に,プロテクションの範囲にパーマネントや呪文の指定がないのが強く,偶数を指定すると0マナのクリーチャートークンや土地も回避できる。土地単の《罰する火/Punishing Fire》と《イス卿の迷路/Maze of Ith》を両方回避できるのは心強い。
自分の装備品との相性もやや悪いが,白として優良なクリーチャーだと感じた。3マナ域の基本クリーチャーになる可能性がある。
### 3. 《希望の光/Light of Hope》
Light of Hope {W}
Instant
Choose one —
• You gain 4 life.
• Destroy target enchantment.
• Put a +1/+1 counter on target creature.
4点ゲイン,エンチャント破壊,+1/+1カウンターの配置を選べる1マナインスタントだ。
能力としては,《希望の魔除け/Hope Charm》や《篤信の魔除け/Piety Charm》に近い。これらの魔除けは破壊できるのがオーラと限定的だったが,《希望の光/Light of Hope》はエンチャントとなり対象が広がった。+1/+1カウンターの配置もコンバットトリックとして使いやすい。
全体として使い勝手の良いカードだと思った。2番目の効果が《解呪/Disenchant》だとさすがに強すぎだろうか。
構築ではエンチャント破壊と+1/+1カウンターに可能性を感じる。例えば,《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》+《歩行バリスタ/Walking Ballista》のコンボで役に立つかもしれないと思った。
### 4. 《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》
Luminous Broodmoth {2}{W}{W}
Creature — Insect
Flying
Whenever a creature you control without flying dies, return it to the battlefield under its owner’s control with a flying counter on it.
3/4
白のゴジラカード枠のモスラだ。4マナ3/4飛行で飛行を持たない自陣クリーチャーの死亡時に,飛行を付与して復活させる効果を持つ。
4マナとしては3/4飛行は標準的になってきている。ちょうど,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》と役割が似ている。単体性能だけだとあちらのほうが絆魂を持つ分強い。
このカードの真価は下のリアニメイト効果だろう。発表されてすぐに《厳粛/Solemnity》とのコンボが指摘されている。
白の無限頑強のパーツとしては4枚コンボになってしまうため,少々イマイチだ。そもそも白はサクリ台に乏しい色のため難しい。何か飛行カウンターをうまく取り除くカードと組み合わせて,ビートよりの構成にするのがいいだろうか。
今後の研究に期待したいカードだ。
### 5. 《スナップダックスの神話/Mythos of Snapdax》
Mythos of Snapdax {2}{W}{W}
Sorcery
Each player chooses an artifact, a creature, an enchantment, and a planeswalker from among the nonland permanents they control, then sacrifices the rest. If {B}{R} was spent to cast this spell, you choose the permanents for each player instead.
懐かしき《大変動/Cataclysm》の亜種だ。最近だと,《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》や《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk》のほうが近いか。
マナ拘束が厳しいが,白白黒赤でキャストできれば《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》になる。《大変動/Cataclysm》と異なり,土地を吹き飛ばせず,プレインズウォーカーも残ってしまうのが惜しい。が,残すカードをこちらが選べるのは悪くない。
もっとも,エターナル構築ではやはり土地を吹き飛ばせる《大変動/Cataclysm》に軍配が上がるだろう。
### 6. 《雄々しい救出者/Valiant Rescuer》
Valiant Rescuer {1}{W}
Creature — Human Soldier
Whenever you cycle another card for the first time each turn, create a 1/1 white Human Soldier creature token.
Cycling {2} ({2}, Discard this card: Draw a card.)
3/1
2マナ3/1のサイクリング2持ちクリーチャーで,1ターンに一度,サイクリング時に1/1兵士トークンを生成する。
《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》を彷彿とさせる能力だ。しかし,1ターンに一度という余計な縛りがあるのが惜しい。
サイクリングはコントロールよりの効果であり,構築ではサイクリングで能力が誘発するカード (《霊体の地滑り/Astral Slide》や《稲妻の裂け目/Lightning Rift》など) と組み合わせて初めて生きてくる。
イコリア:巨獣の棲処ではサイクリングもメカニズムとしてフィーチャーされている。
はるか昔のウルザブロックで誕生した《波動機/Fluctuator》リアニメイトの復活を期待彷彿とさせるが,はたしてどうなるのか。
今回取り上げなかった《繁栄の狐/Flourishing Fox》 (サイクリング時に+1/+1カウンターの乗る1マナクリーチャー) との組み合わせも感じられたが,肝となるこのクリーチャーに制限があることが惜しい。
現状エターナル構築ではいまいちだと思うが,今後の可能性に期待したい。
### 7, 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
Lurrus of the Dream-Den {1}{W/B}{W/B}
Legendary Creature — Cat Nightmare
Companion — Each permanent card in your starting deck has converted mana cost 2 or less. (If this card is your chosen companion, you may cast it once from outside the game.)
Lifelink
During each of your turns, you may cast one permanent spell with converted mana cost 2 or less from your graveyard.
3/2
イコリア:巨獣の棲処で新しく登場した相棒を持つクリーチャーだ。基本性能は3マナ3/2絆魂で,各ターンに一度墓地から2マナ以下のパーマネント呪文をキャストできる。
相棒を使う場合,デッキ内のパーマネントが2マナ以下となる。
まず,相棒という能力が強い。条件を満たせば,統率者のようにいつでも一度だけキャストできる。つまり,**初期手札が常に1枚増えている状態**となる。コンボとしては,必要なカードが1枚減るので非常に強力だ。
そして,このカードは相棒なしでも十分に強い。相棒は使えないが,ペプルスやアイアンワークス,サルベイジャーコンボあたりと相性が良いように感じた。
1ターンに一度しか使えないので,即死コンボは難しい。しかし,例えば《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble》や《歩行バリスタ/Walking Ballista》あたりを再利用して継続的にアドバンテージを取ることができる。
あるいは,何か明滅させたり,《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》を生け贄に捧げてリアニメイトするなどすれば,1ターンに一度の条件を突破できるのだろうか。もし可能ならば,新たな無限コンボの可能性を感じる。
相棒よりかは元の再利用能力が強力に感じた。
### 8. 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
Zirda, the Dawnwaker {1}{R/W}{R/W}
Legendary Creature — Elemental Fox
Companion — Each permanent card in your starting deck has an activated ability. (If this card is your chosen companion, you may cast it once from outside the game.)
Abilities you activate that aren’t mana abilities cost {2} less to activate. This effect can’t reduce the mana in that cost to less than one mana.
{1}, {T}: Target creature can’t block this turn.
3/3
イコリア:巨獣の棲処で一番注目しているカードだ。
3マナ3/3で起動型能力のマナコストを2減少させ,1マナタップでクリーチャー1体をブロックできなくする。これに加えて,デッキ内のパーマネントに起動型能力持ちを条件とした相棒を持っている。
《訓練場/Training Grounds》を内蔵しているカードだ。起動型能力のコストを増加させるカードには《抑制の場/Suppression Field》があったが,減少させるカードとしては白では初となる。
《ハートストーン/Heartstone》はクリーチャー限定で1マナしか減少させず,少々使いにくかった。しかし,このカードは「マナ能力以外」が条件のため,汎用性が高い。基本的には起動型能力のコスト減少が主用途になるだろう。
発表時から指摘されている,《厳かなモノリス/Grim Monolith》や《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》と2枚で無限マナコンボを形成する。極めつけなのは,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》が**相棒を持っていること**だ。
つまり,相棒の条件を満たせば《厳かなモノリス/Grim Monolith》か《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》の1枚を引けば無限マナコンボを達成できる。これは条件がかなり緩く,狙えば**3-4ターン目にほぼ確実にコンボを成立**できる。
白のコンボでここまで達成が容易なものはなかった。ただし,相棒を使う場合,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》が使えない欠点がある。そのため,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》の防御方法を考える必要がある。
この点に関しては,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》が適任に感じている。除去や打ち消し持ちの相手に対しては,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》から入り,コンボ始動直前に能力で相手の干渉を禁止できる。
3マナで少々重いのだが,単体でもフィニッシャーの《歩行バリスタ/Walking Ballista》をサーチできることと,基本性能も悪くなく,一度着地すればいつでも《沈黙/Silence》を打てるところが強い。
その他,除去に関しては昔ながらの《ルーンの母/Mother of Runes》,《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》,《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life’s Bounty》あたりを使う手もある。
[ヒロシさんの見解](https://k283hiro4.diarynote.jp/202004110817214580/)では,リベリオンには100 %ないとのことだったが,レベル以外であれば十分可能性があるように感じた。
そもそも無限マナコンボが決まるならば,レベルクリーチャーよりも《歩行バリスタ/Walking Ballista》や《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》,《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》で決めたほうがてっとりばよいだろう。
モノリス無限マナコンボの他に,既存のバリヘルコンボやサルベイジャーコンボとも相性がよい。
肝心の《厳かなモノリス/Grim Monolith》と《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》は*エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) と統率者*でしか使えないため,世間の注目度はいまいちかもしれない。しかし,白使いとしては《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》に続く,新たな無限コンボの成立であり,非常に期待している。
コンボパーツの《厳かなモノリス/Grim Monolith》は再録禁止であり,一時2万円まで高騰したことがある。現在は8000円程度と相場最安であり,今後急騰する可能性を感じたので,少々出費だが残り3枚を急遽購入した。
## 結論
テーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》による《歩行バリスタ/Walking Ballista》との無限コンボに続いて,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》と《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》か《厳かなモノリス/Grim Monolith》による無限コンボが成立した,**白として非常に期待できるカードセット**だった。
無限マナコンボについ目が奪われがちだが,*《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》と《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》も十分に強い*。何より,相棒やキーワード・カウンターのメカニズムが魅力的でわくわくするカードセットだった。
以下のカードは購入予定だ。
- 2-3枚: 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
- 1枚以上: 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
- 1枚以上: 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》には非常に期待している。あまりにも期待しているので,一番値上がりの可能性が高い《厳かなモノリス/Grim Monolith》を3枚追加で購入したくらいだ。
発売後には是非《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》を使った無限マナコンボを組んでみたい。相棒となる《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》や《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》の収集も進めたい。
*白は統率者で最弱*と噂されるほどの不遇の立場に置かれており,実際エターナル構築でもいまいちだった。しかし,ここにきてテーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》に続いて,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》により白の無限コンボが立て続けに2個も成立するようになった。
*白復活の兆し*が見えてきたように感じる。イコリア:巨獣の棲処発売後のメタゲームに注視したい。
## 概要
2020-01-24 Fri発売の新しいカードセット「[テーロス還魂記](https://magic.wizards.com/ja/products/TherosBeyondDeath)」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/theros-beyond-death)が2020-01-11 Satに公開された。
自分がMTG休止中に発売されたテーロスと同じ次元が舞台のカードセットであり,エンチャントにフォーカスが当たったカードセットだ。
2019年はエターナル環境に多大な影響を与えたカードセットが続々発売された一方,白使いとしてはたいした新戦力を獲得できず,冬の時代の1年だったように感じた。
しかし,今回のテーロス還魂記には久々となる白の瞬殺2枚コンボを成立させるカードが収録され,2020年に期待を持てる始まりとなった。
特に白のエターナル環境で注目している以下のカードをレビューする。
1. 太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace
2. メレティス誕生/The Birth of Meletis
3. 障害の幻霊/Eidolon of Obstruction
4. エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death
5. 太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun’s Nemesis
6. 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
7. ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention
8. 牧歌的な教示者/Idyllic Tutor
9. 卓絶した特使/Transcendent Envoy
## 評価
### 太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace
単純に4マナ3/4飛行絆魂は強い。《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》のタフネスが4ならばと思うことがあったが,とうとう登場した。
タフネス4でデルバー・青赤の《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》と主要火力である《稲妻/Lightning Bolt》に耐えられ,絆魂でライフで優位に立てる。
星座能力もエンチャントのプレイで2/2飛行トークンを生成と強力だ。もっとも,エターナル環境ではエンチャントはなかなか採用されないため,こちらは少々工夫が必要となる。
《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》や《修復の天使/Restoration Angel》などと共に,今後の白の中堅クリーチャーの選択肢の1枚となる優良クリーチャーだ。
### メレティス誕生/The Birth of Meletis
今回のカードの中で2番目に注目しているカードだ。プレイで基本土地サーチ,0/4壁生成,2点のライフゲインと地味な能力ではある。キャントリップ持ちの《前兆の壁/Wall of Omens》と性質がよく似たカードだ。
プレインズウォーカーのキャストのためのマナ確保と,それまでの時間稼ぎとして役に立ちそうだ。
こちらは英雄碑であり能動的にキャストしていけること,自分から墓地に落ちてくれるところがポイントとなる。モダンホライゾンで《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》が登場したが,肝心の自分から能動的に墓地に落ちるエンチャントがあまりないため,そこまで使われていない。
デッキ内エンチャントのかさ増しとして基本の1枚になりえるカードに感じた。
この後に評価する太陽冠のヘリオッドとも相性のいいカードだ。3番目の2点ゲインでヘリオッドの能力が誘発して,最低限生成した壁を強化できるのもポイントが高い。
### 障害の幻霊/Eidolon of Obstruction
2/1先制攻撃でプレインズウォーカーの忠誠度能力に追加の1マナを要求するエンチャント・クリーチャーだ。
待望のプレインズウォーカー対策クリーチャーではあるが,たった1マナの課税で少々能力が弱く感じる。これなら能力を禁止できる《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》のほうが強く感じる。
いっそのことお互いの忠誠度能力の禁止でよかったのでは感じる。今後の白のPW対策カードに期待したい。
### エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death
アドバンテージのとれる英雄碑だ。1番目の能力で戦場の脅威を除去し,3番目の能力でクリーチャーかPWをリアニメイトする。
2番目の2マナの課税能力はこのカードをキャストするゲーム中盤〜終盤ではあまり意味がないように感じる。
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でのサーチ対象にはなりえるが,5マナと少々重く,扱いがやや難しく感じた。
### 太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun’s Nemesis
テーロス還魂記の主人公的存在の新しいエルズペスだ。おそらく初の脱出持ちのPWだ。脱出前提ということで忠誠度能力は全てマイナスとなっている。
クリーチャー強化,トークン生成,ライフゲインとどれも地味な能力となっている。トークン生成では,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《慈悲深きセラ/Serra the Benevolent》が基準となるため,少々弱く感じる。
脱出で再利用できるものの,肝心のベース能力が1/1トークン2体の生成がメインであり,エターナル環境では少々厳しく感じる。
### 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
今回のカードセットで1番の注目カードだ。
白への信心が5以上でクリーチャーとなる5/5破壊不能のエンチャント・クリーチャーだ。ライフゲイン時に+1/+1カウンターをクリーチャーに設置でき,1Wで絆魂を付与できる。クリーチャー化できなくても,自身の能力だけである程度完結している。
単体でもソウルシスターズと相性のいいカードではあるが,これだけだとそこまで注目していなかった。《歩行バリスタ/Walking Ballista》との2枚瞬殺コンボ (バリヘルコンボ) を形成でき,カードの評価が一気に上がるカードだ。
《歩行バリスタ/Walking Ballista》をX=2でキャストし,絆魂を付与してから,能力でダメージを与えると,太陽冠のヘリオッドの効果でライフゲイン時に+1/+1カウンターを設置でき,無限ダメージ無限ライフを実現する。
実用的な瞬殺コンボの条件としては以下の3の条件が重要になる。
1. コンボ成立マナ
2. コンボ成立枚数
3. 単体のカードパワー
バリヘルコンボは一度に決めようとなると9マナかかる。が,分割して支払ったり,何らかの方法で《歩行バリスタ/Walking Ballista》のサイズを上げることができれば,コンボ成立時には絆魂を付与する1Wマナで済む。
2枚コンボであり,どちらのカードも《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でサーチでき,《歩行バリスタ/Walking Ballista》に至っては《護衛募集員/Recruiter of the Guard》,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》でもサーチ可能である。
単体のカードパワーとしては,《歩行バリスタ/Walking Ballista》は単体でも十分使われるカードだ。太陽冠のヘリオッド自体はそこまでだが,破壊不能の能力で先置きの安心感があり,能力がある程度自己で完結しており,ビート系デッキに採用できるカードだ。
以上のように,バリヘルコンボはこれらの3条件を満たしており,実用的なコンボだ。テーロス還魂記の発売直後にパイオニアがメインのマジック・フェストが開催されることもあり,《歩行バリスタ/Walking Ballista》と太陽冠のヘリオッドの高騰が予想される。
パイオニアでは正直今後どちらかが禁止される可能性が高いので,発売後値段が落ち着いた段階で購入を検討したい。
### ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention
XWWの《解呪/Disenchant》にライフゲインのモードを選べるようになったものだ。X=1で使う場合,《解呪/Disenchant》の下位互換になってしまうが,X=2以上でキャストできれば,《塵への帰結/Return to Dust》相当以上であり,悪くない。
エンチャント・アーティファクトの大量破壊では,《静寂/Serenity》のほうが軽い。自分の置物を巻き込みたくないストンピィ系,コントロールデッキのサイドボードとして可能性がある。
### 牧歌的な教示者/Idyllic Tutor
モーニングタイドからの待望の再録となる。何の需要だったのか不明だが,地味に値段が1枚1500円程度と高騰していたため,再録で供給が増えて値下がりしてよかった。
ただ序盤にサーチしたいならば,《悟りの教示者/Enlightened Tutor》のほうが軽い。《悟りの教示者/Enlightened Tutor》の追加として,《オパール色の輝き/Opalescence》系デッキで採用されるだろうか。
今後強力なエンチャントが登場すると価値が高まる可能性のあるカードではある。
### 卓絶した特使/Transcendent Envoy
1W 1/2飛行でオーラのキャストを1減少させる。オーラ絡みのコンボの可能性を感じるカードではある。
ただし,無色のオーラは《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》しかなく,ストーム的な使い方が難しい。
そもそも,オーラはアドバンテージやテンポを失う可能性が高く,扱いが難しいメカニズムだ。
## 結論
久しぶりの白の瞬殺2枚コンボを成立させる「太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned」が登場し,その他にも「太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace」や「メレティス誕生/The Birth of Meletis」など白が強化されるカードセットだった。
以下のカードは購入予定だ。
- 3枚: 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
- 4枚: メレティス誕生/The Birth of Meletis
複数の勝利パターンを用意して,対策しにくくすることが最近のコンボデッキの流行であり,勝利へのポイントとなっている。
その点,バリヘルコンボは単体でそれなりのカードパワー同士の2枚コンボであり,通常のビートデッキに採用しやすいので,可能性を感じる。
正直,《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》が環境を支配して,盤面を構築するのが面倒くさくなってきている。バリヘルコンボのように,ペインターやヘルムピースのような瞬殺2枚コンボデッキを使ったほうがいいような気がしてきている。
新セットの発売と発売後のメタゲーム環境の変動に注目したい。
2020-01-24 Fri発売の新しいカードセット「[テーロス還魂記](https://magic.wizards.com/ja/products/TherosBeyondDeath)」の[全カードリスト](https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/card-image-gallery/theros-beyond-death)が2020-01-11 Satに公開された。
自分がMTG休止中に発売されたテーロスと同じ次元が舞台のカードセットであり,エンチャントにフォーカスが当たったカードセットだ。
2019年はエターナル環境に多大な影響を与えたカードセットが続々発売された一方,白使いとしてはたいした新戦力を獲得できず,冬の時代の1年だったように感じた。
しかし,今回のテーロス還魂記には久々となる白の瞬殺2枚コンボを成立させるカードが収録され,2020年に期待を持てる始まりとなった。
特に白のエターナル環境で注目している以下のカードをレビューする。
1. 太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace
2. メレティス誕生/The Birth of Meletis
3. 障害の幻霊/Eidolon of Obstruction
4. エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death
5. 太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun’s Nemesis
6. 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
7. ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention
8. 牧歌的な教示者/Idyllic Tutor
9. 卓絶した特使/Transcendent Envoy
## 評価
### 太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace
Archon of Sun’s Grace {2}{W}{W}
Creature — Archon
Flying, lifelink
Pegasus creatures you control have lifelink.
Constellation — Whenever an enchantment enters the battlefield under your control, create a 2/2 white Pegasus creature token with flying.
3/4
単純に4マナ3/4飛行絆魂は強い。《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》のタフネスが4ならばと思うことがあったが,とうとう登場した。
タフネス4でデルバー・青赤の《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》と主要火力である《稲妻/Lightning Bolt》に耐えられ,絆魂でライフで優位に立てる。
星座能力もエンチャントのプレイで2/2飛行トークンを生成と強力だ。もっとも,エターナル環境ではエンチャントはなかなか採用されないため,こちらは少々工夫が必要となる。
《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》や《修復の天使/Restoration Angel》などと共に,今後の白の中堅クリーチャーの選択肢の1枚となる優良クリーチャーだ。
### メレティス誕生/The Birth of Meletis
The Birth of Meletis {1}{W}
Enchantment — Saga
(As this Saga enters and after your draw step, add a lore counter. Sacrifice after III.)
I — Search your library for a basic Plains card, reveal it, put it into your hand, then shuffle your library.
II — Create a 0/4 colorless Wall artifact creature token with defender.
III — You gain 2 life.
今回のカードの中で2番目に注目しているカードだ。プレイで基本土地サーチ,0/4壁生成,2点のライフゲインと地味な能力ではある。キャントリップ持ちの《前兆の壁/Wall of Omens》と性質がよく似たカードだ。
プレインズウォーカーのキャストのためのマナ確保と,それまでの時間稼ぎとして役に立ちそうだ。
こちらは英雄碑であり能動的にキャストしていけること,自分から墓地に落ちてくれるところがポイントとなる。モダンホライゾンで《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》が登場したが,肝心の自分から能動的に墓地に落ちるエンチャントがあまりないため,そこまで使われていない。
デッキ内エンチャントのかさ増しとして基本の1枚になりえるカードに感じた。
この後に評価する太陽冠のヘリオッドとも相性のいいカードだ。3番目の2点ゲインでヘリオッドの能力が誘発して,最低限生成した壁を強化できるのもポイントが高い。
### 障害の幻霊/Eidolon of Obstruction
Eidolon of Obstruction {1}{W}
Enchantment Creature — Spirit
First strike
Loyalty abilities of planeswalkers your opponents control cost {1} more to activate.
Death turned admirable conviction into pointless intransigence.
2/1先制攻撃でプレインズウォーカーの忠誠度能力に追加の1マナを要求するエンチャント・クリーチャーだ。
待望のプレインズウォーカー対策クリーチャーではあるが,たった1マナの課税で少々能力が弱く感じる。これなら能力を禁止できる《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》のほうが強く感じる。
いっそのことお互いの忠誠度能力の禁止でよかったのでは感じる。今後の白のPW対策カードに期待したい。
### エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death
Elspeth Conquers Death {3}{W}{W}
Enchantment — Saga
I - Exile target permanent an opponent controls with converted mana cost 3 or greater.
II - Noncreature spells your opponents cast cost {2} more to cast until your next turn.
III - Return target creature or planeswalker card from your graveyard to the battlefield. Put a +1/+1 counter or a loyalty counter on it.
アドバンテージのとれる英雄碑だ。1番目の能力で戦場の脅威を除去し,3番目の能力でクリーチャーかPWをリアニメイトする。
2番目の2マナの課税能力はこのカードをキャストするゲーム中盤〜終盤ではあまり意味がないように感じる。
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でのサーチ対象にはなりえるが,5マナと少々重く,扱いがやや難しく感じた。
### 太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun’s Nemesis
Elspeth, Sun’s Nemesis {2}{W}{W}
Legendary Planeswalker — Elspeth
−1: Up to two target creatures you control each get +2/+1 until end of turn.
−2: Create two 1/1 white Human Soldier creature tokens.
−3: You gain 5 life.
Escape—{4}{W}{W}, Exile four other cards from your graveyard. (You may cast this card from your graveyard for its escape cost.)
Loyalty: 5
テーロス還魂記の主人公的存在の新しいエルズペスだ。おそらく初の脱出持ちのPWだ。脱出前提ということで忠誠度能力は全てマイナスとなっている。
クリーチャー強化,トークン生成,ライフゲインとどれも地味な能力となっている。トークン生成では,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《慈悲深きセラ/Serra the Benevolent》が基準となるため,少々弱く感じる。
脱出で再利用できるものの,肝心のベース能力が1/1トークン2体の生成がメインであり,エターナル環境では少々厳しく感じる。
### 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
Heliod, Sun-Crowned {2}{W}
Legendary Enchantment Creature — God
Indestructible
As long as your devotion to white is less than five, Heliod isn’t a creature.
Whenever you gain life, put a +1/+1 counter on target creature or enchantment you control.
{1}{W}: Another target creature gains lifelink until end of turn.
5/5
今回のカードセットで1番の注目カードだ。
白への信心が5以上でクリーチャーとなる5/5破壊不能のエンチャント・クリーチャーだ。ライフゲイン時に+1/+1カウンターをクリーチャーに設置でき,1Wで絆魂を付与できる。クリーチャー化できなくても,自身の能力だけである程度完結している。
単体でもソウルシスターズと相性のいいカードではあるが,これだけだとそこまで注目していなかった。《歩行バリスタ/Walking Ballista》との2枚瞬殺コンボ (バリヘルコンボ) を形成でき,カードの評価が一気に上がるカードだ。
《歩行バリスタ/Walking Ballista》をX=2でキャストし,絆魂を付与してから,能力でダメージを与えると,太陽冠のヘリオッドの効果でライフゲイン時に+1/+1カウンターを設置でき,無限ダメージ無限ライフを実現する。
実用的な瞬殺コンボの条件としては以下の3の条件が重要になる。
1. コンボ成立マナ
2. コンボ成立枚数
3. 単体のカードパワー
バリヘルコンボは一度に決めようとなると9マナかかる。が,分割して支払ったり,何らかの方法で《歩行バリスタ/Walking Ballista》のサイズを上げることができれば,コンボ成立時には絆魂を付与する1Wマナで済む。
2枚コンボであり,どちらのカードも《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でサーチでき,《歩行バリスタ/Walking Ballista》に至っては《護衛募集員/Recruiter of the Guard》,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》でもサーチ可能である。
単体のカードパワーとしては,《歩行バリスタ/Walking Ballista》は単体でも十分使われるカードだ。太陽冠のヘリオッド自体はそこまでだが,破壊不能の能力で先置きの安心感があり,能力がある程度自己で完結しており,ビート系デッキに採用できるカードだ。
以上のように,バリヘルコンボはこれらの3条件を満たしており,実用的なコンボだ。テーロス還魂記の発売直後にパイオニアがメインのマジック・フェストが開催されることもあり,《歩行バリスタ/Walking Ballista》と太陽冠のヘリオッドの高騰が予想される。
パイオニアでは正直今後どちらかが禁止される可能性が高いので,発売後値段が落ち着いた段階で購入を検討したい。
### ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention
Heliod’s Intervention {X}{W}{W}
Instant
Choose one —
• Destroy X target artifacts and/or enchantments.
• Target player gains twice X life.
XWWの《解呪/Disenchant》にライフゲインのモードを選べるようになったものだ。X=1で使う場合,《解呪/Disenchant》の下位互換になってしまうが,X=2以上でキャストできれば,《塵への帰結/Return to Dust》相当以上であり,悪くない。
エンチャント・アーティファクトの大量破壊では,《静寂/Serenity》のほうが軽い。自分の置物を巻き込みたくないストンピィ系,コントロールデッキのサイドボードとして可能性がある。
### 牧歌的な教示者/Idyllic Tutor
Idyllic Tutor / 牧歌的な教示者 (2)(白)
ソーサリー
あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、それを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
モーニングタイドからの待望の再録となる。何の需要だったのか不明だが,地味に値段が1枚1500円程度と高騰していたため,再録で供給が増えて値下がりしてよかった。
ただ序盤にサーチしたいならば,《悟りの教示者/Enlightened Tutor》のほうが軽い。《悟りの教示者/Enlightened Tutor》の追加として,《オパール色の輝き/Opalescence》系デッキで採用されるだろうか。
今後強力なエンチャントが登場すると価値が高まる可能性のあるカードではある。
### 卓絶した特使/Transcendent Envoy
Transcendent Envoy {1}{W}
Enchantment Creature — Griffin
Flying
Aura spells you cast cost {1} less to cast.
1W 1/2飛行でオーラのキャストを1減少させる。オーラ絡みのコンボの可能性を感じるカードではある。
ただし,無色のオーラは《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》しかなく,ストーム的な使い方が難しい。
そもそも,オーラはアドバンテージやテンポを失う可能性が高く,扱いが難しいメカニズムだ。
## 結論
久しぶりの白の瞬殺2枚コンボを成立させる「太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned」が登場し,その他にも「太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace」や「メレティス誕生/The Birth of Meletis」など白が強化されるカードセットだった。
以下のカードは購入予定だ。
- 3枚: 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
- 4枚: メレティス誕生/The Birth of Meletis
複数の勝利パターンを用意して,対策しにくくすることが最近のコンボデッキの流行であり,勝利へのポイントとなっている。
その点,バリヘルコンボは単体でそれなりのカードパワー同士の2枚コンボであり,通常のビートデッキに採用しやすいので,可能性を感じる。
正直,《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》が環境を支配して,盤面を構築するのが面倒くさくなってきている。バリヘルコンボのように,ペインターやヘルムピースのような瞬殺2枚コンボデッキを使ったほうがいいような気がしてきている。
新セットの発売と発売後のメタゲーム環境の変動に注目したい。
カード評価 エルドレインの王権 | 物語調で単色重視のカードセット
2019年9月22日 review## 概要
2019-10-03 Fri発売の新しいカードセット「[エルドレインの王権](https://mtg-jp.com/products/0000184/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000184/)が2019-09-21 Satに公開された。
童話をモチーフにしたカードセットとなっており,カード全体が物語調でいかにもファンタジーの世界な内容となっている。
白のレガシープレイヤーとして,気になった以下のカードをレビューする。
- 白
- 静寂をもたらすもの/Hushbringer
- 立派な騎士/Worthy Knight
- 調和のアルコン/Harmonious Archon
- ガラスの棺/Glass Casket
- アーティファクト
- ジンジャーブルート/Gingerbrute
- 石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
- 跳ね橋/Crashing Drawbridge
- 再録カード
- 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
IME辞書はまだ公開されていないが,タイミングがちょうどいいのでこのタイミングでカード評価を行う。
なお,カード検索には「[Scryfall Magic: The Gathering Search](https://scryfall.com/)」を使う。こちらのほうが,最新カードへの対応も早く,Whisperではなぜかヒットしないカードもちゃんとヒットするので,カードの調査にはお薦めだ。ただし,エルドレインの王権の日本語データはまだ反映されていない。
## 白
### 静寂をもたらすもの/Hushbringer
エルドレインの王権での個人的に一番の注目カードだ。
プレイ時の誘発効果と死亡時の誘発効果を禁止するカードだ。
[《倦怠の宝珠/Torpor Orb》](http://mtgwiki.com/wiki/%E5%80%A6%E6%80%A0%E3%81%AE%E5%AE%9D%E7%8F%A0/Torpor_Orb)を内蔵したクリーチャーといえる。同じ用途では,過去に以下の2種類のカードが登場している。
- 《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
- 《静翼のグリフ/Hushwing Gryff》
これらと違い,タフネスが2あり,飛行で戦力になるというところが大きな違いだ。《護衛募集員/Recruiter of the Guard》でサーチ可能なのもポイントが高い。
これでパワーが2あれば文句なしだったのだが…
統率者2019で《運命の巻物/Scroll of Fate》も登場しており,白でドレッドノートを組むのもありなのかもしれない。
### 立派な騎士/Worthy Knight
騎士呪文をキャストすると,1/1の白の人間トークンを生成する。《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》に近いカードだ。
エルドレインの王権の白は騎士カードを推しのようだ。
騎士カードでは,《模範の騎士/Knight Exemplar》,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》など,強いカードもあるにはある。しかし,出てくるトークンが騎士ではなく,ロードの恩恵を受けられないことと,1マナでアドバンテージを失わない騎士はそうないことから,なかなか活用が難しいのではないかと思っている。
結局,単体である程度仕事できるか,《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》のように,アドバンテージを失わずに,1-2マナで効果を連打できないとこの手のカードは難しいのではないかと感じる。
なお,《模範の騎士/Knight Exemplar》は早速200円から800円に値上がりしているようだ。
### 調和のアルコン/Harmonious Archon
《畏敬の神格/Godhead of Awe》に似ているが,こちらは基本のパワー/タフネスが3/3であり,プレイ時に1/1トークンを2体生成する。実質的に1枚で4/5飛行と3/3トークンを2体展開でき,さすがに強い。
ただし,同じことをしようとすると,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》や《先駆のゴーレム/Precursor Golem》のほうが軽くてお手軽だ。
トークンデッキの強化兼フィニッシャーとして悪くはないと感じた。
### ガラスの棺/Glass Casket
3マナ以下のクリーチャーへの一時除去であり,《未達への旅/Journey to Nowhere》の下位互換で,《絹の網/Silk Net》のアーティファクト版だ。ただし,このカードは**アーティファクト**であることに意味がある。《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》からサーチ可能だからだ。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を展開しても,盤面のクリーチャーに*即座*に対応するのは難しい。可能なのはせいぜい《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》くらいだろう。単色だと,《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》は使いにくい。
その点,このカードは即座に3マナ以下のクリーチャーに対応できて悪くない。サイドボードに1枚取るのもありと思った。
## アーティファクト
### ジンジャーブルート/Gingerbrute
《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》の上位互換だろう。しかも,1個目の能力でブロックされない。これはなかなか強い。速攻持ちのクリーチャーはそう多くない。
装備品などで,継続的にダメージを通すとアドバンテージを稼げるカードと相性がいい。
### 跳ね橋/Crashing Drawbridge
0/4の壁だが,タップで速攻を付与できる。役割としては,《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》に近いだろう。《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》のように,被覆を付与できないが,こちらはその代わりに壁としてライフを守ることができる。
単純に悪くないカードだと思った。
### 石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
Xマナのアーティファクトとして,マナレシオ的に単純に強い。このカードのおかげで,多くの熊が下位互換になる。
トランプルを持っているのが特に強い。《鋼の監視者/Steel Overseer》や増殖と相性がいい。
## 土地
### アーデンベイル城/Castle Ardenvale
4マナタップで1/1トークンを生成できる。トークン生成カードとしては,標準的だが,ただの土地についている能力としては強い。《Kjeldoran Outpost》は序盤に引くと困るが,このカードは序盤でも問題ない。
トークン系デッキで悪くないだろう。
## 再録カード
### 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
既にトーナメントでも活躍している《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》が再録された。
《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》は十分強いカードで,単純に再録されて供給が安定するのがありがたい。値段も100-200円くらいになるのでこの機会に残り3枚を集めようと思う。
《真髄の針/Pithing Needle》は空振る可能性が高いが,《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》は相手の手札を見れて序盤のアクションとして悪くない。
汎用性の高いカードなので,まだ持っていない人はこの機会に4枚集めていいだろう。
## 結論
直近のカードセットが強力すぎたのもあり,白としてはやや地味な印象を持った。
「出来事」という新しいメカニズムが登場したのだが,白としてはやや使いにくいカードが多かった。
以下のカードは購入予定だ。
- 3枚: 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
- 1枚: 静寂をもたらすもの/Hushbringer
- 1枚: ガラスの棺/Glass Casket
レガシー環境としては,爆弾カードは出ていないと思うので,良くも悪くも現在のメタゲームが継続するだろう。環境が安定して,対策を練る時間ができたので,日和勢としては悪くはない。
動向を見守りながら,直近の課題である《レンと六番/Wrenn and Six》の対策を考えていく。
個人的には,過去に公式サイトで紹介されていた[ヘイトベアー](https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0032557/)がありではないかと思い,《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》を集めようと考えている。
《レンと六番/Wrenn and Six》がいる以上,2マナランドに頼ったデッキ構成はリスクが大きく感じる。グリコンのメタゲームから一周して,昔ながらの白ウィニーに戻るときがきたのかもしれない。
2019-10-03 Fri発売の新しいカードセット「[エルドレインの王権](https://mtg-jp.com/products/0000184/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000184/)が2019-09-21 Satに公開された。
童話をモチーフにしたカードセットとなっており,カード全体が物語調でいかにもファンタジーの世界な内容となっている。
白のレガシープレイヤーとして,気になった以下のカードをレビューする。
- 白
- 静寂をもたらすもの/Hushbringer
- 立派な騎士/Worthy Knight
- 調和のアルコン/Harmonious Archon
- ガラスの棺/Glass Casket
- アーティファクト
- ジンジャーブルート/Gingerbrute
- 石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
- 跳ね橋/Crashing Drawbridge
- 再録カード
- 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
IME辞書はまだ公開されていないが,タイミングがちょうどいいのでこのタイミングでカード評価を行う。
なお,カード検索には「[Scryfall Magic: The Gathering Search](https://scryfall.com/)」を使う。こちらのほうが,最新カードへの対応も早く,Whisperではなぜかヒットしないカードもちゃんとヒットするので,カードの調査にはお薦めだ。ただし,エルドレインの王権の日本語データはまだ反映されていない。
## 白
### 静寂をもたらすもの/Hushbringer
Hushbringer {1}{W}
Creature — Faerie
Flying, lifelink
Creatures entering the battlefield or dying don’t cause abilities to trigger.
1/2
エルドレインの王権での個人的に一番の注目カードだ。
プレイ時の誘発効果と死亡時の誘発効果を禁止するカードだ。
[《倦怠の宝珠/Torpor Orb》](http://mtgwiki.com/wiki/%E5%80%A6%E6%80%A0%E3%81%AE%E5%AE%9D%E7%8F%A0/Torpor_Orb)を内蔵したクリーチャーといえる。同じ用途では,過去に以下の2種類のカードが登場している。
- 《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
- 《静翼のグリフ/Hushwing Gryff》
これらと違い,タフネスが2あり,飛行で戦力になるというところが大きな違いだ。《護衛募集員/Recruiter of the Guard》でサーチ可能なのもポイントが高い。
これでパワーが2あれば文句なしだったのだが…
統率者2019で《運命の巻物/Scroll of Fate》も登場しており,白でドレッドノートを組むのもありなのかもしれない。
### 立派な騎士/Worthy Knight
Worthy Knight {1}{W}
Creature — Human Knight
Whenever you cast a Knight spell, create a 1/1 white Human creature token.
2/2
騎士呪文をキャストすると,1/1の白の人間トークンを生成する。《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》に近いカードだ。
エルドレインの王権の白は騎士カードを推しのようだ。
騎士カードでは,《模範の騎士/Knight Exemplar》,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》など,強いカードもあるにはある。しかし,出てくるトークンが騎士ではなく,ロードの恩恵を受けられないことと,1マナでアドバンテージを失わない騎士はそうないことから,なかなか活用が難しいのではないかと思っている。
結局,単体である程度仕事できるか,《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》のように,アドバンテージを失わずに,1-2マナで効果を連打できないとこの手のカードは難しいのではないかと感じる。
なお,《模範の騎士/Knight Exemplar》は早速200円から800円に値上がりしているようだ。
### 調和のアルコン/Harmonious Archon
Harmonious Archon {4}{W}{W}
Creature — Archon
Flying
Non-Archon creatures have base power and toughness 3/3.
When Harmonious Archon enters the battlefield, create two 1/1 white Human creature tokens.
4/5
《畏敬の神格/Godhead of Awe》に似ているが,こちらは基本のパワー/タフネスが3/3であり,プレイ時に1/1トークンを2体生成する。実質的に1枚で4/5飛行と3/3トークンを2体展開でき,さすがに強い。
ただし,同じことをしようとすると,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》や《先駆のゴーレム/Precursor Golem》のほうが軽くてお手軽だ。
トークンデッキの強化兼フィニッシャーとして悪くはないと感じた。
### ガラスの棺/Glass Casket
Glass Casket {1}{W}
Artifact
When Glass Casket enters the battlefield, exile target creature an opponent controls with converted mana cost 3 or less until Glass Casket leaves the battlefield.
3マナ以下のクリーチャーへの一時除去であり,《未達への旅/Journey to Nowhere》の下位互換で,《絹の網/Silk Net》のアーティファクト版だ。ただし,このカードは**アーティファクト**であることに意味がある。《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》からサーチ可能だからだ。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を展開しても,盤面のクリーチャーに*即座*に対応するのは難しい。可能なのはせいぜい《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》くらいだろう。単色だと,《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》は使いにくい。
その点,このカードは即座に3マナ以下のクリーチャーに対応できて悪くない。サイドボードに1枚取るのもありと思った。
## アーティファクト
### ジンジャーブルート/Gingerbrute
Gingerbrute {1}
Artifact Creature — Food Golem
Haste
{1}: Gingerbrute can’t be blocked this turn except by creatures with haste.
{2}, {T}, Sacrifice Gingerbrute: You gain 3 life.
1/1
《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》の上位互換だろう。しかも,1個目の能力でブロックされない。これはなかなか強い。速攻持ちのクリーチャーはそう多くない。
装備品などで,継続的にダメージを通すとアドバンテージを稼げるカードと相性がいい。
### 跳ね橋/Crashing Drawbridge
Crashing Drawbridge {2}
Artifact Creature — Wall
Defender
{T}: Creatures you control gain haste until end of turn.
0/4
0/4の壁だが,タップで速攻を付与できる。役割としては,《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》に近いだろう。《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》のように,被覆を付与できないが,こちらはその代わりに壁としてライフを守ることができる。
単純に悪くないカードだと思った。
### 石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
Stonecoil Serpent {X}
Artifact Creature — Snake
Reach, trample, protection from multicolored
Stonecoil Serpent enters the battlefield with X +1/+1 counters on it.
0/0
Xマナのアーティファクトとして,マナレシオ的に単純に強い。このカードのおかげで,多くの熊が下位互換になる。
トランプルを持っているのが特に強い。《鋼の監視者/Steel Overseer》や増殖と相性がいい。
## 土地
### アーデンベイル城/Castle Ardenvale
Castle Ardenvale
Land
Castle Ardenvale enters the battlefield tapped unless you control a Plains.
{T}: Add {W}.
{2}{W}{W}, {T}: Create a 1/1 white Human creature token.
4マナタップで1/1トークンを生成できる。トークン生成カードとしては,標準的だが,ただの土地についている能力としては強い。《Kjeldoran Outpost》は序盤に引くと困るが,このカードは序盤でも問題ない。
トークン系デッキで悪くないだろう。
## 再録カード
### 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
Sorcerous Spyglass / 魔術遠眼鏡 (2)
アーティファクト
魔術遠眼鏡が戦場に出るに際し、対戦相手1人の手札を見て、その後任意のカード名1つを選ぶ。
その選ばれた名前を持つ発生源の起動型能力は、それがマナ能力でないかぎり起動できない。
既にトーナメントでも活躍している《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》が再録された。
《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》は十分強いカードで,単純に再録されて供給が安定するのがありがたい。値段も100-200円くらいになるのでこの機会に残り3枚を集めようと思う。
《真髄の針/Pithing Needle》は空振る可能性が高いが,《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》は相手の手札を見れて序盤のアクションとして悪くない。
汎用性の高いカードなので,まだ持っていない人はこの機会に4枚集めていいだろう。
## 結論
直近のカードセットが強力すぎたのもあり,白としてはやや地味な印象を持った。
「出来事」という新しいメカニズムが登場したのだが,白としてはやや使いにくいカードが多かった。
以下のカードは購入予定だ。
- 3枚: 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
- 1枚: 静寂をもたらすもの/Hushbringer
- 1枚: ガラスの棺/Glass Casket
レガシー環境としては,爆弾カードは出ていないと思うので,良くも悪くも現在のメタゲームが継続するだろう。環境が安定して,対策を練る時間ができたので,日和勢としては悪くはない。
動向を見守りながら,直近の課題である《レンと六番/Wrenn and Six》の対策を考えていく。
個人的には,過去に公式サイトで紹介されていた[ヘイトベアー](https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0032557/)がありではないかと思い,《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》を集めようと考えている。
《レンと六番/Wrenn and Six》がいる以上,2マナランドに頼ったデッキ構成はリスクが大きく感じる。グリコンのメタゲームから一周して,昔ながらの白ウィニーに戻るときがきたのかもしれない。
## 概要
2019-08-23発売の新しいカードセット「[統率者2019](https://mtg-jp.com/products/0000181/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000181/)が2019-08-09に公開された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-08-11に公開された。
統率者2019は再録カードが多い。新規カードは[カード個別評価:統率者2019 - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E5%80%8B%E5%88%A5%E8%A9%95%E4%BE%A1%EF%BC%9A%E7%B5%B1%E7%8E%87%E8%80%852019)で確認できる59種類だ。
灯争大戦,モダンホライゾン,基本セット2020とレガシー環境に影響を与えるカードセットが連続して発売された。一方,統率者2019は統率者での使用を念頭においたカードセットであり,癖のあるカードが多い。
この中で気になった以下のカードをレビューする。
- クリーチャー
- 《悲運な職工/Doomed Artisan》
- ソーサリー
- 《セヴィンの再利用/Sevinne’s Reclamation》
- アーティファクト
- 《運命の巻物/Scroll of Fate》
- 再録カード
- 《賞罰の天使/Angel of Sanctions》
## クリーチャー
### 《悲運な職工/Doomed Artisan》
毎ターンデメリット無しのトークン生成カードは貴重であり,評価できるポイントだ。問題はそのままでは,攻撃にもブロックにも使えない点だ。
《ちらつき鬼火/Flickerwisp》のように,本体を明滅させたり,《煙突/Smokestack》と組み合わせて,維持コストに当てるなど,デッキ構築時点での工夫が必要となる。
《刃の接合者/Blade Splicer》と性能が似ており,こちらのほうが癖がなく使いやすいか。
ストンピィ系デッキで,アーティファクトやクリーチャーを維持コストに要求するパワーカードが登場すれば,チャンスがあるだろう。
## ソーサリー
### 《セヴィンの再利用/Sevinne’s Reclamation》
基本セット2020で登場した《帰寂からの帰還/Brought Back》に続いた,墓地からのリアニメイトカードだ。能力的には,《太陽のタイタン/Sun Titan》のETB能力が呪文になったとみれる。
フェッチランドをリアニメイトすることでマナ加速にも使える。白で緑のような土地サーチ・マナ加速は貴重だ。フラッシュバックが付いているので,中長期的に確実なアドバンテージをとれる。しかし,マナコスト的にやや悠長に感じる。
爆発力がほしいならば,《第二の日の出/Second Sunrise》のほうが有利だろう。ただし,墓地利用はサイド後すぐに対策される。その割に,このカードは爆発力に欠けるのでいまいちに感じる。
中長期戦を念頭に置く,白系のコントロールデッキでチャンスがありそうだ。
## アーティファクト
### 《運命の巻物/Scroll of Fate》
かつて,マスク・ドレッドで使われた《Illusionary Mask》と似たカードだ。
手札のカードを変異として出せるため,ETBのデメリット持ちとのコンボとして使える。その他,マナコストの重いクリーチャーを擬似的に速攻として出すこともできる。
出した直後から能力を起動でき,2枚目以降の自分などの手札の無駄なカードを2/2として処理できる。もちろん,後続のクリーチャーへの打ち消し耐性にもなる。
《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》あたりを予示できれば強そうだ。
ただし,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のように,ETBの強力なカードもけっこうあるので,扱いには工夫が必要だろう。
## 再録カード
### 《賞罰の天使/Angel of Sanctions》
《払拭の光/Banishing Light》,《忘却の輪/Oblivion Ring》を内蔵した天使だ。
自身も3/4飛行と申し分ないスペックを持っており,しかも不朽まで持っている。基本セット2020で《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》というよく似たカードが登場している。が,個人的には《賞罰の天使/Angel of Sanctions》のほうが強いだろうと思っている。
5マナと重いことがネックで,トーナメントではあまり使われていないようだ。ストンピィ系デッキや,現在使っている白エルドラージに,お守りとして2枚ほど忍ばせたいなとずっと考えている。
## 結論
灯争大戦,モダンホライゾン,基本セット2020と強烈なカードセットが連続しており,特殊セットなのもあり,全体としてやや地味な印象を持った。
癖のあるカードが多く,活用には頭をひねるカードが多かった。今後の組み合わせを期待したい。
来月の10月には新セットのエルドラインの王権が発売される。なんだかんだで1-2か月のサイクルで新しいカードセットが登場していてめまぐるしい。
新カードの様子を伺いながら,自分のデッキの強化を検討したい。
2019-08-23発売の新しいカードセット「[統率者2019](https://mtg-jp.com/products/0000181/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000181/)が2019-08-09に公開された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-08-11に公開された。
統率者2019は再録カードが多い。新規カードは[カード個別評価:統率者2019 - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E5%80%8B%E5%88%A5%E8%A9%95%E4%BE%A1%EF%BC%9A%E7%B5%B1%E7%8E%87%E8%80%852019)で確認できる59種類だ。
灯争大戦,モダンホライゾン,基本セット2020とレガシー環境に影響を与えるカードセットが連続して発売された。一方,統率者2019は統率者での使用を念頭においたカードセットであり,癖のあるカードが多い。
この中で気になった以下のカードをレビューする。
- クリーチャー
- 《悲運な職工/Doomed Artisan》
- ソーサリー
- 《セヴィンの再利用/Sevinne’s Reclamation》
- アーティファクト
- 《運命の巻物/Scroll of Fate》
- 再録カード
- 《賞罰の天使/Angel of Sanctions》
## クリーチャー
### 《悲運な職工/Doomed Artisan》
Doomed Artisan / 悲運な職工 (2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 工匠(Artificer)
あなたがコントロールしている彫像(Sculpture)では攻撃もブロックもできない。
あなたの終了ステップの開始時に、「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたがコントロールしている彫像の総数に等しい。」を持つ無色の彫像アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
1/1
毎ターンデメリット無しのトークン生成カードは貴重であり,評価できるポイントだ。問題はそのままでは,攻撃にもブロックにも使えない点だ。
《ちらつき鬼火/Flickerwisp》のように,本体を明滅させたり,《煙突/Smokestack》と組み合わせて,維持コストに当てるなど,デッキ構築時点での工夫が必要となる。
《刃の接合者/Blade Splicer》と性能が似ており,こちらのほうが癖がなく使いやすいか。
ストンピィ系デッキで,アーティファクトやクリーチャーを維持コストに要求するパワーカードが登場すれば,チャンスがあるだろう。
## ソーサリー
### 《セヴィンの再利用/Sevinne’s Reclamation》
Sevinne’s Reclamation / セヴィンの再利用 (2)(白)
ソーサリー
あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが3以下のパーマネント・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。この呪文が墓地から唱えられたなら、あなたはこの呪文をコピーしてもよく、そのコピーの新しい対象を選んでもよい。
フラッシュバック(4)(白)(あなたはあなたの墓地から、このカードをこれのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後、これを追放する。)
基本セット2020で登場した《帰寂からの帰還/Brought Back》に続いた,墓地からのリアニメイトカードだ。能力的には,《太陽のタイタン/Sun Titan》のETB能力が呪文になったとみれる。
フェッチランドをリアニメイトすることでマナ加速にも使える。白で緑のような土地サーチ・マナ加速は貴重だ。フラッシュバックが付いているので,中長期的に確実なアドバンテージをとれる。しかし,マナコスト的にやや悠長に感じる。
爆発力がほしいならば,《第二の日の出/Second Sunrise》のほうが有利だろう。ただし,墓地利用はサイド後すぐに対策される。その割に,このカードは爆発力に欠けるのでいまいちに感じる。
中長期戦を念頭に置く,白系のコントロールデッキでチャンスがありそうだ。
## アーティファクト
### 《運命の巻物/Scroll of Fate》
Scroll of Fate / 運命の巻物 (3)
アーティファクト
(T):あなたの手札からカード1枚を予示する。(そのカードを裏向きの状態で2/2クリーチャーとして戦場に出す。それがクリーチャー・カードであるなら、そのマナ・コストで、いつでも表向きにしてよい。)
かつて,マスク・ドレッドで使われた《Illusionary Mask》と似たカードだ。
手札のカードを変異として出せるため,ETBのデメリット持ちとのコンボとして使える。その他,マナコストの重いクリーチャーを擬似的に速攻として出すこともできる。
出した直後から能力を起動でき,2枚目以降の自分などの手札の無駄なカードを2/2として処理できる。もちろん,後続のクリーチャーへの打ち消し耐性にもなる。
《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》あたりを予示できれば強そうだ。
ただし,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のように,ETBの強力なカードもけっこうあるので,扱いには工夫が必要だろう。
## 再録カード
### 《賞罰の天使/Angel of Sanctions》
Angel of Sanctions / 賞罰の天使 (3)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)
飛行
賞罰の天使が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とする。あなたはそれを賞罰の天使が戦場を離れるまで追放してもよい。
不朽(5)(白)((5)(白),あなたの墓地からこのカードを追放する:マナ・コストと不朽を持たない白のゾンビ(Zombie)・天使(Angel)であることを除き、これのコピーであるトークンを1体生成する。不朽はソーサリーとしてのみ行う。)
3/4
《払拭の光/Banishing Light》,《忘却の輪/Oblivion Ring》を内蔵した天使だ。
自身も3/4飛行と申し分ないスペックを持っており,しかも不朽まで持っている。基本セット2020で《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》というよく似たカードが登場している。が,個人的には《賞罰の天使/Angel of Sanctions》のほうが強いだろうと思っている。
5マナと重いことがネックで,トーナメントではあまり使われていないようだ。ストンピィ系デッキや,現在使っている白エルドラージに,お守りとして2枚ほど忍ばせたいなとずっと考えている。
## 結論
灯争大戦,モダンホライゾン,基本セット2020と強烈なカードセットが連続しており,特殊セットなのもあり,全体としてやや地味な印象を持った。
癖のあるカードが多く,活用には頭をひねるカードが多かった。今後の組み合わせを期待したい。
来月の10月には新セットのエルドラインの王権が発売される。なんだかんだで1-2か月のサイクルで新しいカードセットが登場していてめまぐるしい。
新カードの様子を伺いながら,自分のデッキの強化を検討したい。
## 概要
2019-07-12 Fri発売の新しいカードセット「[基本セット2020](https://mtg-jp.com/products/0000182/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000182/)が2019-06-26 Wedに公開された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-06-28 Friに公開された。
基本セットはMTG初心者を念頭においたカードセットだが,レアと神話レアにはエターナル環境を意識したカードも収録されており,なかなか面白いカードセットだ。
その中でも,特に気になった以下のカードをレビューする。
- クリーチャー
- 《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》
- 《絞首された処刑人/Hanged Executioner》
- アーティファクト
- 《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
- 《報復のワンド/Retributive Wand》
- 再録カード
- 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
- 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
- 《鋼の監視者/Steel Overseer》
なお,灯争大戦以降,毎月カードセットがリリースされており,8月にも統率者2020が発売されてめまぐるしい。リリース頻度が早いので,以前のように3か月に一度くらいのほうが安定していていい。
## クリーチャー
### 《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》
カードの効果は「5マナ4/6警戒で,ETBで非土地パーマネントを破壊してコントローラーに3/3トークンを生成。PIGでアーティファクトかエンチャントを手札に回収。」だ。
モダンホライゾンで登場した《過大な贈り物/Generous Gift》を内蔵している。
似たようなカードに過去に《賞罰の天使/Angel of Sanctions》が存在していた。こちらはETBで《忘却の輪/Oblivion Ring》が発動し,飛行持ちだ。《忘却の輪/Oblivion Ring》のような放逐能力は,除去されると復活されるリスクがある。
その点,《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》は破壊なので,そのリスクがない。また,それどころか死亡時にアドバンテージを稼げる能力まで付いてきている。性質が若干違うが,だいたい上位互換とみてもよいだろう。
5マナのカードとして悪くない性能だ。
### 《絞首された処刑人/Hanged Executioner》
カードの効果は「3マナ1/1飛行で,ETBで1/1飛行トークンを生成。4マナ生贄でクリーチャーを除外。」だ。
白で能動的にクリーチャーを除去できるクリーチャーはそんなに数が多くない。このカードはトークンが出るので,アドバンテージのとれるカードだ,《急報/Raise the Alarm》や《幽体の行列/Spectral Procession》,《未練ある魂/Lingering Souls》のようなトークン生成カードのようにみなしてよいだろう。これらのトークン生成カードに除去がおまけで付いたように捉えることができる。
キャストに3マナ,能力の起動に4マナと悠長な感じがするが,先置きできるのは利点だろう。しかし,除去が目的ならば,《放逐する僧侶/Banisher Priest》や《宮殿の看守/Palace Jailer》のほうが即効性はある。
そのため,トークン系デッキや装備品系デッキのお供にするのが良いだろう。
## アーティファクト
### 《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
カードの効果は「キャスト3マナ,選択したクリーチャーに《十字軍/Crusade》,3マナタップで《民兵のラッパ手/Militia Bugler》のETB効果」だ。
《十字軍/Crusade》や《栄光の頌歌/Glorious Anthem》にドロー効果が付いたようなカードだ。《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》と構成が似ている。《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》のタップ効果は防御能力だったが,《祖先の象徴/Icon of Ancestry》はドローなので,こちらのほうが汎用性が高いだろう。
息切れ防止やマナフラッド受けにもなるので,部族デッキで重宝される気がする。
### 《多用途の鍵/Manifold Key》
カードの効果は「キャスト1マナ,1マナタップで他のアーティファクトをアンタップ,3マナタップでクリーチャーがブロックされない」だ。
《通電式キー/Voltaic Key》の上位互換が登場した。《通電式キー/Voltaic Key》自体がアーティファクト系デッキで重宝されたので,《通電式キー/Voltaic Key》とそのまま入れ替えになるだろう。
レガシーでは,《厳かなモノリス/Grim Monolith》との組み合わせが強く,《鋼の監視者/Steel Overseer》との組み合わせも強い。
### 《報復のワンド/Retributive Wand》
カードの効果は「キャスト3マナ,3マナタップで任意の対象に1点のダメージ。PIGで5点ダメージ。」だ。
《破滅のロッド/Rod of Ruin》や《花崗岩の破片/Granite Shard》の系統のカードだ。継続的なダメージソースアーティファクトとしては,《呪われた巻物/Cursed Scroll》が有名だ。ただし,《呪われた巻物/Cursed Scroll》は手札の調整が必要なため,中盤以降の活用がメインとなる。
《報復のワンド/Retributive Wand》は序盤でも確実に1点飛ばすことができ,万が一破壊されても5点も飛ばせるため,悪くない。
## 再録カード
### 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
基本セット2020では,基本セット2011から9年ぶりに力線サイクルが再録となった。
基本セット2020発売と同時に,ロンドン・マリガンが導入されるため,力線が相対的に強くなる。特に,《神聖の力線/Leyline of Sanctity》と《虚空の力線/Leyline of the Void》は高額レアになっていたので,ここで再録されて供給が増えるのはありがたい。
### 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1マナの恒久的な墓地対策カードの《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》が再録となった。
このカードも値段がじわじわと上がってきていたので,再録により供給が増えるのはありがたい。
### 《鋼の監視者/Steel Overseer》
スティール・ストンピィやモダンだと鱗親和で採用されているカードが再録となった。
同じく収録されている《多用途の鍵/Manifold Key》のいい相棒になるだろう。
## 結論
基本セット2020はMTG入門者向けのカードセットであるため,モダンホライゾンのように特定環境を意識したカードセットと比べると,興味を持つカードが少なかった。
しかし,エターナル環境に影響を与えるカードや,過去の高額レアなどが再録されており,全体的に安定して落ち着いたカードセットだと感じた。
以下のカードは特に購入したいと思ったので,値段を注視したい。
* 4枚: 《多用途の鍵/Manifold Key》
基本セット2020の登場と同時に,いよいよロンドン・マリガンも導入される。環境がどう変わるのか注視していく。
2019-07-12 Fri発売の新しいカードセット「[基本セット2020](https://mtg-jp.com/products/0000182/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000182/)が2019-06-26 Wedに公開された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-06-28 Friに公開された。
基本セットはMTG初心者を念頭においたカードセットだが,レアと神話レアにはエターナル環境を意識したカードも収録されており,なかなか面白いカードセットだ。
その中でも,特に気になった以下のカードをレビューする。
- クリーチャー
- 《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》
- 《絞首された処刑人/Hanged Executioner》
- アーティファクト
- 《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
- 《多用途の鍵/Manifold Key》
- 《報復のワンド/Retributive Wand》
- 再録カード
- 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
- 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
- 《鋼の監視者/Steel Overseer》
なお,灯争大戦以降,毎月カードセットがリリースされており,8月にも統率者2020が発売されてめまぐるしい。リリース頻度が早いので,以前のように3か月に一度くらいのほうが安定していていい。
## クリーチャー
### 《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》
カードの効果は「5マナ4/6警戒で,ETBで非土地パーマネントを破壊してコントローラーに3/3トークンを生成。PIGでアーティファクトかエンチャントを手札に回収。」だ。
モダンホライゾンで登場した《過大な贈り物/Generous Gift》を内蔵している。
似たようなカードに過去に《賞罰の天使/Angel of Sanctions》が存在していた。こちらはETBで《忘却の輪/Oblivion Ring》が発動し,飛行持ちだ。《忘却の輪/Oblivion Ring》のような放逐能力は,除去されると復活されるリスクがある。
その点,《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》は破壊なので,そのリスクがない。また,それどころか死亡時にアドバンテージを稼げる能力まで付いてきている。性質が若干違うが,だいたい上位互換とみてもよいだろう。
5マナのカードとして悪くない性能だ。
### 《絞首された処刑人/Hanged Executioner》
カードの効果は「3マナ1/1飛行で,ETBで1/1飛行トークンを生成。4マナ生贄でクリーチャーを除外。」だ。
白で能動的にクリーチャーを除去できるクリーチャーはそんなに数が多くない。このカードはトークンが出るので,アドバンテージのとれるカードだ,《急報/Raise the Alarm》や《幽体の行列/Spectral Procession》,《未練ある魂/Lingering Souls》のようなトークン生成カードのようにみなしてよいだろう。これらのトークン生成カードに除去がおまけで付いたように捉えることができる。
キャストに3マナ,能力の起動に4マナと悠長な感じがするが,先置きできるのは利点だろう。しかし,除去が目的ならば,《放逐する僧侶/Banisher Priest》や《宮殿の看守/Palace Jailer》のほうが即効性はある。
そのため,トークン系デッキや装備品系デッキのお供にするのが良いだろう。
## アーティファクト
### 《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
カードの効果は「キャスト3マナ,選択したクリーチャーに《十字軍/Crusade》,3マナタップで《民兵のラッパ手/Militia Bugler》のETB効果」だ。
《十字軍/Crusade》や《栄光の頌歌/Glorious Anthem》にドロー効果が付いたようなカードだ。《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》と構成が似ている。《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》のタップ効果は防御能力だったが,《祖先の象徴/Icon of Ancestry》はドローなので,こちらのほうが汎用性が高いだろう。
息切れ防止やマナフラッド受けにもなるので,部族デッキで重宝される気がする。
### 《多用途の鍵/Manifold Key》
カードの効果は「キャスト1マナ,1マナタップで他のアーティファクトをアンタップ,3マナタップでクリーチャーがブロックされない」だ。
《通電式キー/Voltaic Key》の上位互換が登場した。《通電式キー/Voltaic Key》自体がアーティファクト系デッキで重宝されたので,《通電式キー/Voltaic Key》とそのまま入れ替えになるだろう。
レガシーでは,《厳かなモノリス/Grim Monolith》との組み合わせが強く,《鋼の監視者/Steel Overseer》との組み合わせも強い。
### 《報復のワンド/Retributive Wand》
カードの効果は「キャスト3マナ,3マナタップで任意の対象に1点のダメージ。PIGで5点ダメージ。」だ。
《破滅のロッド/Rod of Ruin》や《花崗岩の破片/Granite Shard》の系統のカードだ。継続的なダメージソースアーティファクトとしては,《呪われた巻物/Cursed Scroll》が有名だ。ただし,《呪われた巻物/Cursed Scroll》は手札の調整が必要なため,中盤以降の活用がメインとなる。
《報復のワンド/Retributive Wand》は序盤でも確実に1点飛ばすことができ,万が一破壊されても5点も飛ばせるため,悪くない。
## 再録カード
### 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
基本セット2020では,基本セット2011から9年ぶりに力線サイクルが再録となった。
基本セット2020発売と同時に,ロンドン・マリガンが導入されるため,力線が相対的に強くなる。特に,《神聖の力線/Leyline of Sanctity》と《虚空の力線/Leyline of the Void》は高額レアになっていたので,ここで再録されて供給が増えるのはありがたい。
### 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1マナの恒久的な墓地対策カードの《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》が再録となった。
このカードも値段がじわじわと上がってきていたので,再録により供給が増えるのはありがたい。
### 《鋼の監視者/Steel Overseer》
スティール・ストンピィやモダンだと鱗親和で採用されているカードが再録となった。
同じく収録されている《多用途の鍵/Manifold Key》のいい相棒になるだろう。
## 結論
基本セット2020はMTG入門者向けのカードセットであるため,モダンホライゾンのように特定環境を意識したカードセットと比べると,興味を持つカードが少なかった。
しかし,エターナル環境に影響を与えるカードや,過去の高額レアなどが再録されており,全体的に安定して落ち着いたカードセットだと感じた。
以下のカードは特に購入したいと思ったので,値段を注視したい。
* 4枚: 《多用途の鍵/Manifold Key》
基本セット2020の登場と同時に,いよいよロンドン・マリガンも導入される。環境がどう変わるのか注視していく。
## 概要
2019-06-14 Fri発売の新しいカードセット「[モダンホライゾン](https://mtg-jp.com/products/0000179/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000179/)が2019-06-01 Satに公開された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-06-06 Thuに公開された。
モダンホライゾンはMTG初のモダン向けのカードセットとなる。過去に登場した懐かしのサイクル,機能が再登場しており,単純に強くて面白いカードが盛り沢山となっている。面白い試みだ。
その中でも,特に気になった以下のカードをレビューする。
- インスタント
- 《過大な贈り物/Generous Gift》
- 《儚い存在/Ephemerate》
- クリーチャー
- 《夕暮れヒバリ/Vesperlark》
- 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
- 土地
- 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》
- 《虹色の眺望/Prismatic Vista》
- キャノピーランド: 《無声開拓地/Silent Clearing》,《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
- 氷雪ランド: 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
## クリーチャー
### 《夕暮れヒバリ/Vesperlark》
時のらせんブロックで一世を風靡したヒバリ・ブリンク の《目覚ましヒバリ/Reveillark》が小さくなって帰ってきた。
アイアンワークスのような墓地を使った無限コンボデッキでなにか使えそうな印象を持った。
### 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
2マナでアーティファクトの唯一の頑強持ちクリーチャーだ。無限頑強のお供として最適のカードだろう。このカードのおかげで,**無限頑強のパーツが《悟りの教示者/Enlightened Tutor》で全てサーチ可能**になった。
また,モダンホライゾンには《狂気の祭壇/Altar of Dementia》も再録されており,無限頑強を使ってくれといわんばかりだ。
無限頑強+アイアンワークスのハイブリッドコンボとしての可能性も出てきた。
1ターン目に2マナランドから《小型マスティコア/Lesser Masticore》,2ターン目に《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》で《小型マスティコア/Lesser Masticore》を2回生贄に捧げて4マナ出せれば,コンボを決めることも可能だろう。
3枚コンボだが,2ターンキルでき,さらに《マイアの回収者/Myr Retriever》や《屑鉄さらい/Scrap Trawler》のような墓地回収カードもあるので,面白いデッキになりそうだ。
## インスタント
### 《儚い存在/Ephemerate》
時のらせんブロックで一世を風靡したヒバリ・ブリンクのキーカードである《一瞬の瞬き/Momentary Blink》が帰ってきた。《一瞬の瞬き/Momentary Blink》はフラッシュバックコストに青マナを要求しており,マナコストも4マナと重く,コントロール向きだった。
《儚い存在/Ephemerate》はたった1マナで,2回も明滅できる。ETB能力持ちにうまく使えば,1マナで2ドロー相当の働きができる。相手の除去やブロックになどに合わせることで,3枚分の働きにもなる。
### 《過大な贈り物/Generous Gift》
白い《内にいる獣/Beast Within》だ。パーマネントを破壊できるカードは強い。[前回の記事](https://senooken.jp/blog/2019/06/08/)でも書いたが,2019-07-05 Friにロンドン・マリガンが導入され,ますます1枚1枚のカードが重要になってくる。
そのため,このカードも相対的に強くなってくる。土地以外であれば,《忘却の輪/Oblivion Ring》や《議会の採決/Council’s Judgment》があるので,主に土地を破壊できる点が評価項目だろう。
ヘイトベアーでパーマネント対応兼土地破壊が強いだろうか。
## 土地
### 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》
《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》のエンチャント版だ。《謙虚/Humility》はゲームを決めるカードだが,打ち消されたり破壊されたりして,墓地から回収できればと思う場面が何回かあった。
《忘却の輪/Oblivion Ring》,《静寂/Serenity》,《浄化の印章/Seal of Cleansing》,《斑岩の節/Porphyry Nodes》を使いまわしても強い。
6マナで《独房監禁/Solitary Confinement》を毎ターン使い回すのもありだろう。
これくらいしか強力な使い方が思いつかないが,十分強いと思う。
### 《虹色の眺望/Prismatic Vista》
2018-09に復帰したときに,まさしくこのカードが出ていないかを期待していたのだが,ようやく登場した。
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》も1600円くらいだった値段が,2000円くらいになってしまった。
500円くらいで手軽な値段を希望する。
### キャノピーランド: 《無声開拓地/Silent Clearing》,《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
《地平線の梢/Horizon Canopy》は6000円もする超高額カードだった。
値段が安定することを期待したい。
### 氷雪ランド: 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
氷雪ランドは供給量が圧倒的に少ないので,モダンホライゾンで再録されて供給が安定するのがありがたい。
お供の《占術の岩床/Scrying Sheets》が1000円くらいから3000円に値上がりしているのが気になる。
## 結論
モダンホライゾンは,環境に影響を与えそうなカードが多数収録されており,とても面白いカードセットだ。
個人的には《小型マスティコア/Lesser Masticore》と《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》の登場が最も印象的だった。
以下のカードは特に購入したいと思ったので,値段を注視したい。
* 4枚: 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
* 1枚: 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》
* 1枚: 《無声開拓地/Silent Clearing》か《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
特に,《小型マスティコア/Lesser Masticore》の登場で,レガシー版アイアンワークスに興味を持った。
来月には基本セット2020も登場し,ロンドン・マリガンも導入される。レガシー環境がどう変わるのか注視していく。
2019-06-14 Fri発売の新しいカードセット「[モダンホライゾン](https://mtg-jp.com/products/0000179/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000179/)が2019-06-01 Satに公開された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-06-06 Thuに公開された。
モダンホライゾンはMTG初のモダン向けのカードセットとなる。過去に登場した懐かしのサイクル,機能が再登場しており,単純に強くて面白いカードが盛り沢山となっている。面白い試みだ。
その中でも,特に気になった以下のカードをレビューする。
- インスタント
- 《過大な贈り物/Generous Gift》
- 《儚い存在/Ephemerate》
- クリーチャー
- 《夕暮れヒバリ/Vesperlark》
- 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
- 土地
- 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》
- 《虹色の眺望/Prismatic Vista》
- キャノピーランド: 《無声開拓地/Silent Clearing》,《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
- 氷雪ランド: 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
## クリーチャー
### 《夕暮れヒバリ/Vesperlark》
Vesperlark / 夕暮れヒバリ (2)(白)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
飛行
夕暮れヒバリが戦場を離れたとき、あなたの墓地からパワーが1以下のクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
想起(1)(白)(あなたはこの呪文を、これの想起コストで唱えてもよい。そうしたなら、これが戦場に出たとき、これを生け贄に捧げる。)
2/1
時のらせんブロックで一世を風靡したヒバリ・ブリンク の《目覚ましヒバリ/Reveillark》が小さくなって帰ってきた。
アイアンワークスのような墓地を使った無限コンボデッキでなにか使えそうな印象を持った。
### 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
Lesser Masticore / 小型マスティコア (2)
アーティファクト クリーチャー — マスティコア(Masticore)
この呪文を唱えるための追加コストとして、カード1枚を捨てる。
(4):クリーチャー1体を対象とする。小型マスティコアはそれに1点のダメージを与える。
頑強(このクリーチャーが死亡したとき、これの上に-1/-1カウンターが置かれていなかった場合、これを-1/-1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。)
2/2
2マナでアーティファクトの唯一の頑強持ちクリーチャーだ。無限頑強のお供として最適のカードだろう。このカードのおかげで,**無限頑強のパーツが《悟りの教示者/Enlightened Tutor》で全てサーチ可能**になった。
また,モダンホライゾンには《狂気の祭壇/Altar of Dementia》も再録されており,無限頑強を使ってくれといわんばかりだ。
無限頑強+アイアンワークスのハイブリッドコンボとしての可能性も出てきた。
1ターン目に2マナランドから《小型マスティコア/Lesser Masticore》,2ターン目に《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》で《小型マスティコア/Lesser Masticore》を2回生贄に捧げて4マナ出せれば,コンボを決めることも可能だろう。
3枚コンボだが,2ターンキルでき,さらに《マイアの回収者/Myr Retriever》や《屑鉄さらい/Scrap Trawler》のような墓地回収カードもあるので,面白いデッキになりそうだ。
## インスタント
### 《儚い存在/Ephemerate》
Ephemerate / 儚い存在 (白)
インスタント
あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。その後それをオーナーのコントロール下で戦場に出す。
反復(この呪文があなたの手札から唱えられたなら、これの解決に際し、これを追放する。次のあなたのアップキープの開始時に、あなたは追放領域からこのカードをこれのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。)
時のらせんブロックで一世を風靡したヒバリ・ブリンクのキーカードである《一瞬の瞬き/Momentary Blink》が帰ってきた。《一瞬の瞬き/Momentary Blink》はフラッシュバックコストに青マナを要求しており,マナコストも4マナと重く,コントロール向きだった。
《儚い存在/Ephemerate》はたった1マナで,2回も明滅できる。ETB能力持ちにうまく使えば,1マナで2ドロー相当の働きができる。相手の除去やブロックになどに合わせることで,3枚分の働きにもなる。
### 《過大な贈り物/Generous Gift》
Generous Gift / 過大な贈り物 (2)(白)
インスタント
パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。それのコントローラーは緑の3/3の象(Elephant)クリーチャー・トークンを1体生成する。
白い《内にいる獣/Beast Within》だ。パーマネントを破壊できるカードは強い。[前回の記事](https://senooken.jp/blog/2019/06/08/)でも書いたが,2019-07-05 Friにロンドン・マリガンが導入され,ますます1枚1枚のカードが重要になってくる。
そのため,このカードも相対的に強くなってくる。土地以外であれば,《忘却の輪/Oblivion Ring》や《議会の採決/Council’s Judgment》があるので,主に土地を破壊できる点が評価項目だろう。
ヘイトベアーでパーマネント対応兼土地破壊が強いだろうか。
## 土地
### 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》
Hall of Heliod’s Generosity / ヘリオッドの高潔の聖堂
伝説の土地
(T):(◇)を加える。
(1)(白),(T):あなたの墓地からエンチャント・カード1枚を対象とし、それをあなたのライブラリーの一番上に置く。
《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》のエンチャント版だ。《謙虚/Humility》はゲームを決めるカードだが,打ち消されたり破壊されたりして,墓地から回収できればと思う場面が何回かあった。
《忘却の輪/Oblivion Ring》,《静寂/Serenity》,《浄化の印章/Seal of Cleansing》,《斑岩の節/Porphyry Nodes》を使いまわしても強い。
6マナで《独房監禁/Solitary Confinement》を毎ターン使い回すのもありだろう。
これくらいしか強力な使い方が思いつかないが,十分強いと思う。
### 《虹色の眺望/Prismatic Vista》
Prismatic Vista / 虹色の眺望
土地
(T),1点のライフを支払う,虹色の眺望を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探して戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
2018-09に復帰したときに,まさしくこのカードが出ていないかを期待していたのだが,ようやく登場した。
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》も1600円くらいだった値段が,2000円くらいになってしまった。
500円くらいで手軽な値段を希望する。
### キャノピーランド: 《無声開拓地/Silent Clearing》,《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
Silent Clearing / 無声開拓地
土地
(T),1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに(白)か(黒)を加える。
(1),(T),無声開拓地を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
Sunbaked Canyon / 灼陽大峡谷
土地
(T),1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに(赤)か(白)を加える。
(1),(T),灼陽大峡谷を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
《地平線の梢/Horizon Canopy》は6000円もする超高額カードだった。
値段が安定することを期待したい。
### 氷雪ランド: 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
氷雪ランドは供給量が圧倒的に少ないので,モダンホライゾンで再録されて供給が安定するのがありがたい。
お供の《占術の岩床/Scrying Sheets》が1000円くらいから3000円に値上がりしているのが気になる。
## 結論
モダンホライゾンは,環境に影響を与えそうなカードが多数収録されており,とても面白いカードセットだ。
個人的には《小型マスティコア/Lesser Masticore》と《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》の登場が最も印象的だった。
以下のカードは特に購入したいと思ったので,値段を注視したい。
* 4枚: 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
* 1枚: 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》
* 1枚: 《無声開拓地/Silent Clearing》か《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
特に,《小型マスティコア/Lesser Masticore》の登場で,レガシー版アイアンワークスに興味を持った。
来月には基本セット2020も登場し,ロンドン・マリガンも導入される。レガシー環境がどう変わるのか注視していく。
2019-05-03 Fri発売の新しいカードセット「[灯争大戦](https://mtg-jp.com/products/0000178/)」の[全カードリスト](https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000178/)が[2019-04-20 Satに公開](https://twitter.com/mtgjp/status/1119265901759614976)された。そして,[辞書データ](http://whisper.wisdom-guild.net/apps/autodic/)も2019-04-21 Sunに公開された。
そこで,以下の気になるカードをレビューする。
- 土地
- 《爆発域/Blast Zone》
- 《出現領域/Emergence Zone》
- プレインズウォーカー
- 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
- 《太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun’s Heart》
- 《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
- 白
- 《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》
- 《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》
- 《栄光の終焉/Finale of Glory》
- 《ギデオンの勝利/Gideon’s Triumph》
## 土地
《探検の地図/Expedition Map》によりかさ増し可能なため,土地は常に注意すべきカードだ。
### 《爆発域/Blast Zone》
その中でも,《爆発域/Blast Zone》は非常に強力なカードだ。
いってしまえば《漸増爆弾/Ratchet Bomb》の土地だ。盤面に鑑賞できる土地には,《絡みつく砂丘/Grasping Dunes》が存在するが,《爆発域/Blast Zone》はそれよりも対象範囲が広く,強力だ。
蓄積カウンターが1個置かれた状態で出るのは,利点も欠点もある。トークンや《虚空の杯/Chalice of the Void》などを即座に破壊できない。その代わりに,マナ・コスト1のカードや2以上のカードの対象を早く取ることができる。
プレインズウォーカーを含む*パーマネントを対処できる土地は初めて*だろう。レガシーでも,MUD,スタックス,土地単,黒単POXやコントロール系デッキに十分採用されうるだろう。
土地やアーティファクトのように,どのデッキにも入れられる強いカードは環境を崩す可能性があるので,このようなカードをよく作ったなと感じた。間違いなく強い。
### 《出現領域/Emergence Zone》
《出現領域/Emergence Zone》は,1ターンの間,あらゆるカードに瞬速を付与する。
コンボデッキの可能性を伺わされる。特に,今回は《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》により,アーティファクト系コンボが大幅に強化されるので,アーティファクトやエンチャントなどの置物とのコンボがでてきそうで面白そうなカードだ。
## プレインズウォーカー
今回のカードセットはプレインズウォーカーがテーマということで,興味深いプレインズウォーカーが多数収録されている。
### 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
その中で一番強力だと感じたのが,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》だ。
ゲーム外からアーティファクトをサーチできるので,いわゆる願いサイクルの亜種と思ってよいだろう。相手だけの《無のロッド/Null Rod》ももちろん強力だが,-2効果の前ではおまけだろう。
白の願いの《黄金の願い/Golden Wish》は5マナと重すぎたため,トーナメントでは活躍できなかった。しかし,この新カーンは*エターナル環境を変える可能性*を感じる。
効果が実質的に,「**次のターンにあなたはゲームに勝利する**」と書かれているようなものだからだ。アーティファクトだけでコンボが成立する《丸砥石/Grindstone》+《絵描きの召使い/Painter’s Servant》が**《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》だけで**揃えることが可能になる。
従来の丸砥石コンボは,*コンボパーツのサーチに課題*があった。赤型であれば《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》で《絵描きの召使い/Painter’s Servant》を,青型であれば《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《丸砥石/Grindstone》を,白型であれば《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でサーチしていた。逆にいえば,*それくらいしかコンボパーツのサーチ手段が存在しなかった*。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が登場したことでサーチ手段が強化され,コンボ成立の可能性が高まる。2マナランドや《厳かなモノリス/Grim Monolith》を経由して,2-3ターン目に展開できれば,*3-5ターン目のコンボ成立は手堅い*。
もちろん,丸砥石コンボだけでなく,《Helm of Obedience》と《虚空の力線/Leyline of the Void》/《安らかなる眠り/Rest in Peace》を使ったヘルムヴォイド/ヘルムピースの成立もサポートされる。*丸砥石とヘルムコンボを両方使う*のもありだ。
ここしばらく大きな活躍のなかった丸砥石コンボやヘルムコンボがトーナメントで復活するかもしれない。それに合わせてこれらのコンボパーツの値段も高騰する可能性を感じる。早めにカードを集めたほうがいいだろう。
### 《太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun’s Heart》
これはトリッキーなカードだ。*ループジャンクションとのコンボ*が強力だ。ループジャンクションで無限タフネスとなるので,このカードがあれば,そのまま無限ライフを取得でき,そのまま無限ダメージを与えることができる。
無限ライフだけではゲームに勝利できないことがそれなりにある。その欠点を補うことができるので,面白いカードだ。
ただし,ループジャンクションは3枚コンボのため,コンボ成立のハードルがやや高い。そして,プレインズウォーカーのサーチは《ゲートウォッチ招致/Call the Gatewatch》くらいしか軽いカードがなく,これまたなかなか課題はある。
### 《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
灯争大戦で新しいギデオンが2種類登場した。そのうち,こちらのギデオンは単純に軽くて強い。
3マナ4/4 破壊不能相当で,居残ると-6の効果でアドバンテージをとれる。+1効果で破壊不能を自軍に付与できるので,《神の怒り/Wrath of God》と相性がいい。
自分のターンに自動的にクリーチャー化するので,《剣を鍬に/Swords to Plowshares》には注意が必要だろう。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》のほうが使いやすいかもしれないが,軽いのでこのカードも十分強い。
## 白
その他,自分のメインカラーである白のカードで気になるカードをレビューする。
### 《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》
2マナ1/1 飛行でプレイヤーに戦闘ダメージが入ると増殖が行える。単純に,プレインズウォーカーの忠誠度カウンターを増やしてもいいし,その他の+1/+1カウンターを増加させてもいい。2マナで回避能力持ちだと,無視できないだろう。《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》など,3マナプレインズウォーカーと相性がいい。
レガシーで通用するかどうかは微妙だが,スタンダードでは《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》と一緒に活躍しそうだ。
### 《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》
強力な土地対策カードだ。土地単やロームを露骨に意識したようなカードだ。タフネスが3のおかげで,《護衛募集員/Recruiter of the Guard》でサーチできない代わりに,《罰する火/Punishing Fire》1回では除去されない。サイズ的に《セラの報復者/Serra Avenger》の立ち位置がやや怪しくなってきた。
ただ,単体のカードパワーがイマイチなので,メタゲーム次第だろうか。
### 《栄光の終焉/Finale of Glory》
トークン生成カードとしては,かなり高いパフォーマンスを誇る。《十字軍/Crusade》などでの強化を前提とするならば,《荒野の確保/Secure the Wastes》の方が効率がいいが,こちらも悪くない。
しかし,トークン系デッキはゲームを決めるのにやや時間がかかる。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》や黒をタッチして手札破壊か,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《三なる宝球/Trinisphere》などの妨害要素が必須だろう。
### 《ギデオンの勝利/Gideon’s Triumph》
「攻撃したかブロックした」という記述が若干気になる。おそらく攻撃クリーチャー指定ステップかブロッククリーチャー指定ステップにキャスト可能だと解釈する。
《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》や《大祖始/Progenitus》類の対策として使われていた《天界のほとばしり/Celestial Flare》の上位互換だろう。もちろんギデオンと組み合わせると強力だが,単体でも悪くない。
## 結論
灯争大戦で気になるカードをレビューした。
特に,*《爆発域/Blast Zone》と《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が強力*だと感じた。《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》に関しては,**レガシー環境のメタゲームを動かす可能性**を感じる。
*《爆発域/Blast Zone》は1枚以上,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は3枚以上購入*するだろう。今のところ,両方共最安値が800円程度だ。自分の予想では,《爆発域/Blast Zone》は500円程度,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は1500円程度に落ち着くのではないかと予想している。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は,少なくともスタンダードでは出番がなく,モダンでも微妙ではないかとみている。やはりこのカードの活躍場所はレガシーだろう。
今後の価格動向を見守る。
そこで,以下の気になるカードをレビューする。
- 土地
- 《爆発域/Blast Zone》
- 《出現領域/Emergence Zone》
- プレインズウォーカー
- 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
- 《太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun’s Heart》
- 《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
- 白
- 《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》
- 《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》
- 《栄光の終焉/Finale of Glory》
- 《ギデオンの勝利/Gideon’s Triumph》
## 土地
《探検の地図/Expedition Map》によりかさ増し可能なため,土地は常に注意すべきカードだ。
### 《爆発域/Blast Zone》
その中でも,《爆発域/Blast Zone》は非常に強力なカードだ。
Blast Zone / 爆発域
土地
爆発域は蓄積(charge)カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
(T):(◇)を加える。
(X)(X),(T):爆発域の上に蓄積カウンターをX個置く。
(3),(T),爆発域を生け贄に捧げる:点数で見たマナ・コストが爆発域の上に置かれた蓄積カウンターの数に等しく、土地でない各パーマネントをそれぞれ破壊する。
引用: [爆発域/Blast Zone - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E7%88%86%E7%99%BA%E5%9F%9F/Blast_Zone)
いってしまえば《漸増爆弾/Ratchet Bomb》の土地だ。盤面に鑑賞できる土地には,《絡みつく砂丘/Grasping Dunes》が存在するが,《爆発域/Blast Zone》はそれよりも対象範囲が広く,強力だ。
蓄積カウンターが1個置かれた状態で出るのは,利点も欠点もある。トークンや《虚空の杯/Chalice of the Void》などを即座に破壊できない。その代わりに,マナ・コスト1のカードや2以上のカードの対象を早く取ることができる。
プレインズウォーカーを含む*パーマネントを対処できる土地は初めて*だろう。レガシーでも,MUD,スタックス,土地単,黒単POXやコントロール系デッキに十分採用されうるだろう。
土地やアーティファクトのように,どのデッキにも入れられる強いカードは環境を崩す可能性があるので,このようなカードをよく作ったなと感じた。間違いなく強い。
### 《出現領域/Emergence Zone》
《出現領域/Emergence Zone》は,1ターンの間,あらゆるカードに瞬速を付与する。
Emergence Zone / 出現領域
土地
(T):(◇)を加える。
(1),(T),出現領域を生け贄に捧げる:このターン、あなたは呪文を、それが瞬速を持つかのように唱えてもよい。
引用: [出現領域/Emergence Zone - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E5%87%BA%E7%8F%BE%E9%A0%98%E5%9F%9F/Emergence_Zone)
コンボデッキの可能性を伺わされる。特に,今回は《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》により,アーティファクト系コンボが大幅に強化されるので,アーティファクトやエンチャントなどの置物とのコンボがでてきそうで面白そうなカードだ。
## プレインズウォーカー
今回のカードセットはプレインズウォーカーがテーマということで,興味深いプレインズウォーカーが多数収録されている。
### 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
その中で一番強力だと感じたのが,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》だ。
Karn, the Great Creator / 大いなる創造者、カーン (4)
伝説のプレインズウォーカー — カーン(Karn)
対戦相手がコントロールしているアーティファクトの起動型能力は起動できない。
[+1]:クリーチャーでないアーティファクト最大1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それはパワーとタフネスがそれぞれそれの点数で見たマナ・コストに等しいアーティファクト・クリーチャーになる。
[-2]:あなたは、ゲームの外部か追放領域にありあなたがオーナーであるアーティファクト・カード1枚を選び、そのカードを公開してあなたの手札に加えてもよい。
5
引用: [大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A4%A7%E3%81%84%E3%81%AA%E3%82%8B%E5%89%B5%E9%80%A0%E8%80%85%E3%80%81%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%B3/Karn,_the_Great_Creator)
ゲーム外からアーティファクトをサーチできるので,いわゆる願いサイクルの亜種と思ってよいだろう。相手だけの《無のロッド/Null Rod》ももちろん強力だが,-2効果の前ではおまけだろう。
白の願いの《黄金の願い/Golden Wish》は5マナと重すぎたため,トーナメントでは活躍できなかった。しかし,この新カーンは*エターナル環境を変える可能性*を感じる。
効果が実質的に,「**次のターンにあなたはゲームに勝利する**」と書かれているようなものだからだ。アーティファクトだけでコンボが成立する《丸砥石/Grindstone》+《絵描きの召使い/Painter’s Servant》が**《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》だけで**揃えることが可能になる。
従来の丸砥石コンボは,*コンボパーツのサーチに課題*があった。赤型であれば《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》で《絵描きの召使い/Painter’s Servant》を,青型であれば《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《丸砥石/Grindstone》を,白型であれば《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でサーチしていた。逆にいえば,*それくらいしかコンボパーツのサーチ手段が存在しなかった*。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が登場したことでサーチ手段が強化され,コンボ成立の可能性が高まる。2マナランドや《厳かなモノリス/Grim Monolith》を経由して,2-3ターン目に展開できれば,*3-5ターン目のコンボ成立は手堅い*。
もちろん,丸砥石コンボだけでなく,《Helm of Obedience》と《虚空の力線/Leyline of the Void》/《安らかなる眠り/Rest in Peace》を使ったヘルムヴォイド/ヘルムピースの成立もサポートされる。*丸砥石とヘルムコンボを両方使う*のもありだ。
ここしばらく大きな活躍のなかった丸砥石コンボやヘルムコンボがトーナメントで復活するかもしれない。それに合わせてこれらのコンボパーツの値段も高騰する可能性を感じる。早めにカードを集めたほうがいいだろう。
### 《太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun’s Heart》
Huatli, the Sun’s Heart / 太陽の義士、ファートリ (2)(緑/白)
伝説のプレインズウォーカー — ファートリ(Huatli)
あなたがコントロールしている各クリーチャーはそれぞれ、パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る。
[-3]:あなたは、あなたがコントロールしているクリーチャーの中で最大のタフネスに等しい点数のライフを得る。
7
引用: [太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun’s Heart - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%81%AE%E7%BE%A9%E5%A3%AB%E3%80%81%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA/Huatli,_the_Sun%27s_Heart)
これはトリッキーなカードだ。*ループジャンクションとのコンボ*が強力だ。ループジャンクションで無限タフネスとなるので,このカードがあれば,そのまま無限ライフを取得でき,そのまま無限ダメージを与えることができる。
無限ライフだけではゲームに勝利できないことがそれなりにある。その欠点を補うことができるので,面白いカードだ。
ただし,ループジャンクションは3枚コンボのため,コンボ成立のハードルがやや高い。そして,プレインズウォーカーのサーチは《ゲートウォッチ招致/Call the Gatewatch》くらいしか軽いカードがなく,これまたなかなか課題はある。
### 《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
灯争大戦で新しいギデオンが2種類登場した。そのうち,こちらのギデオンは単純に軽くて強い。
Gideon Blackblade / 黒き剣のギデオン (1)(白)(白)
伝説のプレインズウォーカー — ギデオン(Gideon)
あなたのターンであるかぎり、黒き剣のギデオンは破壊不能を持つ4/4の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。これはプレインズウォーカーでもある。
あなたのターン中に黒き剣のギデオンに与えられるダメージをすべて軽減する。
[+1]:あなたがコントロールしている他のクリーチャー最大1体を対象とする。ターン終了時まで、それは警戒か絆魂か破壊不能のうち、あなたが選んだ1つを得る。
[-6]:土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
4
引用: [黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E9%BB%92%E3%81%8D%E5%89%A3%E3%81%AE%E3%82%AE%E3%83%87%E3%82%AA%E3%83%B3/Gideon_Blackblade)
3マナ4/4 破壊不能相当で,居残ると-6の効果でアドバンテージをとれる。+1効果で破壊不能を自軍に付与できるので,《神の怒り/Wrath of God》と相性がいい。
自分のターンに自動的にクリーチャー化するので,《剣を鍬に/Swords to Plowshares》には注意が必要だろう。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》のほうが使いやすいかもしれないが,軽いのでこのカードも十分強い。
## 白
その他,自分のメインカラーである白のカードで気になるカードをレビューする。
### 《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》
Grateful Apparition / 奉謝の亡霊 (1)(白)
クリーチャー — スピリット(Spirit)
飛行
奉謝の亡霊がプレイヤー1人かプレインズウォーカー1体に戦闘ダメージを与えるたび、増殖を行う。(望む数のパーマネントやプレイヤーを選び、その後すでにそこにあるカウンター1種類につき、そのカウンターをもう1個与える。)
1/1
引用: [奉謝の亡霊/Grateful Apparition - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A5%89%E8%AC%9D%E3%81%AE%E4%BA%A1%E9%9C%8A/Grateful_Apparition)
2マナ1/1 飛行でプレイヤーに戦闘ダメージが入ると増殖が行える。単純に,プレインズウォーカーの忠誠度カウンターを増やしてもいいし,その他の+1/+1カウンターを増加させてもいい。2マナで回避能力持ちだと,無視できないだろう。《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》など,3マナプレインズウォーカーと相性がいい。
レガシーで通用するかどうかは微妙だが,スタンダードでは《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》と一緒に活躍しそうだ。
### 《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》
Tomik, Distinguished Advokist / 高名な弁護士、トミク (白)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) アドバイザー(Advisor)
飛行
戦場にある土地と墓地にある土地カードは、対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象にならない。
対戦相手は墓地から土地カードをプレイできない。
2/3
引用: [高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E9%AB%98%E5%90%8D%E3%81%AA%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E3%80%81%E3%83%88%E3%83%9F%E3%82%AF/Tomik,_Distinguished_Advokist)
強力な土地対策カードだ。土地単やロームを露骨に意識したようなカードだ。タフネスが3のおかげで,《護衛募集員/Recruiter of the Guard》でサーチできない代わりに,《罰する火/Punishing Fire》1回では除去されない。サイズ的に《セラの報復者/Serra Avenger》の立ち位置がやや怪しくなってきた。
ただ,単体のカードパワーがイマイチなので,メタゲーム次第だろうか。
### 《栄光の終焉/Finale of Glory》
Finale of Glory / 栄光の終焉 (X)(白)(白)
ソーサリー
警戒を持つ白の2/2の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンをX体生成する。Xが10以上であるなら、飛行と警戒を持つ白の4/4の天使(Angel)クリーチャー・トークンもX体生成する。
引用: [栄光の終焉/Finale of Glory - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E6%A0%84%E5%85%89%E3%81%AE%E7%B5%82%E7%84%89/Finale_of_Glory)
トークン生成カードとしては,かなり高いパフォーマンスを誇る。《十字軍/Crusade》などでの強化を前提とするならば,《荒野の確保/Secure the Wastes》の方が効率がいいが,こちらも悪くない。
しかし,トークン系デッキはゲームを決めるのにやや時間がかかる。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》や黒をタッチして手札破壊か,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《三なる宝球/Trinisphere》などの妨害要素が必須だろう。
### 《ギデオンの勝利/Gideon’s Triumph》
Gideon’s Triumph / ギデオンの勝利 (1)(白)
インスタント
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはこのターンに攻撃したかブロックしたクリーチャー1体を生け贄に捧げる。あなたがギデオン(Gideon)・プレインズウォーカーをコントロールしているなら、代わりにそのプレイヤーは該当するクリーチャー2体を生け贄に捧げる。
引用: [ギデオンの勝利/Gideon’s Triumph - MTG Wiki](http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%AE%E3%83%87%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%8B%9D%E5%88%A9/Gideon%27s_Triumph)
「攻撃したかブロックした」という記述が若干気になる。おそらく攻撃クリーチャー指定ステップかブロッククリーチャー指定ステップにキャスト可能だと解釈する。
《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》や《大祖始/Progenitus》類の対策として使われていた《天界のほとばしり/Celestial Flare》の上位互換だろう。もちろんギデオンと組み合わせると強力だが,単体でも悪くない。
## 結論
灯争大戦で気になるカードをレビューした。
特に,*《爆発域/Blast Zone》と《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が強力*だと感じた。《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》に関しては,**レガシー環境のメタゲームを動かす可能性**を感じる。
*《爆発域/Blast Zone》は1枚以上,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は3枚以上購入*するだろう。今のところ,両方共最安値が800円程度だ。自分の予想では,《爆発域/Blast Zone》は500円程度,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は1500円程度に落ち着くのではないかと予想している。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は,少なくともスタンダードでは出番がなく,モダンでも微妙ではないかとみている。やはりこのカードの活躍場所はレガシーだろう。
今後の価格動向を見守る。
ネメシス対策と気になったカード(迷宮の霊魂、オレスコスの王、ヘリオッドの槍)
2014年1月25日 review修論前の現実逃避。
==通称ネメシス
--------------------------------------------------------
真の名の宿敵/True-Name Nemesis (1)(青)(青)
クリーチャー ― マーフォーク(Merfolk)・ならず者(Rogue) C13, レア
真の名の宿敵が戦場に出るに際し、プレイヤーを1人選ぶ。
真の名の宿敵はプロテクション(選ばれたプレイヤー)を持つ。(このクリーチャーは選ばれたプレイヤーがコントロールするあらゆるものによって、ブロックされず、対象にならず。
--------------------------------------------------------
があまりにも強すぎると思うのだが、大丈夫か?
止められない、触れない、地上鉄壁の壁。どうしろと?しかもマーフォーク。もっとマイナー部族にしておけば良かったのに。ドワーフとか(笑)。
現実的な問題としては白単では以下の3通りの解決方法しかないのでは?
* 回避能力(空・プロテクション・シャドー)でプレイヤーを叩く
* 全体除去・非対象除去
* 軽減・回復・攻撃禁止・死なない(罠の橋・弱者の石・独房監禁・円・崇拝)
サイドの構成を練り直す必要があるかも。
==白単のサイド候補==
参考元:Shimpeisさん http://springfield.diarynote.jp/201312072334014682/
天界のほとばしり: ネメシス・でかぶつ
萎れ葉のしもべ:リリアナ、強化
漸増爆弾:ネメシス・未練のトークン
どれも目からうろこ。爆弾がウィニーに入るのはありかも。
==最近の気になったカード==
* オレスコスの王、プリマーズ:1WW 3/4 警戒 攻守時に猫トークン
猫!刃砦の英雄に似ている。軽くて硬い。良いカード。タフネス4は安心。タルモ・聖遺クラスまで耐えられるかな。萎れ葉の騎兵(トリプルシンボル)よりマナ拘束が軽いのも嬉しい。
* 迷宮の霊魂:1W 3/1 2枚以上カードを引けない
いろいろ話題のカード。サリアよりも活躍の場が広いかも。打点3も◎。ジェイスのアドを単体・先置きでデメリット無しに止めれるのが偉い。プレイ時間的にも鬱陶しいブレスト・思案を封じれるのも良い。森の知恵も止めれるのがかなりイイ。母とこいつでナカティルの攻撃を牽制できる。
* 万神殿の兵士:W 2/1 プロテクション多色
P多色は出番が難しいかも。
* ヘリオッドの槍:1WW 栄光の頌歌+罰?
勝ってる時も強い。負けている時も耐えれる。かなりすごいカードだと思う。白単トークンの有力カード。普通のウィニーに入れてもいけるかも。エルズペスを軸としたPW系のコントロールでも活躍しそう。ミシュラ土地や破棄者も強化されるのが強すぎる。
清浄の名誉は勝っている時に強いタイプだけど、これは別。マナがかかるのがネックだが、後半になればこれで半ば完封では?お守り代わりに2枚ほど仕込んでも面白いね。
* 権威の行動:1WW ETBでアーティファクトかエンチャントをリムーブ
うまくいけば2つ除去できてアドが取れる。ちらつき鬼火などのブリンクの相性も◎。
* 予期せぬ不在: XWW 土地以外の時間の泉
存在の破棄とか失脚とかと組み合わせてテンポ系デッキとかね。この手のカードは相手のドローを1回止めているぶんアドをとれていると思う。あまり実感ないけどね。
* 放逐する僧侶:1WW 2/2 悪鬼の狩人
こういう子は大事。ただし、相手のインスタント除去が怖い。
* 威圧する君主:1W 2/1 相手生物タップイン
高速系ビートだとこういうのは嬉しい。1ターン分攻撃回数が増えるから。
エンチャントのコスト軽減カードがあったような気がしたけどなんだっけ?
以下のカードは買う価値が高い。
# 迷宮の霊魂:1W 3/1 2枚以上カードを引けない
# オレスコスの王、プリマーズ:1WW 3/4 警戒 攻守時に猫トークン
# ヘリオッドの槍:1WW 栄光の頌歌+罰?
2月か3月久しぶりに大会に出て遊ぶのもいいかもしれない。
==通称ネメシス
--------------------------------------------------------
真の名の宿敵/True-Name Nemesis (1)(青)(青)
クリーチャー ― マーフォーク(Merfolk)・ならず者(Rogue) C13, レア
真の名の宿敵が戦場に出るに際し、プレイヤーを1人選ぶ。
真の名の宿敵はプロテクション(選ばれたプレイヤー)を持つ。(このクリーチャーは選ばれたプレイヤーがコントロールするあらゆるものによって、ブロックされず、対象にならず。
--------------------------------------------------------
があまりにも強すぎると思うのだが、大丈夫か?
止められない、触れない、地上鉄壁の壁。どうしろと?しかもマーフォーク。もっとマイナー部族にしておけば良かったのに。ドワーフとか(笑)。
現実的な問題としては白単では以下の3通りの解決方法しかないのでは?
* 回避能力(空・プロテクション・シャドー)でプレイヤーを叩く
* 全体除去・非対象除去
* 軽減・回復・攻撃禁止・死なない(罠の橋・弱者の石・独房監禁・円・崇拝)
サイドの構成を練り直す必要があるかも。
==白単のサイド候補==
参考元:Shimpeisさん http://springfield.diarynote.jp/201312072334014682/
天界のほとばしり: ネメシス・でかぶつ
萎れ葉のしもべ:リリアナ、強化
漸増爆弾:ネメシス・未練のトークン
どれも目からうろこ。爆弾がウィニーに入るのはありかも。
==最近の気になったカード==
* オレスコスの王、プリマーズ:1WW 3/4 警戒 攻守時に猫トークン
猫!刃砦の英雄に似ている。軽くて硬い。良いカード。タフネス4は安心。タルモ・聖遺クラスまで耐えられるかな。萎れ葉の騎兵(トリプルシンボル)よりマナ拘束が軽いのも嬉しい。
* 迷宮の霊魂:1W 3/1 2枚以上カードを引けない
いろいろ話題のカード。サリアよりも活躍の場が広いかも。打点3も◎。ジェイスのアドを単体・先置きでデメリット無しに止めれるのが偉い。プレイ時間的にも鬱陶しいブレスト・思案を封じれるのも良い。森の知恵も止めれるのがかなりイイ。母とこいつでナカティルの攻撃を牽制できる。
* 万神殿の兵士:W 2/1 プロテクション多色
P多色は出番が難しいかも。
* ヘリオッドの槍:1WW 栄光の頌歌+罰?
勝ってる時も強い。負けている時も耐えれる。かなりすごいカードだと思う。白単トークンの有力カード。普通のウィニーに入れてもいけるかも。エルズペスを軸としたPW系のコントロールでも活躍しそう。ミシュラ土地や破棄者も強化されるのが強すぎる。
清浄の名誉は勝っている時に強いタイプだけど、これは別。マナがかかるのがネックだが、後半になればこれで半ば完封では?お守り代わりに2枚ほど仕込んでも面白いね。
* 権威の行動:1WW ETBでアーティファクトかエンチャントをリムーブ
うまくいけば2つ除去できてアドが取れる。ちらつき鬼火などのブリンクの相性も◎。
* 予期せぬ不在: XWW 土地以外の時間の泉
存在の破棄とか失脚とかと組み合わせてテンポ系デッキとかね。この手のカードは相手のドローを1回止めているぶんアドをとれていると思う。あまり実感ないけどね。
* 放逐する僧侶:1WW 2/2 悪鬼の狩人
こういう子は大事。ただし、相手のインスタント除去が怖い。
* 威圧する君主:1W 2/1 相手生物タップイン
高速系ビートだとこういうのは嬉しい。1ターン分攻撃回数が増えるから。
エンチャントのコスト軽減カードがあったような気がしたけどなんだっけ?
以下のカードは買う価値が高い。
# 迷宮の霊魂:1W 3/1 2枚以上カードを引けない
# オレスコスの王、プリマーズ:1WW 3/4 警戒 攻守時に猫トークン
# ヘリオッドの槍:1WW 栄光の頌歌+罰?
2月か3月久しぶりに大会に出て遊ぶのもいいかもしれない。
ルール改正と気になったカードのメモ
2013年6月24日 review研究進めるのが疲れたので更新。
ルール改定があったようなのでメモ。
[ルール改定]
期間:7月13日から適用
・レジェンドルール
- 相手が伝説のパーマネントを出していても追消滅しなくなった。自分のコントロールするもののみ関係する。自分が2つだすと片方のみを墓地に置く、に代わった。しかも墓地に置く方は選べる。プレインズウォーカーも同様。
・サイドが15枚まで
- サイド後サイドからカードを追加して、メインデッキが60枚を超えてもよくなった。
参考: http://indexofamyr.ldblog.jp/archives/1682590.html
気になったカード
・前線の衛生兵
3マナ3/3でアタック時破壊されないはなかなか心強い。が条件付きなので物足りないか。
・ボロスの反抗者
相手の普通の生物ならいくらサイズが大きくても相打ちをとれる可能性があるので、アタッカーとしてもブロッカーとしても心強い。とも相性がよさそうだが、トリプルシンボルがネックか。
雑感
・環境を打開してくれそうな白い生物がでないかと思ったが個人的にはなかった。
・今月中に進路が決まる予定。たぶん最初の数年は東京勤務。環境で解析(でIT)な会社。
・研究の方がやはり実用的なので当分MTGはしないと思う。
・フリーソフトにはまっている。LibreOffice、Vim、LaTeX、LyX、JabRef、bash、GIMPなど
・LPICという資格試験に興味を持った
ルール改定があったようなのでメモ。
[ルール改定]
期間:7月13日から適用
・レジェンドルール
- 相手が伝説のパーマネントを出していても追消滅しなくなった。自分のコントロールするもののみ関係する。自分が2つだすと片方のみを墓地に置く、に代わった。しかも墓地に置く方は選べる。プレインズウォーカーも同様。
・サイドが15枚まで
- サイド後サイドからカードを追加して、メインデッキが60枚を超えてもよくなった。
参考: http://indexofamyr.ldblog.jp/archives/1682590.html
気になったカード
・前線の衛生兵
3マナ3/3でアタック時破壊されないはなかなか心強い。が条件付きなので物足りないか。
・ボロスの反抗者
相手の普通の生物ならいくらサイズが大きくても相打ちをとれる可能性があるので、アタッカーとしてもブロッカーとしても心強い。とも相性がよさそうだが、トリプルシンボルがネックか。
雑感
・環境を打開してくれそうな白い生物がでないかと思ったが個人的にはなかった。
・今月中に進路が決まる予定。たぶん最初の数年は東京勤務。環境で解析(でIT)な会社。
・研究の方がやはり実用的なので当分MTGはしないと思う。
・フリーソフトにはまっている。LibreOffice、Vim、LaTeX、LyX、JabRef、bash、GIMPなど
・LPICという資格試験に興味を持った
ラブニカへの回帰の注目白カード
2012年9月25日 review公式で全リストが上がったので,白単で使えるカードで気になるものを上げていきたいと思う。
■ 剣術の名手
2マナ1/1 二段攻撃兵士
今まで白単色で2マナで2段攻撃を持っている子はいないのでかなり注目しています。
単色で《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher》,《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
《炉火のホブゴブリン/Hearthfire Hobgoblin》と合わせて16ダブルストライカーズとか組めそう。《コーの決闘者/Kor Duelist》をいれたら20 2段攻撃…
兵士なのもポイント
2段攻撃はパワーが1上がっただけで打点が2増えるため,《十字軍/Crusade》なんかの+1/+1修正でもかなりの恩恵を受けられる。
2/2 でも2段攻撃で4点。3/3だと6点。十字軍で強化することを考えたら,単純なダメージの計算では,《幽体の行列/Spectral Procession》も《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》も同じ。
実際には除去耐性や回避能力などを考慮しないといけないけど。装備品などによる爆発力は2段攻撃が上。
この子はばける可能性があると思う。
レガシーで使うなら,石鍛冶とおそらく群れの統率者アジャニや《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》と組み合わせることになると思う。
石鍛冶だけでは不十分。最初の2枚は相手の十手との対消滅で消えることがほぼ前提だからだ。
スタンでもアジャニとの組み合わせは有効なんじゃないだろうか?ミラクルが落ちるからちょいきついか。
■ 管区の隊長
2マナ2/2 先制攻撃兵士
プレイヤーに戦闘ダメージが入ると1/1トークン
こいつも兵士。《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》と相性がよさそう。
青白やコンボ相手だと相手の生物の基本サイズが小さいので強そうだけど,それ以外の相手にはサイズが物足りない。先制攻撃でなく飛行だったら…強すぎか。
兵士デッキで活躍しそう。
■ 安らかなる眠り
ETB(Enter the Battlefield) で墓地除去+両方虚空の力線
個人的に最高クラスの墓地対策カードだと思っている。
後出ししても先出ししてもOK。
墓地対策としての《太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moon》が不要になる。
おそらく買うと思う。
■封鎖作戦
エンチャント土地で出たとき2/2 警戒騎士トークン
土地にはプレイヤーへのダメージ軽減能力を付加
エンチャント土地で生物を出せるため隙がない。よいカードだと思う。
■ドライアドの闘士
2/1 兵士
こいつも兵士です。
昔《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を使っていたのがあほらしくなるね…。
しかし,僕はおそらくこの子は使わない。貧弱すぎる。そのわりにこの能力はクリティカルでない。
サイズが同じ《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》は能力がゲームを決めるクリティカルなカード(十手・ジェイス爆薬渋面など)を止めることができて受けが広いから使っている。それに対してこの子はそれだけの受けの広さを持っていないと思う。
この子の居場所は兵士デッキだと思う。
最近,コンボ系に有効な兵士(サリアとこの子)が登場したおかげでひそかに兵士デッキがいま熱いのではないかと思っています。
■審問官の使い魔
1/1 飛行 《呪い捕らえ/Cursecatcher》
昔《陽光尾の鷹/Suntail Hawk》や《灯籠の神/Lantern Kami》を以下略。
この子は一発通せば勝ち的なパワーカードを通すための補助的な使い方が一番強いと思う。
生物としての戦闘力は期待しないほうがいい。4積みして後半にひいたら悲しいと思う。
白ではこういった妨害カードが増えてうれしい。近年では《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》,《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》あたり。
個人的には《ハルマゲドン/Armageddon》と相性がいいと思っている。
■隔離する成長
解呪+居住
うまくいけばアドをとれるので注目している。けれど,トークンを使っているという条件が特殊すぎる気もする。
白単トークンで出番があるか?
以上。
安らかなる眠りだけそのうち買うと思います。他は様子見。
■ 剣術の名手
2マナ1/1 二段攻撃兵士
今まで白単色で2マナで2段攻撃を持っている子はいないのでかなり注目しています。
単色で《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher》,《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
《炉火のホブゴブリン/Hearthfire Hobgoblin》と合わせて16ダブルストライカーズとか組めそう。《コーの決闘者/Kor Duelist》をいれたら20 2段攻撃…
兵士なのもポイント
2段攻撃はパワーが1上がっただけで打点が2増えるため,《十字軍/Crusade》なんかの+1/+1修正でもかなりの恩恵を受けられる。
2/2 でも2段攻撃で4点。3/3だと6点。十字軍で強化することを考えたら,単純なダメージの計算では,《幽体の行列/Spectral Procession》も《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》も同じ。
実際には除去耐性や回避能力などを考慮しないといけないけど。装備品などによる爆発力は2段攻撃が上。
この子はばける可能性があると思う。
レガシーで使うなら,石鍛冶とおそらく群れの統率者アジャニや《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》と組み合わせることになると思う。
石鍛冶だけでは不十分。最初の2枚は相手の十手との対消滅で消えることがほぼ前提だからだ。
スタンでもアジャニとの組み合わせは有効なんじゃないだろうか?ミラクルが落ちるからちょいきついか。
■ 管区の隊長
2マナ2/2 先制攻撃兵士
プレイヤーに戦闘ダメージが入ると1/1トークン
こいつも兵士。《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》と相性がよさそう。
青白やコンボ相手だと相手の生物の基本サイズが小さいので強そうだけど,それ以外の相手にはサイズが物足りない。先制攻撃でなく飛行だったら…強すぎか。
兵士デッキで活躍しそう。
■ 安らかなる眠り
ETB(Enter the Battlefield) で墓地除去+両方虚空の力線
個人的に最高クラスの墓地対策カードだと思っている。
後出ししても先出ししてもOK。
墓地対策としての《太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moon》が不要になる。
おそらく買うと思う。
■封鎖作戦
エンチャント土地で出たとき2/2 警戒騎士トークン
土地にはプレイヤーへのダメージ軽減能力を付加
エンチャント土地で生物を出せるため隙がない。よいカードだと思う。
■ドライアドの闘士
2/1 兵士
こいつも兵士です。
昔《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を使っていたのがあほらしくなるね…。
しかし,僕はおそらくこの子は使わない。貧弱すぎる。そのわりにこの能力はクリティカルでない。
サイズが同じ《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》は能力がゲームを決めるクリティカルなカード(十手・ジェイス爆薬渋面など)を止めることができて受けが広いから使っている。それに対してこの子はそれだけの受けの広さを持っていないと思う。
この子の居場所は兵士デッキだと思う。
最近,コンボ系に有効な兵士(サリアとこの子)が登場したおかげでひそかに兵士デッキがいま熱いのではないかと思っています。
■審問官の使い魔
1/1 飛行 《呪い捕らえ/Cursecatcher》
昔《陽光尾の鷹/Suntail Hawk》や《灯籠の神/Lantern Kami》を以下略。
この子は一発通せば勝ち的なパワーカードを通すための補助的な使い方が一番強いと思う。
生物としての戦闘力は期待しないほうがいい。4積みして後半にひいたら悲しいと思う。
白ではこういった妨害カードが増えてうれしい。近年では《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》,《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》あたり。
個人的には《ハルマゲドン/Armageddon》と相性がいいと思っている。
■隔離する成長
解呪+居住
うまくいけばアドをとれるので注目している。けれど,トークンを使っているという条件が特殊すぎる気もする。
白単トークンで出番があるか?
以上。
安らかなる眠りだけそのうち買うと思います。他は様子見。
イニストラード注目カード
2011年9月19日 review新エキスパンションのイニストラードのカードリストが公開されたようです。
http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig
タイミングを逃さないうちに気になるカードを列挙・コメント。
・ 教区の勇者
白単1マナのエースカード。人間はもともと多いのでサイズが期待できる。この子のために、人間を増やす価値はあると思う。
・ 悪鬼の狩人
除去できる生物が弱いわけがない。全体除去には弱いけれど…
・ 無形の美徳
このカードはトークンデッキの再来を予感させられる。《苦花/Bitterblossom》や《幽体の行列/Spectral Procession》、《目覚めの領域/Awakening Zone》やゴブリントークン出すカードや生体武器など
・ 深夜の出没
インスタントでトークンを出すカードは《急報/Raise the Alarm》と《兵員への参加/Join the Ranks》くらい。飛行が付いているのはかなりポイント高い。
・ 月皇ミケウス
これまたトークンと相性がよい。剣鍬をケアするためにも中盤から出すのがよいか?普通に2T目に出してももちろん強そう…
・ 金輪際
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》からのサーチで役に立ちそう。でも3マナがな
・ 石のような静寂
《無のロッド/Null Rod》が高くなってきたので嬉しい。今の環境からアーティファクト対策は
されてきているのでエンチャントなのは除去されずらくてよい
・ 夜の衝突
ドラコ爆発の《燃え立つ願い/Burning Wish》からサーチできるナイスカード
・ 《古えの遺恨/Ancient Grudge》の再録
石鍛冶メタかね…
とりあえずこんなところかな。
瞬唱の魔道士とか強いカードはあるけどいいや。
以上。
http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/cig
タイミングを逃さないうちに気になるカードを列挙・コメント。
・ 教区の勇者
白単1マナのエースカード。人間はもともと多いのでサイズが期待できる。この子のために、人間を増やす価値はあると思う。
・ 悪鬼の狩人
除去できる生物が弱いわけがない。全体除去には弱いけれど…
・ 無形の美徳
このカードはトークンデッキの再来を予感させられる。《苦花/Bitterblossom》や《幽体の行列/Spectral Procession》、《目覚めの領域/Awakening Zone》やゴブリントークン出すカードや生体武器など
・ 深夜の出没
インスタントでトークンを出すカードは《急報/Raise the Alarm》と《兵員への参加/Join the Ranks》くらい。飛行が付いているのはかなりポイント高い。
・ 月皇ミケウス
これまたトークンと相性がよい。剣鍬をケアするためにも中盤から出すのがよいか?普通に2T目に出してももちろん強そう…
・ 金輪際
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》からのサーチで役に立ちそう。でも3マナがな
・ 石のような静寂
《無のロッド/Null Rod》が高くなってきたので嬉しい。今の環境からアーティファクト対策は
されてきているのでエンチャントなのは除去されずらくてよい
・ 夜の衝突
ドラコ爆発の《燃え立つ願い/Burning Wish》からサーチできるナイスカード
・ 《古えの遺恨/Ancient Grudge》の再録
石鍛冶メタかね…
とりあえずこんなところかな。
瞬唱の魔道士とか強いカードはあるけどいいや。
以上。
http://www.wizards.com/magic/tcg/products.aspx?x=mtg/tcg/products/mirrodinbesieged
公式の画像付きカードリストが出始めてますね。今日気づいてみてきましたが、2マナ生物でかなりよい子が出てますね。
まずは《レオニンの遺物囲い》。
《未達への旅》や《忘却の輪》と同じような感じ。しかし生物であり、リムーブは任意となっている。なのでビートデッキでもすんなり採用できる。白で《クァーサルの群れ魔道士》にかなり近い子だといえる。CIPなので《ちらつき鬼火》で疑似的に再利用できるのも見逃せないポイント。
そして噂の真髄の針持ち生物の《ファイレクシアの破棄者》。
土地は指定できないけれど、代わりにマナ能力も防げるので、《ライオンの瞳のダイアモンド》や《貴族の教主》はては《食物連鎖》までいける。
一番のポイントはやはり色を選ばなくて生物な点。過去には《ガドック・ティーグ》や《エーテル宣誓会の法学者》、《翻弄する魔道士》などメタカードはあったけれど、この子はビートなら普通にメインから積める。今の環境起動型能力のないデッキ自体ほとんどないと思うので、かなり良い子と思う。
あとは《霊気の薬瓶》から出すことで《師範の占い独楽》などをあたかも《クローサの掌握》のように隙なくつぶせること。生物なので除去には弱いけれど、メインからアタッカーとして採用しやすい利点を考えればあまり(私は)気にならない。
あとはこの子も鬼火で疑似再利用できる点。さらには無色なので《美徳の喪失》や《光と影の剣》などもすり抜けられる。
スタンからヴィンテージまで汎用性がかなり高いのでMTG環境に大きな影響を与える1枚になると伺える。
初動1000円からかな…。
とにかく以上2種は必ず手に入れたいカードです。わくわくしてきた。
コメント
ごはんは飯屋 ごはんは飯屋2011年2月5日1:57
コメント返しが遅くなってしまい申し訳ありません。
Revokerは自分も気になっていたのですが、非神話ということなのか、比較的安め(400~500円)からのスタートで必要枚数集めるのに苦労しないかな、というところでホッとしました。
マナ能力が止められる、ということで今後増えそうな親和エルフ相手に「遺産のドルイド」を指定できるのはやれる子ですね。
こちらからもリンクさせていただきました。
イエネコ イエネコ2011年2月5日21:22
お返事ありがとうございます。
いきなり書き込んだので反応は期待してないので問題ないですよ(笑)。
破棄者は地元のお店に発売日にいくと1650円だったので高いなと思いまだ保留してます。針が昔1000円くらいだったので500円くらいならまようわず4枚買うだろうにな…
発売したてで値段の変化がギャンブルみたいでおもしろいのでいろいろ見て、買うタイミングを決めたいです。
公式の画像付きカードリストが出始めてますね。今日気づいてみてきましたが、2マナ生物でかなりよい子が出てますね。
まずは《レオニンの遺物囲い》。
《未達への旅》や《忘却の輪》と同じような感じ。しかし生物であり、リムーブは任意となっている。なのでビートデッキでもすんなり採用できる。白で《クァーサルの群れ魔道士》にかなり近い子だといえる。CIPなので《ちらつき鬼火》で疑似的に再利用できるのも見逃せないポイント。
そして噂の真髄の針持ち生物の《ファイレクシアの破棄者》。
土地は指定できないけれど、代わりにマナ能力も防げるので、《ライオンの瞳のダイアモンド》や《貴族の教主》はては《食物連鎖》までいける。
一番のポイントはやはり色を選ばなくて生物な点。過去には《ガドック・ティーグ》や《エーテル宣誓会の法学者》、《翻弄する魔道士》などメタカードはあったけれど、この子はビートなら普通にメインから積める。今の環境起動型能力のないデッキ自体ほとんどないと思うので、かなり良い子と思う。
あとは《霊気の薬瓶》から出すことで《師範の占い独楽》などをあたかも《クローサの掌握》のように隙なくつぶせること。生物なので除去には弱いけれど、メインからアタッカーとして採用しやすい利点を考えればあまり(私は)気にならない。
あとはこの子も鬼火で疑似再利用できる点。さらには無色なので《美徳の喪失》や《光と影の剣》などもすり抜けられる。
スタンからヴィンテージまで汎用性がかなり高いのでMTG環境に大きな影響を与える1枚になると伺える。
初動1000円からかな…。
とにかく以上2種は必ず手に入れたいカードです。わくわくしてきた。
コメント
ごはんは飯屋 ごはんは飯屋2011年2月5日1:57
コメント返しが遅くなってしまい申し訳ありません。
Revokerは自分も気になっていたのですが、非神話ということなのか、比較的安め(400~500円)からのスタートで必要枚数集めるのに苦労しないかな、というところでホッとしました。
マナ能力が止められる、ということで今後増えそうな親和エルフ相手に「遺産のドルイド」を指定できるのはやれる子ですね。
こちらからもリンクさせていただきました。
イエネコ イエネコ2011年2月5日21:22
お返事ありがとうございます。
いきなり書き込んだので反応は期待してないので問題ないですよ(笑)。
破棄者は地元のお店に発売日にいくと1650円だったので高いなと思いまだ保留してます。針が昔1000円くらいだったので500円くらいならまようわず4枚買うだろうにな…
発売したてで値段の変化がギャンブルみたいでおもしろいのでいろいろ見て、買うタイミングを決めたいです。
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