## 概要
[2021-02-15に禁止改定](https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034792/)が発表されたので感想を記す。

[前回の突然の発表](https://mtg.senooken.jp/post/2020/06/13/)以来の約1年ぶりの禁止改定となる。

今回の禁止改定の内容は以下の通りだ。

告知日:2021年2月15日

ヒストリック
《創造の座、オムナス》 禁止(一時停止から)
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 禁止

パイオニア
《欄干のスパイ》 禁止
《時を解す者、テフェリー》 禁止
《地底街の密告人》 禁止
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 禁止
《荒野の再生》 禁止

モダン
《死者の原野》 禁止
《神秘の聖域》 禁止
《猿人の指導霊》 禁止
《ティボルトの計略》 禁止
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 禁止

レガシー
《アーカムの天測儀》 禁止
《戦慄衆の秘儀術師》 禁止
《王冠泥棒、オーコ》 禁止

ヴィンテージ
《夢の巣のルールス》 禁止解除

ルール変更
 加えて、古いフォーマットでの相互作用を抑えるため、続唱のルールを更新します。このルールは、Magic Onlineでは2月17日水曜日に実装されます。続唱の新ルールは以下のとおりです。

702.84a 続唱は、続唱を持つ呪文がスタックにある間にのみ機能する誘発型能力である。「続唱/Cascade」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、点数で見たマナ・コストがこの呪文より低い土地でないカードが取り除かれるまで追放する。その点数で見たマナ・コストがその呪文の点数で見たマナ・コストよりも小さいなら、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより追放されて唱えられなかったすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。」を意味する。

発効日:2021年2月15日

Magic Onlineにおける続唱のルールの発効日: 2021年2月17日


スタンダード以外のフォーマットで多くのカードが禁止された。エターナル構築以外では,《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》の禁止が目に付く内容だった。

また,続唱のルールが変更された。

順番に記していく。

## 続唱
まず,全フォーマットに影響のある続唱ルール変更では,エルドレインの王権の当事者カードと,ゼンディカーの夜明けで再登場した両面カードをいつでも両面をプレイできるように,続唱のルールが修正された。

今回のルール変更前だと,続唱で両面カードの第2面と当事者カードの出来事をキャストできなかったのだと思われる。

エターナル構築の続唱は,《超起源/Hypergenesis》を使ったハイパージェネシスか,《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》か《断片無き工作員/Shardless Agent》を用いたジャンド,BUG続唱がメインとなる。

残念ながら,白には続唱がないので,自分にはあまり縁のない能力だ。

## ヒストリック,パイオニア,モダン
通常の構築フォーマットでの禁止改定をまとめて記す。

共通して,《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》が禁止となった。このカードは,レガシーでも対応が難しいため,それよりカードプールの浅い構築フォーマットで禁止となるのは順当と感じる。

エルドラインの王権の《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》から,青緑が連続して圧倒的に強化されすぎていたので,やむを得ないだろう。

その他に禁止されたカードでは,カルドハイムの《ティボルトの計略/Tibalt’s Trickery》に興味をもった。《超起源/Hypergenesis》や《変身/Polymorph》のような,ライブラリーから直接カードをプレイするタイプのインスタントとなっている。

モダンにおいて,デッキ内の呪文を続唱とこのカードと《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》だけにして,残りを土地にするデッキが存在しており,これが問題視されたようだ。

そういえば,先日《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》が5500円と高額にもかかわらず,フリマで売却できたのは,これが影響あったのかもしれない。

色が違うのであまり興味がないが,エターナル構築では引き続き構築可能なので,エターナル構築での動向を見守りたい。

## レガシー
自分のメインフォーマットのレガシーでは,ここ2年間環境を支配してきた以下のカードが軒並み禁止となった。

1. 《アーカムの天測儀/Arcum’s Astrolabe》
2. 《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》
3. 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》

オーコ系のミラクルや,デルバーがメタゲームをやや支配しており,白ウィニー使いの自分としても苦しめられてきた。

《爆発域/Blast Zone》でオーコと秘儀術師を処理したり,《虚空の杯/Chalice of the Void》で《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》を止めたり,デッキ構築もこれらを念頭においたものに変えざるをえなかった。

とうとう禁止されてしまった。これらのカードで駆逐されたカード・デッキが復帰して,レガシー環境のデッキ,カードの多様性は増えるだろう。

ただ,個人的にはよく見かけていたこれらのカードが禁止されてしまい,もう見かけることがなくなると思うと,なんだか物寂しく感じる。

レガシーはパワーカードのぶつけ合いという面もあり,それが面白いところでもあった。また何かの機会で禁止解除を待ちたい。

レガシーでは,《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》を引き続き使用可能であるが,3ターン目に即座にキャストできた《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》と比べると,若干ましかもしれない。今まで両方使えて鬼だったのが,若干緩和されたかもしれない。

## ヴィンテージ
ヴィンテージでは,2020年に登場して[すぐ禁止](https://mtg.senooken.jp/post/2020/06/03/)されてしまった《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》の禁止が解除された。

禁止時に相棒ルールが変更されて,サイドボードから3マナ払うことで手札に加えるルールとなった。これを受けて,速度が大幅に低下するので,禁止を解除して経過観察状態になったようだ。

禁止解除は素直に喜ばしい。ヴィンテージはMTGのほぼ全てのカードが使用可能な点が,醍醐味であるため,そこに例外として禁止が追加されたのはよくなかった。

レガシーでは《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》と《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》が相変わらず禁止状態だが,ヴィンテージでの動向次第では,こちらも禁止解除になる可能性がある。

禁止解除に備えて,これらのカード,特にこのためだけに《厳かなモノリス/Grim Monolith》を追加で3枚購入した《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》の収集を進めたい。

## 結論
2021-02-15の禁止改定について感想を記した。

《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》と《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》が禁止されたのは,白使いとしてはありがたいが,プレイヤーとしては物寂しい。

これらを採用していたデッキが,その穴埋めをどうするのか,動向を見守りたい。
禁止改定: MTGと白ウィニーの歴史を否定する愚かな突然の告知
## 概要
元々,連続で投稿するつもりはなかったのだが,急な話題がでてきたため,意図しない連投となった。

[2020-06-10 Wedに禁止改定](https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034052/)が発表されたので感想を記す。

今回の禁止改定は事前予告が一切なく,急遽行われたものだ。

## 改定
肝心の禁止改定の内容は以下の通りだ。

2020年6月10日

Invoke Prejudice
Cleanse
Stone-Throwing Devils
プラデッシュの漂泊民/Pradesh Gypsies
Jihad
Imprison
十字軍/Crusade

 以上のカード画像は、以下の声明文に置き換わります。

「人種差別を想起させる描写や文言が含まれるカードにつきまして、私たちのデータベースからカード画像を削除いたしました。どのような形であれ人種差別的要素は受け入れがたく、私たちのゲームはもちろん、いかなる場所においても存在が許されるものではありません。」

 加えて、上記のカードはすべての認定イベントにおいて使用禁止となります。


今回の禁止改定はここ2020-05-25に発生したアメリカでの黒人殺害事件の影響を受けたもののようだ。

## 背景
海外での事件であり,詳細を把握していなかったので,「[白人警官はなぜ黒人を殺害するのか 日本人が知らない差別の仕組み | 文春オンライン](https://bunshun.jp/articles/-/38288)」を見て全容を確認した。

2020-05-25にアメリカミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人 (黒人) のジョージ・フロイドが白人警官に首を絞められて殺害されたようだ。その翌日,この事件を受けて抗議デモが現地で起き,これが全米に広がったというのが経緯のようだ。

ただ,上記記事ではこの程度の事実しか書かれておらず,肝心の殺害の動機や背景が書かれていない。大学院での研究経験から,この手のニュースの一次情報源の特定は骨の折れる作業とわかっているので,深入りはせず,代わりに過剰な反応も避ける。

## 感想
事件についてはおいておくとして,肝心の禁止改定の内容だが,この事件を受けてMTGの初期に収録されていた人種差別を連想させるようなカードを,公式のDBから画像を削除し,全フォーマット (主にレガシー,ヴィンテージ,統率者) で禁止という内容だった。

禁止されたカードは基本的に使われていないようなカードがメインなのだが,白ウィニー使いとして見逃せないカードが禁止対象となっていた。

それは,《十字軍/Crusade》だ!

MTG黎明期の白にとって,《神の怒り/Wrath of God》と《ハルマゲドン/Armageddon》と共に三大レアカードとして,白ウィニーにとって必須カードとしてトーナメントで大きく活躍したカードだ。

白ウィニーの歴史,ひいてはMTGの歴史にとって,欠かすことのできない代表的なカードだ。実際に,2009-07-17に基本セット2010で《清浄の名誉/Honor of the Pure》が収録されるまで,自分の[初期のレガシーの白ウィニー](https://mtg.senooken.jp/post/2011/07/31/)で使っていた。

《十字軍/Crusade》+《セラの報復者/Serra Avenger》の組み合わせで,相手の《稲妻/Lightning Bolt》による除去を阻止したり,いわずもがな《幽体の行列/Spectral Procession》との組み合わせは強力で,多くの勝利をもたらしてくれた。

十字軍という世界史に載るような史実を元にしたカードとなっている。今回,人種差別に繋がるとして,禁止対象に含まれてしまった。

《十字軍/Crusade》が禁止されたというのは自分にとってインパクトが大きいのだが,《十字軍/Crusade》以外のカードについても,今回の禁止は到底納得できるものではない。

後になって,過去の歴史をなかったことになんてできない。今さら禁止しても意味がない。それどころが,今までのMTGの歴史そのものを否定することになりかねない。

そもそも,MTGには過去にも戦争を連想させるものや,グロいものなど,人種差別以外にも見方によっては危ない表現も含まれている。それに,アジアや日本を舞台にした神河ブロックだって存在する。

仮に今後,米中関係が悪化して戦争が起きそうな状況になったからといって,戦争を連想させるカード群を一斉に禁止にするのか? (貿易) 戦争相手が気に入らないからといって,神河ブロックをなかったことにするのか?

今回の禁止改定は表現の自由に関するものであり,今後の社会情勢を受けた禁止改定を示唆するものとなってしまった。

この点に関しては,Kudou_MTGさんの「[人種差別的として7枚のカードを禁止にした件について](https://mtgreportblog.diarynote.jp/202006121035423717/)」と同意見だ。

似たようなもので,直近で《虚空を招くもの/Void Beckoner》のゴジラシリーズ・カードの「死のコロナビーム、スペースゴジラ/Spacegodzilla, Death Corona」が問題のあるカード名として「虚空の侵略者、スペースゴジラ/Spacegodzilla, Void Invader」に変更された。

こちらも,元々の名前に悪気があったものでなく,文脈として適切だっただけに不憫だった。だが,こちらはカード名が変更されただけで禁止ではなく,むしろ初版のカードにプレミアがついた分,どちらかというとユーザーにとって利点があった。そのため,結果オーライで最終的に問題なかったと思っている。

ただ,今回は名前やイラストの変更ではなく,イラストのDBからの削除に加えて,カードの禁止という社会情勢や世論を受けた安易なルール変更となっている。もう少しやりようがあったのではないか?

例えば,2020-03-09の国際女性デーを記念した女性キャラクターの収録した「[Secret Lair Drop Series: International Women’s Day 2020](http://mtgwiki.com/wiki/Secret_Lair_Drop_Series#International_Women.27s_Day_2020)」が発売された。

これと同じように,過去のイラストを破棄する代わりに,シークレットレイアーで今回禁止対象となったカードの別イラスト版を販売して補填すればよかったのではないか?気に入らないものを抹消するのではなく,対策するにしてももう少し前向きな対策を考えてほしかった。

## 結論
今回急遽行われた禁止改定はMTGの歴史を否定する安易で愚かな内容だった。元々のカードたちには何の悪気もなく,それで問題が起きたわけでもない。実際に何年もトーナメントでも活躍してきた。それが,今頃になって目の上のたんこぶ扱いだ。

人種差別というのがそもそもよくないのだが,差別に対して別の差別で対応しても,それは解決になっていないのではないか?

今回の禁止改定はMTGの歴史の改変・改ざんを意図したものであり,今後の歴史改変・改ざん示唆するものとなり,将来におけるリスクを孕むことになり,非常に残念な禁止改定だった。
## 概要
[2020-06-01 Monに禁止改定](https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034028/)が発表されたので感想を記す。

今回の禁止改定の内容は以下の通りだ。

告知日:2020年6月1日
新しい相棒ルール

 各ゲーム中に1度だけ、あなたはソーサリーを唱えられるとき(あなたのメイン・フェイズの間でスタックが空であるとき) に{3}を支払うことでサイドボードからあなたの相棒をあなたの手札に加えることができる。これは特別な処理であり、起動型能力ではない。


スタンダード

《裏切りの工作員》禁止
《創案の火》禁止

ヒストリック

《裏切りの工作員》一時停止
《創案の火》一時停止

テーブルトップ発効日(ルールおよび禁止制限):2020年6月1日

Magic OnlineおよびMTGアリーナ ルール変更発効日:2020年6月4日

Magic Online 禁止制限発効日:2020年6月1日

MTGアリーナ 禁止制限発効日:2020年6月4日


事前に予告のあった相棒能力のエラッタが出された。その他,スタンダードと《裏切りの工作員/Agent of Treachery》と《創案の火/Fires of Invention》の禁止,MTGA専用のヒストリックで《裏切りの工作員/Agent of Treachery》と《創案の火/Fires of Invention》の一時停止という内容だった。

## 相棒
新しい相棒ルールということで実質的にエラッタが出された。エラッタは能力の整理などで昔のカードでよくあった記憶がある。最近だとプレインズウォーカーが伝説になったところが印象的だ。そのため,新しくエラッタが出たのは珍しい。

肝心の新しい相棒のルールだが,個人的には妥当だと思った。登場時のルールだとそのままキャストが可能で,即時性が高く,ゲームに与える影響が大きすぎた。これくらいであれば,速度も緩和されて順当ではないかと思った。

《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》にしても《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》にしても,白使いとしては今まで白には存在しなかったタイプの能力を持っており,仮に相棒無しで十分に活用の余地があると思っている。

どうせなら発表と同時にヴィンテージとレガシーで禁止された《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》や《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》の禁止も解除してくれたらよかったのにと思った。

## 《裏切りの工作員/Agent of Treachery》と《創案の火/Fires of Invention》
スタンダードはやっていないのだが,噂はきいていた。

《裏切りの工作員/Agent of Treachery》は《押収/Confiscate》が6マナであることを考えると,順当なカードではあるのだが,たまたま高マナコストのクリーチャーのコストを踏み倒せるカードが存在する都合で禁止となったらしい。やや以外な印象を持った。

その他,《創案の火/Fires of Invention》だが,土地の枚数以下の呪文を2個までキャスト可能ということで,比較的順当に感じるのだが,丁度イコリア:巨獣の棲処で根本原理サイクルが収録されたのもあり,色拘束の強いパワーカードが環境にあるのもあり,禁止となったようだ。

自分の感覚としては,スタンダードでの禁止というのはミラディンでの親和のイメージが強すぎて,最近だとせいぜい《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》くらいが順当に感じている。

カードパワーが全体的に上がってきており,今回のスタンダードでの禁止改定は組み合わせの問題という印象を持った。

## 結論
[先日のヴィンテージとレガシーでの相棒の禁止](https://mtg.senooken.jp/post/2020/05/19/)に続いた禁止改定であり,慌ただしく感じた禁止改定だった。

正直相棒能力は,登場時から強すぎな能力に感じていたので,今回のエラッタは順当だと感じた。

早くヴィンテージとレガシーで禁止された《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》と《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》を解放してやってほしい。
## 概要
[2020-05-18 Monに禁止改定](https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034000/)が発表されたので感想を記す。

今回の禁止改定の内容は以下の通りだ。

告知日:2020年5月18日
ブロール

《ドラニスの判事》禁止
《軍団のまとめ役、ウィノータ》禁止

レガシー

《夢の巣のルールス》禁止
《黎明起こし、ザーダ》禁止

ヴィンテージ

《夢の巣のルールス》禁止

テーブルトップ発効日:2020年5月18日

Magic Online発効日:2020年5月18日

MTGアリーナ発効日:2020年5月21日


ある程度予想していた通り,相棒関係のカードが禁止された。採用率や速度的に《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》,《深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depths》あたりの禁止の可能性が高いと思っていた。

やや意外なことに,《深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depths》は禁止されなかった。

## 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》
ブロールというスタンダード限定の統率者で《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》が禁止になった。

[イコリア:巨獣の棲処のカード評価](https://mtg.senooken.jp/post/2020/04/15/)では能力が限定過ぎていまいちという評価をした。その後,他の人のDiaryNoteなどを眺めてみると,統率者では相手だけ統率者のキャストを禁止できるというのが強いとわかり,過小評価だった。

登場時のスタンダードでも,相棒,脱出あたりを封じれるので,悪くはなかったのかもしれない。

## 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
レガシーとヴィンテージで《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》が禁止となった。

相棒という能力の都合,制限にしてもあまり意味がないので,ヴィンテージでも珍しく禁止カードが追加された。

《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》は,イコリア:巨獣の棲処のカード評価でも地味ながら強力なカードと評価していた。実際には,こちらの想定よりも強力なカードだったようだ。

新型コロナウイルス感染症の自粛期間中のため,対戦することはなかったのは救いだったのかもしれない。

レガシーとヴィンテージの両方で禁止となったため,自分としてはこの先も使うことがなくなってしまった。買う前でよかった。

## 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
レガシーで《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》が禁止となった。

白の新しい瞬殺コンボということで期待しており,今回の禁止は少々残念だった。ただ,サルベイジャーコンボなどで2キル連発はやむを得ないか。

実はこの発表の直前に,《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》と異なり単価が1枚100円と程度安かったので,2枚購入していた。

幸いなことにこちらはヴィンテージでは禁止されていないので,ヴィンテージでの採用を検討したい。ヴィンテージで相棒として採用する場合,《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》などと併用できない問題がある。やるとしたら,相棒に選ばない形になると思う。

白で起動型能力のコスト軽減カードは《覚醒の兜/Helm of Awakening》の他には*このカードしか無い*。相棒は手札が増えるのでもちろん強いのだが,相棒なしでも悪くないと思っている。

《厳かなモノリス/Grim Monolith》はマナ加速になるので,自分の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》でマナコストが増えてもイーブンになるので併用可能ではないかと思っている。

このカードのために《厳かなモノリス/Grim Monolith》を追加で3枚購入したのだが,《深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depths》の他に自体は統率者でも需要があるため,今日の相場をみたところ下がっていなくて安心した。

## 結論
イコリア:巨獣の棲処で新しく登場した相棒キーワード能力持ちカードがエターナル構築で禁止された。

特に,《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》は久し振りのヴィンテージでの新規禁止カードであり珍しかった。

白としては,レガシーで《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》が使えなくなるのは少々残念だった。ただ,幸いなことにヴィンテージでは使用可能だ。

値段も高くないのでこちらは4枚揃えてヴィンテージでの可能性を探っていきたい。後はせっかく購入した《厳かなモノリス/Grim Monolith》もどこかで使いたい。
## 概要
[2020-03-09 Monに禁止改定](https://mtg-jp.com/reading/publicity/0033869/)が発表されたので感想を記す。

今回の禁止改定の内容は以下の通りだ。


告知日:2020年3月9日
ブロール

《不屈の巡礼者、ゴロス》禁止

ヒストリック

 以下のカードを一時停止から禁止に変更

《王冠泥棒、オーコ》
《むかしむかし》
《夏の帳》

 以下のカードを一時停止から使用可能に変更

《死者の原野》

モダン

《むかしむかし》禁止

レガシー

《死の国からの脱出》禁止


ブロールとヒストリックはよく知らない。モダンの《むかしむかし/Once Upon a Time》とレガシーの《死の国からの脱出/Underworld Breach》は影響があるので感想を記す。

## 《むかしむかし/Once Upon a Time》
モダンの《むかしむかし/Once Upon a Time》だが,今回の禁止改訂によりスタンダード,パイオニア,モダンの3フォーマットでの禁止となる。これにより《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》と同じく,構築フォーマットでは,エターナル構築のレガシーとヴィンテージでのみ使用可能になる。

主要3フォーマットで禁止されたことで値段が落ち着き,買い時が来たように感じる。だいたい1枚400円くらいの相場になっている。

レガシーでの《むかしむかし/Once Upon a Time》は,エルドラージ・ストンピィで採用されていることを把握している。初回を0マナでキャスト可能ということで,初手のキープ基準を緩和でき,初動の安定性の向上に役立つ。

ただし,力線サイクル同様に初手以外に引いた場合の取り扱いがやや困る。特に,白使いとしては緑マナの捻出が必要である。このためだけに《Savannah》や《寺院の庭/Temple Garden》を採用するのは,気持ち悪いので気が引ける。

《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》を《Elvish Spirit Guide》に差し替えたり,《金属モックス/Chrome Mox》ではなく《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》の採用で緩和はできるが,レガシーの白単ではやはり扱いに少々困るように感じる。

しかし,これがヴィンテージになると可能性が高まるように感じる。レガシーよりもさらに*初動が重要*だからだ。

ヴィンテージの白単としては,やはり1ターン目に《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》か《輝きの乗り手/Glowrider》を《魂の洞窟/Cavern of Souls》経由で確実にプレイしたい。そうなると,少しでも確実性を高められる《むかしむかし/Once Upon a Time》は有力に感じる。

MTGも極めていくと1キル2キルの世界に入ってくる。2019年にロンドン・マリガンが導入されて,よりその傾向が強まってきているように感じる。

そういう意味で,《むかしむかし/Once Upon a Time》は白使いとしても注目のカードであり,今後の購入を検討したい。

## 《死の国からの脱出/Underworld Breach》
令和の《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》としてテーロス還魂記の発売前から注目されていたカードだ。

コンボ速度が早いものの,墓地コンボであり対策しやすかったので,禁止されなくても個人的には問題なかったと感じている。もっともまだ1戦しか対戦したことがなかったので,《レンと六番/Wrenn and Six》に比べると未知数だった。

《死の国からの脱出/Underworld Breach》が禁止されたことで,当然このカードを採用したブリーチ系デッキはいなくなるだろうが,個人的にはメタゲームはテーロス還魂記発売前に戻るだけでたいして変わらないだろうと思う。

結局,エターナル構築ではドレッジ,リアニメイト,ホガーク,ヴァインなど強力な墓地コンボデッキが一定数存在しており,《死の国からの脱出/Underworld Breach》が禁止されようが以前と変わらず墓地対策は必要だ。

個人的には,メインデッキの《悔恨する僧侶/Remorseful Cleric》4枚に加えて,サイドボードの《虚空の力線/Leyline of the Void》 or 《外科的摘出/Surgical Extraction》4枚がやはり手堅く感じる。《否定の力/Force of Negation》と《活性の力/Force of Vigor》があるので,クリーチャーと置物・呪文の2段構えで迎え撃つことが必要だろう。

## 結論
モダンの《むかしむかし/Once Upon a Time》の禁止,レガシーの《死の国からの脱出/Underworld Breach》の禁止について考察した。

個人的には,そんなに自分には大きな影響のない禁止改訂だった。せいぜい《むかしむかし/Once Upon a Time》の値段が下限に来て,お買い得なタイミングが到来したくらいだろう。しばらく様子を見て,1枚300円くらいで購入を検討したい。

今後のメタゲームにも注目したい。

なお,[前回の投稿](https://mtg.senooken.jp/post/2020/03/07/)の冒頭で軽く触れた退職については,本体サイトに[退職報告](https://senooken.jp/post/2020/03/10/)を投稿した。またしばらくニート期間に入るので,勉強・仕事探し・MTGのバランスを保って次に備えていきたい。
2019-06-03 Monにマジック:ザ・ギャザリング 日本公式サイトで[新型マリガン導入のアナウンス](https://mtg-jp.com/reading/publicity/0032582)があった。

この新型マリガンはミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019で採用されたことから,通称ロンドン・マリガン (London Mulligan) と呼ばれている。

公式サイトのアナウンスによれば,2019-07-05 Friの基本セット2020の発売と同時にマリガンに関するルールが以下のように変わるらしい。

103.4. 各プレイヤーはそれぞれ自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である。(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある。)最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行ってもよい。まず、開始プレイヤーがマリガンを行うかどうかを宣言する。その後、ターン順に各プレイヤーが同様に行う。各プレイヤーが宣言を終えた後、マリガンを行うことを選んだすべてのプレイヤーは同時にマリガンを行う。「マリガンを行う」とは、手札にあるカードをライブラリーに戻して切り直し、自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードを引き、その後それらのカードのうちそのプレイヤーがマリガンを行った回数に等しい枚数のカードを自分のライブラリーの一番下に望む順番で置くことである。あるプレイヤーがマリガンを行わないことを選んだなら、残ったカードがそのプレイヤーのゲーム開始時の手札になり、そのプレイヤーはそれ以上マリガンを行うことはできない。その後、マリガンを行うプレイヤーがいなくなるまで、この手順を繰り返す。プレイヤーは、開始時の手札が0枚になるまでマリガンを行うことができる。


今までは,マリガンする度に引ける枚数が1枚ずつ減っていた。ロンドン・マリガンでは,引ける枚数は7枚から変わらないものの,その中から任意のカードをマリガンの回数だけライブラリーの一番下に臨む順番で置くことになる。

MTGの中では*非常に大きな変更*だと感じている。

2018-09に復帰してから,バンクーバー・マリガン (マリガン後占術1を実施) を初めて知り,半年のプレイで慣れたところで,再びマリガンルールの変更に出くわすことになった。

パリ・マリガンの期間が長く,この方式に慣れ親しんでいた。個人的には,初手の事故も含めてMTGだと思っていたので,特に不満はなかった。

ロンドン・マリガンにより,初手の事故が起こりにくくなった。マリガンしても常に7枚引くため,キーカードを探しやすくなった。これはコンボデッキにとっては非常に有利に働く。

コンボが有利になるが,対策カードも引きやすくなるので,結果的に均衡状態になるだろうという公式の見解があった。これはもっともといえばもっともだ。

ただし,個人的にはそう思わない。なぜかというと,レガシーやヴィンテージ環境では**1ターンキルが可能なコンボが存在**するからだ。

対策カードを引けたとしても,キャストする間もなく瞬殺されてしまえば元も子もない。

具体的には以下のコンボデッキを想定している。

* ANT
* リアニメイト
* グリセルシュート
* ベルチャー
* レイラインズ
* ネオブランド

この中でも,個人的には*レイラインズ*が気になっている。

《虚空の力線/Leyline of the Void》や《神聖の力線/Leyline of Sanctity》を始めとする各種の力線を《セラの聖域/Serra’s Sanctum》経由で《オパール色の輝き/Opalescence》で一気に展開し,1ターンキルも可能なコンボデッキだ。

《虚空の力線/Leyline of the Void》と《神聖の力線/Leyline of Sanctity》をメインから採用でき,他の瞬殺コンボにも対抗できるこのデッキが強いのではないかと感じている。

ロンドン・マリガン導入後は,力戦,大長,ピッチスペル,《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》,《血清の粉末/Serum Powder》など,マナなしでキャスト可能なカード,初手であることに効果があるカードの需要が高まるだろう。

そして,《真髄の針/Pithing Needle》,《翻弄する魔道士/Meddling Mage》,手札破壊など,特定のカードを無効化するカードや手札破壊,そして1-2マナのカードの重要性が高まると感じる。

《意志の力/Force of Will》を持たないデッキでは,*1ターンキルはどうしようもない*。ロンドン・マリガン導入後,下手したら通常のビートダウンデッキは駆逐されてしまうかもしれない。

白単ビートダウンとしては,ますます《悟りの教示者/Enlightened Tutor》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》の重要性が高まるだろう。

灯争大戦の発売後,6月はモダンホライズン,7月は基本セット2020の発売と,毎月のようにカードセットが登場し,ルールも変化する。今は*MTGにおける大きな変動期*だ。禁止カードの改訂もあるかもしれない。

仕事が忙しくなったのもあり,基本セット2020が発売され,環境が落ち着くまでは一旦MTGを休止しようと思う。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索